70kmの独走を決めて5年ぶり2度目の市民210km制覇を達成した高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)。夏からの乗り込みをこなし、十分な準備をしておきなわに備えた。高岡自身の手記で振り返る。

スタートを切った高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)スタートを切った高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形) (c)Makoto.AYANOツール・ド・おきなわとは。一言で表すとアマチュア自転車乗りの甲子園。ここでの優勝は他での優勝とは違う、私にとってとても特別なレースで、一年での最重要レース。今年は全日本選手権・乗鞍・おきなわの3つに照準を絞ってやってきた。

6月の全日本選手権ではプロ選手との埋めがたい差を実感。私のコンディションは悪くなかったが18位という結果で、その順位以上にこれ以上このレベルのレースで何かをするのは難しいと痛感。
そして8月の乗鞍。体重を落としつつパワーを出せるように調整できたつもりが、結果は自己ベストとはほど遠い。年々ヒルクライムに弱くなってきている気がする。

それはさておき、乗鞍後はひと呼吸おいてツールドおきなわに的を絞って練習。9月まで一度も顔を出していなかった水曜朝練に出て、平日朝から仲間とスピード練習をして60km走るという練習リズムを取り戻す。

10月はふと思い立って、とにかく距離を走って自信をつける事に決めた。
祝日は一日のみ、有給取得ゼロ、土曜日は2回子供の運動会に出ながら、10月で2,700km走った。
この走り込み期は、1.体重を落とさない、2.早く寝る、3.コンプレッションウェア、の3点で乗り切った。
距離を稼ぎながらも、優勝した2007年の自分のブログを何度も読み返し、やはりそれなりの負荷を連続的にかける必要性を感じたので、後半は疲れた中にもインターバルを入れて追い込む。

そして11月に入ってからは疲れを取る事に集中。半ばオフに入ったと錯覚するほど練習しない日々で決戦の日に向けて100%フレッシュな身体を作る。

高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)と武井きょうすけ(フォルツァ!)高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)と武井きょうすけ(フォルツァ!) (c)Makoto.AYANOそうして沖縄入り。
スタート後からは例年通り常に集団前方で走る。多少脚を使う事あっても落車だけは避けたい。
前半はオーベストの選手が逃げたりして積極的にレースをリードする。私はうっかり有力選手を含む大人数の逃げを許してしまうという事態だけは避けるように注意。
海岸線は昨年よりはゆっくりと落ち着いたペースで進み1回目の普久川ダムの上りへ。
前は10名くらいの逃げがあり、1分ほどの差で集団。その先頭で上り口へ。
西谷さんのほぼ先頭固定のハイペースで一気に人数が絞られた昨年とは違い、今年は穏やかなペース。

1回目の普久川ダムの上りをこなすメイン集団。先頭に西谷雅史が出てくる1回目の普久川ダムの上りをこなすメイン集団。先頭に西谷雅史が出てくる (c)Makoto.AYANO西谷さんも積極的に走るが集団のペースは上がりきらない。比較的余裕を持って頂上過ぎて、40名ほどの大集団。
沖縄本島北端を周るアップダウンも大きな変化はなく進む。オーベストの人数が多い。
私は比較的集団前方に位置していたが、一度後方に下がってみるとチームメートの橋本君と今回のルームメートのPaulを発見。
特に橋本君は今回相当調子を上げて臨んでいるので余裕はあるはずだが、勝負どころに備えて後方で待機している感じ。

好調ゆえにアドレナリンに任せて力使って自滅というパターンはならないのは、さすがレース経験豊富で最高の集中力でレースに臨んでいる橋本君。
2回目の普久川ダムへ向かう海岸線はことさらペースダウンなので、後半の絶え間ないアップダウンに備えてひたすら固形物を摂取。

後続に4分近い差を持って独走する高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)後続に4分近い差を持って独走する高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形) (c)Makoto.AYANO2回目の普久川ダムへの上り前でチームメートの高橋選手(以下よっしー)と一緒にすーっと集団前方へ。
この上りで必ずペースが上がり人数が絞られるので、前方で走る。
上りの後半で少し前を走ったら集団が少し離れた。アタックして脚使って飛び出したわけではないので、自分のペースでしばらく上ってみると、けっこう後ろと離れていく。
先行していた鈴木亮さんも抜かして、いよいよレースのトップに立つ。

後ろから台湾の選手が一人追い付いてきて、2名で山頂へ。
台湾が山岳賞に向けてダッシュするも無視。
後方からよっしーの単独追走が見えたので、下りから補給所を経て分かれ道まではゆっくり走って合流を待つ。

集団から飛び出した3名は私(優勝経験あり)、よっしー(チームメートで昨年3位)、台湾選手。これ以上ない完璧な展開。
独走力なら集団内でも1・2を争うほどの脚力のよっしー。一緒に逃げるには理想の相棒。
残り長いとは言えこの3人なら、というか正直台湾選手は良く知らないが少なくともよっしーとなら、逃げ切れる可能性がけっこうある。補給所での集団とのタイム差は30秒。
アドレナリン全開で先頭交代して下りに突っ込んで行く。と、後ろが離れている。

高江の上り前の平坦で2人を待って再び3人に。上りは先頭固定でもやむなし、下りと平地をローテーションしてくれる仲間がいれば逃げは格段に楽になる。
しかし、上りの途中で既に2人とも離れてしまった。完璧なシナリオと思った逃げはあっという間に単独になって、非常に厳しい状況。

けどこの時点で後続と2分くらい離れていたので、差は少なくないので、とりあえず行けるところまでイクことに。
かなり短い区間で差が2分ついたので後続集団のペースが落ちているのは明白。
ペース落ちると追いかけたい人とそうでない人たちとの意思の違いからペースの上げ下げが頻繁になり、結果的に脚を使う割には全体としてペースが上がらないという状況はよくある。
チームとしてコントロール出来る事がほぼないホビーレースの難しさ。

羽地ダムの下りでひとり逃げる高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)羽地ダムの下りでひとり逃げる高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形) (c)Makoto.AYANO

延々と続くアップダウンをひたすら一人で逃げるのは2007年と全く同じ状況。
脚が攣らないようにと祈りながらギリギリ続くレベルで走る。
差が順調に3分ー4分と広がっていく。4分!?と審判車からの情報に驚く。後ろは相当ペースが上がっていない。
もしかしたらもしかするかも。

高岡をひとり追う清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)高岡をひとり追う清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング) (c)Makoto.AYANOしかし海岸に出てからの平坦がきつい。一人で風を受けながらずっと我慢して上りに入る。いつしか上り口で脚が攣るようになる。体重移動やペダリングを変える事でごまかす。
脚が攣った後でも、長い上りでリズムをつかんでしまうと、このまま上りがずっと続いてくれと思うほど調子よく走れたのだが、平地/上りの連続が一番こたえた。4分という差をなんとか食い潰さないように、粘る。

そうこうしていてもタイム差は縮まらず、むしろ5分くらいまで広がっていく。
いくら広がっても、勝てると思ってはいけない。えてして「これは勝っただろう」と思った時に限って勝てない。2008年のように。。

高岡を追う8人の追走集団高岡を追う8人の追走集団 (c)Makoto.AYANO向かい風でどんなにスピード落ちてもギアをどんどん落としてケイデンス保って走り、上りは無理せずなるべくダメージの少ない方法で走り、ゴールまでの残り距離を減らしていく。

羽地ダムへの上り前で2分あったら逃げ切れるんじゃないかと思っていたが、そこでは5分くらいの差がついていた。
しかし油断はいけない。このダムを越えればゴールまでは10km。源河から20km弱海岸線が残る以前のコースより格段に私にとっては走りやすい。
この上りで全て出し切るつもりで全力で上る。下ってみると差は5分40秒まで開いた。
ここからゴールまではウィニングロードだ。

勝ちへ向かう道を、その興奮を堪能しながら、いつまでも続いてくれと思いながら走った、なんて4年前に書いた気がするが、今回は疲れ果てていて、早くゴール越えて走るのをやめたいと思っていた。

市民210km ゴール 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)が独走優勝市民210km ゴール 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)が独走優勝 photo:Hideaki.TAKAGI

市民210km ゴール 2位集団ゴール市民210km ゴール 2位集団ゴール photo:Hideaki.TAKAGI一人で街中の観客の中へゴールするのは格別な思いだったが、今回後続集団のゴールスプリントで2着を穫り橋本君が3位入賞したとのアナウンスが聞こえて、嬉しさが倍増した。
同じチームメートで平日の朝に一緒に練習する仲間で、お互いこのレースを目標にして練習してきてよい結果を出せたという事が心底嬉しかった。

勝ったにしろ負けたにしろ、ツール・ド・おきなわは最高だ。
高山さんの3勝や入賞8回に並びたいし、市民210kmでは初となる連覇もしたい。まだまだ道半ば。
本当にこの優勝に至るまで最大限サポートしてくれた家族、イナーメの皆、スポンサー様、レース関係者、RBC様 etc. 皆様ほんとうにありがとうございました&今後もよろしくお願いします。

毎年言っているが、沖縄には勝ちに行きます。


使用機材
フレーム: Time RXRS Ulteam VIP
メインコンポ: Campangolo Super Record
クランク、ギア: Cannondale Hollowgram SL crank 50-36 x 11-23(11S)
ホイール: Lightweight Standard G3 wheel
タイヤ: Continental Competiton 19C Tu
サドル: Bontrager inForm RXL 128mm
ハンドル: Oval R950 420mm
ステム: Rotor S1 120mm
ペダル: Speedplay Zero Titanium
シューズ: BONT Vaypor(SPEEDPLAY用4つ穴)

Timeのフレームにカンパでコンパクトクランク、と初優勝した2007年と同じなのは偶然ではなく、意識して験かつぎしてみた。


市民210km表彰台 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)、山本雅之(ブリヂストンサイクル西日本)、橋本健(イナーメ・アイランド信濃山形)市民210km表彰台 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)、山本雅之(ブリヂストンサイクル西日本)、橋本健(イナーメ・アイランド信濃山形) (c)Makoto.AYANO市民210km結果
1位 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)5時間33分04秒1
2位 山本雅之(ブリヂストンサイクル西日本)+4分37秒
3位 橋本健(イナーメ・アイランド信濃山形)
4位 チュー・ファンシン(台湾車連)
5位 宇津野邦之
6位 清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)
7位 米内蒼馬(明星大学)
8位 山本浩史(ペダル)
9位 高橋聡一(シマノドリンキング)+4分43秒
10位 今田裕一(DOKYUレーシングクラブ) +5分44秒

ツール・ド・おきなわ2011全クラスフォトギャラリー(picasa)
ギャラリー1 
ギャラリー2

photo:Makoto.AYANO,Hideaki,TAKAGI
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