いよいよ開幕したツール・ド・おきなわ。2位に3秒差を付け個人TTを圧勝したのはトーマス・パルマー(ドラパック・ポルシェ)。これで3年連続の優勝だ。有力選手が上位につけ、翌日に向けて好発進。

ツール・ド・おきなわは2日間のステージレース。初日の11月12日(土)は個人タイムトライアルが行われた。
場所は名護市中心市街地を四角形に回る1.8km。途中にガジュマルの大木「ひんぷんガジュマル」が中央分離帯に生えている部分を迂回するような線形がある。
心配された天候は、曇りから晴れで路面は完全ドライ。実力差がそのまま反映されるコンディションだ。

朝7時に名護市中心部からサイクリング組がスタート。総勢1200人オーバーで、思い思いのグループとペースでスタートしていく。

1位 トーマス・パルマー(ドラパック・ポルシェ)1位 トーマス・パルマー(ドラパック・ポルシェ) photo:Hideaki.TAKAGI

午前10時を過ぎると中心部とあって沿道には観戦の人たちが集まってくる。保育園児たちも並んで、早くも試走中の選手たちに声援を送る。外国選手たちは声援にみな笑顔で返す。

午前10時30分、第1走者がスタート。30秒ごとに一人ずつスタートしていく。各チーム5人なので全部で5組、チーム内での出走順は、各チームで決めている。
選手たちは2分15秒=平均時速48キロを上回ると速いほうだ。88名中、32番目スタートのアダム・ヘレン(ドラパック・ポルシェ)が2分11秒で走り暫定トップに。青柳憲輝も好タイムでしばらくは暫定2位に。
しかし4番手そして最終組になるにつれ好タイムが続出。
なかでもトーマス・パルマー(ドラパック・ポルシェ)は唯一2分10秒を切る2分08秒31を出し、2位で同チームのヘレンに3秒差をつけ圧勝。

2位 アダム・ヘレン(ドラパック・ポルシェ)2位 アダム・ヘレン(ドラパック・ポルシェ) photo:Hideaki.TAKAGI3年連続でリーダージャージに袖を通すトーマス・パルマー(ドラパック・ポルシェ)3年連続でリーダージャージに袖を通すトーマス・パルマー(ドラパック・ポルシェ) photo:Hideaki.TAKAGI


パルマーは09年大会の個人TTから連勝しており、今年でじつに3連覇だ。昨年のジャパンカップ・クリテリウムで勝利したパルマーはスプリンター。「日本で、そしてこのおきなわで連勝できてうれしい。明日のコースは自分向きではない」と語る。

日本人選手では、愛三工業が3位盛一大、4位西谷泰治と好位置に付け、さらに佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)と続く。
昨年の覇者、福島晋一(トレンガヌ・プロ・アジア・サイクリングチーム)も6秒差の9位に付けて射程内だ。

3位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)3位 盛一大(愛三工業レーシングチーム) photo:Hideaki.TAKAGI4位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)4位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) photo:Hideaki.TAKAGI5位 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)5位 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) photo:Hideaki.TAKAGI


第2ステージは厳しい210km。昨年の覇者・福島、一昨年の覇者・伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)も参加。そして過去最多の4勝を誇る、ワン・カンポー(ホンコンチャイナ)も走る。第2ステージが集団ゴールの場合は同タイム扱いなので、この第1ステージのタイム差が生きてくる。愛三工業勢が有利に進めるだろう。

結果 第1ステージ 個人TT 1.8km

1位 トーマス・パルマー(ドラパック・ポルシェ)2分08秒31
2位 アダム・ヘレン(ドラパック・ポルシェ)+3秒37
3位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)+4秒14
4位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)+5秒78
5位 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+5秒90
6位 ベクマニス・インダリス(ラポム・マルセイユ)+6秒34
7位 青柳憲輝(シマノレーシング)+6秒54
8位 フェン・チュン・カイ(アクションサイクリングチーム)+6秒69
9位 福島晋一(トレンガヌ・プロ・アジア・サイクリングチーム)+6秒70
10位 鈴木譲(シマノレーシング)+7秒01

photo&text:高木秀彰
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