さまざまな憶測が飛んでいた全日本チャンピオン別府史之の移籍先が遂に発表された。解体するレディオシャックを離れるフミが選んだのは、オーストラリアで来シーズン新たに結成されるグリーンエッジ・サイクリング(GreenEDGE Cycling)。2年契約を結んだフミ。新天地での挑戦が始まる。

チームディレクターを務めるシェイン・バナン氏と握手する別府史之チームディレクターを務めるシェイン・バナン氏と握手する別府史之 photo:www.fumy.jpツアー・ダウンアンダー開幕直前の2011年1月17日に結成が発表され、2012年シーズンに向けて動き出したグリーンエッジに、全日本チャンピオンが加わる。

フミはデンマーク・コペンハーゲンで開催されたロード世界選手権の翌日にイタリアに渡り、ヴァレーゼにあるチーム拠点で契約書にサインした。

チームのヨーロッパ拠点はイタリアだが、フミの拠点は継続的にフランス。また、同じくレディオシャックからはロビー・マキュアン(オーストラリア)が移籍する。以下はリリースに掲載された本人のコメント。

「来シーズンよりグリーンエッジで走ることになりました。新たな環境になりますが、グリーンエッジはしっかりとしたビジョンを持っていて、選手やスタッフのモチベーションが高く、自分の目標に向かって走ることのできるチームだと思っています。目標のツール・ド・フランスでのステージ優勝を目指し、選手としてのレベルをさらにあげ、大いに活躍したいです。今から来シーズンが待ち遠しいです。きっとエキサイティングなシーズンになるに違いありません。応援よろしくお願いします。」

グリーンエッジのGM(ジェネラル・マネージャー)を務めるのは、元サイクリングオーストラリア(自転車競技連盟)で役職を転任したシェイン・バナン氏。元ケースデパーニュ(現モビスター)のニール・スティーブンス氏が監督に、先日レオパード・トレックのGMの職を辞したブライアン・ニガード氏がプレス担当に就く。

1月のチーム結成発表会で「その場しのぎのチームではない。ツール・ド・フランスに向けたビジョンがある。トップチームとして活動する長期的な計画だ」とバナン氏が語っていた通り、チームの最大の目標はオーストラリア人選手によるツール制覇。今年オーストラリア人選手として初めてツール制覇を達成したカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)に続く人材を育てる。

バナン氏は「オーストラリア人選手の比率は75%をキープしたい」と語っていたが、UCIプロチーム入りを目指すグリーンエッジは、UCIポイントをもつ海外選手も積極的に獲得した。現状グリーンエッジのメンバー26名の内訳はオーストラリア人が15名(58%)で海外選手が11名(42%)。ネオプロの選手が1名入っているため、チームメンバー枠は最大29名(最小23名)。UCIポイントランキングでは現在のUCIプロチームに肩を並べるレベルに充分達している。


6月の全日本選手権で優勝した別府史之(レディオシャック)6月の全日本選手権で優勝した別府史之(レディオシャック) photo:Hideaki.TAKAGI1月、各国メディアを前にグリーンエッジ・サイクリングの始動が宣言された1月、各国メディアを前にグリーンエッジ・サイクリングの始動が宣言された photo:Kei Tsuji


グリーンエッジへの移籍が決定している25名
マシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)
リー・ハワード(オーストラリア、HTC・ハイロード)
ロビー・マキュアン(オーストラリア、レディオシャック)
サイモン・ジェランス(オーストラリア、チームスカイ)
アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)
サイモン・クラーク(オーストラリア、アスタナ)
スチュアート・オグレディ(オーストラリア、レオパード・トレック)
ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
トラヴィス・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
ブレット・ランカスター(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
マシュー・ウィルソン(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
バーデン・クック(オーストラリア、サクソバンク・サンガード)
ウェズリー・サルツバージャー(オーストラリア、FDJ)
ミッチェル・ドッカー(オーストラリア、スキル・シマノ)

別府史之(日本、レディオシャック)
トーマス・ヴァイクス(リトアニア、アスタナ)
セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、ラボバンク)
ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)
イェンス・モーリス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)
ジュリアン・ディーン(ニュージーランド、ガーミン・サーヴェロ)
イェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)
アイディス・クルオピス(リトアニア、ランドバウクレジット)
スヴェイン・タフト(カナダ、スパイダーテックC10)
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、ネオプロ)

text:Kei Tsuji