ブエルタ・ア・エスパーニャ2011第11ステージ。小集団から飛び出したモンクティエが単騎で山頂ゴールを制し、4年連続でブエルタでのステージ優勝する偉業を達成した。総合1位はウィギンスに移行。1分以内に総合1位から6位までがひしめき合う混戦模様となった。

先頭で超級山岳ラ・マンサネーダの頂上を目指すダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)先頭で超級山岳ラ・マンサネーダの頂上を目指すダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス) photo:Kei Tsujiステージ優勝のダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)


このステージが最優先だった。今日は逃げに入りたかったし、山岳ステージのポイントも獲得したかった。付け加えておきたいけど、僕が描いていたシナリオ通りには行かなかったんだ。






総合首位のブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)

マイヨロホを着ることができて、とても満足している。チームメイトには感謝し尽くせない——彼らは、このステージまでぼくとフルーミー(クリス・フルーム)の面倒を見てくれたし、すばらしい働きだ。

あの最後の登りは寒かったけど、逆にゴールまで心地よかったよ。ホアキン・ロドリゲスがアタックしたときは、彼に付いていきようがなかった。だから、いつものように自分の一定ペースをまもって、山頂までがんばった。チームスカイで総合1位と2位を押さえているのは、それだけ順調ということだよ。

チームのエースを担うブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)チームのエースを担うブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji総合首位に躍り出たブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)総合首位に躍り出たブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji


フルーミーはとても調子よく走れている。今の彼はどのステージでも、調子よく走れているようだ。うれしいことに、彼はわざわざ僕のところまで来て、レース後に祝福してくれたんだよ。

これから先は、今日の方針と変わらない。このジャージの防衛に全力を尽くして、できるだけ長くキープしていくつもりだ。今までずっと厳しいレースだったけど、明日は少しは楽になるはずだ。トラブルを避けることができそうだ。


ポイント賞を維持したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

超級山岳ラ・マンサネーダでメイン集団からアタックしたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)超級山岳ラ・マンサネーダでメイン集団からアタックしたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Kei Tsuji(スタート前)
アタックするつもりだよ! これ以上失うものはないんだし、ボーナスタイムを稼げる可能性があるかも確かめたい。最後の登りは知らないけれど、チームメイトのロサダが、僕に代わって試走した。僕の脚質向きではなさそうだ。

(ゴール後)
もっと早い段階でアタックすればよかった。でも、風が強くて、思い通りにはいかなかった。まだ絶好調だし、今日はあまりタイム差を稼げなかったけれど、この先のステージはうまくいって、20〜30秒は稼げると思う。今日はクライマーじゃない選手たちは、かなりの体力を消耗している。明日彼らは疲労で何秒かのタイムを失なうと思う。ステージ後の今、僕はやる気が増している。今回のブエルタでまだ戦えるという感触があるからね。


マイヨロホで走った総合2位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)


(スタート前)
(マイヨロホを着ても)これまでと一緒だよ。変わったのは注目されるようなったことだけだね。でも、結局はここに集まっている選手たちと同じだ。レースに備えているだけだよ。

マイヨロホを着てスタートについたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)マイヨロホを着てスタートについたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji逃げグループからアタックを見せたセルジオ・パウリーニョ(ポルトガル、レディオシャック)逃げグループからアタックを見せたセルジオ・パウリーニョ(ポルトガル、レディオシャック) photo:Cor Vos



ステージ5位、チーム総合1位のセルジオ・パウリーニョ(ポルトガル、レディオシャック)

ラボバンクやレオパード・トレックの選手が逃げ集団にいたから、今日は逃げ集団に入った。チーム総合のライバルだからね。今日は一日調子がよかったから、最後の登りでアタックした。知らないと思うけど、去年はこうやってツール・ド・フランスでステージ優勝したんだ。残念ながら、モンクティエが動いたのについていけなかったから、努力は報われなかったんだけどね。


総合1位と2位を押さえたチームスカイのスポーツディレクター、ステフェン・デヨンフ

今日はチームにとってほんとうに良い日だった。終盤でフグルサングをふるい落として、総合で差をつけることができた。ブラッド(ウィギンズ)が総合で首位に立った。今日のチームの走りはほんとうに感動的だったと言いたい。

彼らは逃げ集団がいるときには、メイン集団をコントロールして、追いつけるぐらいの間隔にタイム差を保ち続けた。彼らの走りにはほんとうに感心する。

チームスカイがメイン集団を終日コントロールしたチームスカイがメイン集団を終日コントロールした photo:Kei Tsujiマイヨロホのクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が献身的にウィギンズをアシストするマイヨロホのクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が献身的にウィギンズをアシストする photo:Tour of Spain/Graham Watson


クリス(フルーム)には敬意を払いたい。空が先頭を牽き続けてくれたおかげで、ブラッドの位置はなにも変わらなかった。ウィギンスがチームのリーダーで、これはタイムトライアル後も変わっていない。クリスはすばらしい走りができて、心から喜んでいた。ブラドレー(ウィギンズ)も、彼に感謝しているはずだ。

レースをコントロールできたし、良いステージだった。厳しかったけど、狭く曲がりくねった道だらけで、集団の後方にいるよりも先頭にいたほうがいいコースだったんだと思う。それでもチームがすばらしい走りをしてくれたのが、ほんとうにうれしい。


入賞に期待するラボバンクのレースディレクター、エリック・デッケル

ルイスレオン(サンチェス)に賞を獲らせたかった。もちろんステージ3位は入賞だけど、われわれの望みはステージ優勝だったんだ。レース展開そのものはよかった。いい逃げ集団ができたし、タイム差もあったからね。

(チーム総合成績へのサンチェスの貢献については)もちろん役立っている。あの逃げは、たまたま良い状況になっただけだ。他の上位チームもそのことはわかっている。われわれの目標はバウク(モレマ)の総合順位に絞っている。しかし、このままでいるつもりはない。

逃げ集団内でアタックを見せたルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)逃げ集団内でアタックを見せたルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク) photo:Cor Vosファンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク)をねぎらうエリック・デッケル監督(左)ファンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク)をねぎらうエリック・デッケル監督(左) photo:Cor Vos


最後の登りは、とても保守的な走りだった。言いかえると、きわめて長い時間大集団を維持していただけなんだ。それでも、ご覧の通り、われわれのレースはうまくいった。ステフェン(クルイスウィック)はアタックして打開しようとしていたし、トムイェルテ(スラグテル)は献身的にバウクの逃げをサポートした。これはわれわれが休養日をうまく使えたことと、バウクの調子がいいことの証明だ。そうでなければ、こんなにうまく走れなかったよ。あとわずかでジャージに手が届く。選手たちが今日見せた実力があるなら、充分に期待できる。


ソースは現地取材、記者会見、主催者公式サイト、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。



translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
photo:Kei Tsuji,Cor Vos,unipublic

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