8月21日に開催されたJプロツアーシリーズ"みやだロードレース"。個人TTで開催された第1ステージに続き2日はクリテリウ方式のレース。 午前中に予選が行われ、勝ち残ったメンバーによる決勝が午後に行われた。

早めの勝利をアピールする畑中 勇介(シマノレーシング)早めの勝利をアピールする畑中 勇介(シマノレーシング) (c)Makoto.AYANO

JプロツアーのスタートJプロツアーのスタート (c)Makoto.AYANOJプロツアークラスタの予選は二組に分けて行われ、その中から50人が午後の決勝レースに進んだ。
2日間で行われるこのみやだロードレース。成績はゴールラインを通過した順位ではなく、2日間のポイント合計で争われる。中間ポイントとゴールポイントは通過順によって定められており、それをどれだけ多く獲得できるかで勝負は決まる。これはレースを活性化し、ゲーム性のある面白いものにしようという試みだ。

1日目に続いてこの日も天候は良くなく、霧雨が降り続く肌寒い一日となった。コースは宮田村の郊外の周回コースで、8の字を描くような平坦基調のコース。ただし軽く登って下る箇所もあり、路面が濡れていると難しいコースだ。

緑深い宮田村を走る緑深い宮田村を走る (c)Makoto.AYANOJプロツアークラスタでは大きな落車事故もなく、有力選手たちは危なげなく予選を通過し、午後3時からの決勝へと臨んだ。
ルビーレッドジャージを着るポイントリーダーは増田 成幸(宇都宮ブリッツェン)。対抗するのは数の揃ったシマノレーシング、そしてJBCFのレースを重視しないものの会場から2時間ほどの土地で合宿中だった愛三工業レーシング。

レースは12周回で行われた。3周、5周ごとにポイントがつくが、3周ごとのポイントはJBCFポイントで、先頭通過者に5・3・2・1ポイントがつく。5周ごとは宮田村の設定した地元賞のポイントで、こちらも5・3・2・1ポイントがつく(JBCFポイントには関係がない)。ゴー畑中 勇介(シマノレーシング) のアタックを追う増田 成幸(宇都宮ブリッツェン)畑中 勇介(シマノレーシング) のアタックを追う増田 成幸(宇都宮ブリッツェン) (c)Makoto.AYANOルの着順と中間ポイントの合計、そして前日個人TTで獲得したポイントの合計で総合優勝者が決まる。

つまりゴールの着順だけでトップを狙っても、レースが終わってみれば優勝できなかったということにもなる。極端には中間ポイントだけで総合優勝が決まってしまうケースもありうる。このレースだけのポイントの仕組みに難解だという声が上がったが、レース活性化のアイデアというわけだ。

レースが動いたのは残り9周。畑中勇介(シマノレーシング)が増田 成幸(宇都宮ブリッツエン)とふたりで抜け出し、アタックして独走する鈴木 真理(シマノレーシング)アタックして独走する鈴木 真理(シマノレーシング) (c)Makoto.AYANO最初のポイントを畑中が先頭通過して獲得した。これで畑中がポイントで暫定トップに。

そのカウンターアタックで鈴木真理が独走に入る。畑中と西薗良太のシマノコンビが50点で並び、増田は45点で追う形になった。

5周目に入っても逃げる鈴木真理。畑中が53点でトップに立つ。鈴木真理と西薗が50点、増田が47点、鈴木譲が43点と続く。

鈴木真理の逃げは残り2周まで続いた。後続ではシマノ勢がポイントを加算し、増田のポイント加算を許さない。
シマノレーシングに苦しめられた増田 成幸(宇都宮ブリッツェン)シマノレーシングに苦しめられた増田 成幸(宇都宮ブリッツェン) (c)Makoto.AYANOラスト1周に入る時点で畑中56点、鈴木真理55点、西薗52点、増田47点。

そして最終周回。柿沼章(宇都宮ブリッツェン)がスパートし、増田を助ける動きを見せる。しかし集団を大きく引き離してラストのコーナーを抜けたの 山下 貴宏(マトリックスパワータグ)。あわや逃げ切りかと思われたが、ゴール直前にシマノレーシングがコントロールする集団が追い付き、畑中が山下を交わす。

早めに手を挙げた畑中だったが、中村誠(宇都宮ブリッツェン)がゴール直前で伸びてきた。畑中は挙げていた片手ゴールラインを先に越えた畑中 勇介(シマノレーシング) ゴールラインを先に越えた畑中 勇介(シマノレーシング)  (c)Makoto.AYANOをハンドルに戻して再加速。トップでゴールラインを駆け抜け、ゴールのポイント50点を加算。総合優勝を決めた。

2日間の総合で、シマノレーシングの畑中、西薗、鈴木真理がワン・ツー・スリー。増田は4位。
ここまでのJプロツアー戦獲得ポイントでルビーレッドジャージは僅差で増田がキープした。快調の畑中の猛追で、リーダージャージの行方はわからなくなった。
新人賞のホワイトジャージはシマノレーシングの青柳憲輝がキープしている。

フェミニン 高橋 奈美が西加奈子を下す
昨第1ステージでポイント1位となっていたのは高橋 奈美(Vitesse-Serotta-Feminin)。3位に甘んじていた西加南子(LUMINARIA)が逆転を狙ってポイント獲得に動く。西としては周回ポイント2つとゴールすべてを1位通過すれば逆転総合優勝は可能だ。

積極的に走る高橋 奈美(Vitesse-Serotta-Feminin)積極的に走る高橋 奈美(Vitesse-Serotta-Feminin) (c)Makoto.AYANO高橋 奈美(Vitesse-Serotta-Feminin)と 西 加南子(LUMINARIA)のゴールスプリントは高橋が写真判定で先着高橋 奈美(Vitesse-Serotta-Feminin)と 西 加南子(LUMINARIA)のゴールスプリントは高橋が写真判定で先着 (c)Makoto.AYANO


1回めのポイントは高橋、西の順で通過。2回めは西、高橋の順。そしてゴールは西が早めの先行スプリントで勝負に出るが、追い込んだ高橋がゴール寸前で西をかわし、写真判定の結果1位通過。総合優勝を獲得した。
ここまでの総合によるJフェミニンジャージは引き続き橋本 みどり(なるしまフレンド)がキープした。

その他のクラス

E1 ゴールを制したのは高田 雄太(たかだフレンドレーシング)E1 ゴールを制したのは高田 雄太(たかだフレンドレーシング) (c)Makoto.AYANOE2を制した金子 大介(なるしまフレンド)E2を制した金子 大介(なるしまフレンド) (c)Makoto.AYANO

紺野 衛(DOKYU)がE3を制する紺野 衛(DOKYU)がE3を制する (c)Makoto.AYANO雨のなかのスプリント争い雨のなかのスプリント争い (c)Makoto.AYANO


総合成績   獲得ポイント(次の順):TT クリテリウム 合計 JBCF

シマノ、ブリッツェンだけがポディウムにのぼった表彰式シマノ、ブリッツェンだけがポディウムにのぼった表彰式 (c)Makoto.AYANO1位 畑中 勇介(シマノレーシング) 45 50 11 106 1000
2位 西薗 良太(シマノレーシング) 50 42 2 94 700
3位 鈴木 真理(シマノレーシング) 44 39 10 93 650
4位 増田 成幸(宇都宮ブリッツェン) 42 41 5 88 600
5位 中村 誠(宇都宮ブリッツェン) 40 45 0 85 550
6位 鈴木 譲(シマノレーシング)43 40 0 83 500
7位 岩島 啓太(なるしまフレンド) 39 36 1 76 400
8位 初山 翔(宇都宮ブリッツェン)38 37 0 75 400
9位 山下 貴宏(マトリックスパワータグ) 28 44 0 72 400
10位 澤田 賢匠(CIERVO NARA PROCYCLINGTEAM) 30 30 0 60 400

F
1位 高橋 奈美(Vitesse-Serotta-Feminin) 50 50 8 108 100
2位 西 加南子(LUMINARIA) 44 45 8 97 70
3位 西塚 優美(SQUADRA CORSA cicli HIDE) 45 44 4 93 65
4位 星川 恵利奈(湘南ベルマーレクラブ) 43 43 2 88 60
5位 釜下 裕子(Sakatani Racing) 41 40 0 81 55
6位 橋本 みどり(なるしまフレンド) 42 38 0 80 50

E3
1位 紺野 衛(DOKYU) 41 50 5 96 40
2位 今田 裕一北海道(DOKYU) 45 44 3 92 35
3位 北沢 竜太郎(信州大学Racing team) 50 41 0 91 30
4位 小林 宏志(Honda R&D 栃木) 32 43 7 82 25
5位 二俣 雄哉(イナーメ・アイランド信濃山形) 38 40 3 81 20
6位 今西 強(奈良キタサイクル まほロバRC) 40 39 0 79 15

フェミニン 第2ステージ表彰フェミニン 第2ステージ表彰 (c)Makoto.AYANOE2クラスタ 総合表彰E2クラスタ 総合表彰 (c)Makoto.AYANO


E2
1位 金子 大介(なるしまフレンド)42 50 10 102 60
2位 山崎 嘉貴(VeloClub MinamiShinshu) 50 44 3 97 50
E1総合表彰 遠藤 績穂(spacebikes.com)が総合優勝E1総合表彰 遠藤 績穂(spacebikes.com)が総合優勝 (c)Makoto.AYANO3位 岸 崇仁(スミタ・ラバネロ)43 45 0 88 45
4位 小島 大太郎(Team‐DADDY) 44 42 1 87 40
5位 雨澤 毅明(ブラウ・ブリッツェン)45 37 2 84 35
6位 徳久 武(BREZZAカミハギRT) 41 43 0 84 30

E1
1位 遠藤 績穂(spacebikes.com) 44 45 3 92 100
2位 兼子 博昭(スワコレーシングチーム) 50 40 1 91 70
3位 岡 泰誠(spacebikes.com) 42 44 2 88 65
4位 中村 龍太郎(信州大学Racing team) 37 41 10 88 60
5位 高田 雄太(たかだフレンドレーシング)36 50 0 86 55
6位 雨乞 竜己(PRESTO) 41 37 3 81 50


photo&text:Makoto.AYANO