ツール・ド・フランスは第11ステージでピレネー山岳に入り、総合争いがいよいよ本格化した。山岳初日を制したのは、バスクのチームが誇るサムエル・サンチェス。コンタドールはアンディ・シュレク、カデル・エヴァンスらに遅れ、タイムを失ってしまった。

ステージ初優勝で山岳賞も獲得したサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

山岳賞ジャージも獲得したサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)山岳賞ジャージも獲得したサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) photo:Cor Vos今日が重要な日なのはわかっていた。だから、なにかトライしたかったんだ。僕の総合成績での順位は下のほうだ。つまり、他の総合を狙う選手たちにとっては危険なライバルにはならないんだ。だからチャンス次第でアタックすることにした。

トゥールマレーの下りでは、ジルベールと彼のチームメイトのひとりの協力で、(マイヨジョーヌのいるメイン集団との)差を広げることができた。チームメイトのルーベン・ペレスが逃げ集団にいたから、ここがアタックする絶好のタイミングだとわかった。

気づいたらアンディ・シュレクはたくさんのチームメイトを失なっていて、コンタドールも同様に失っていた。だから、彼らは僕たちの逃げを捉えられなかったんだ。このあとは、アタックの勢いを維持したまま進んで行かなければならなかった。終盤で30秒ほどリードを保てていれば、そのままゴールに届いて勝てるということはわかっていた。

感激に満ちた一日だった。僕らのファンの歓声が溢れる「(バスクのシンボルカラーである)オレンジ色の波」の中を走ったんだからね——感動だよ! それから、ここは10年前に元チームメイトのロベルト・ライセカが優勝した記念の場所だ。だから、とても特別な勝利なんだ。

信じられない気分だ。僕がオリンピックでメダルを獲ったときと比べても、今回はぜんぜん違う。2008年の北京での優勝は、ここからはるかに遠い場所での出来事だからね。でも、すべての幸福の瞬間を楽しみたい。僕らの仕事では、困難なことも多く体験してるからね。

今日の目標は、ひとつ。ステージ優勝だった。さらに赤い水玉の山岳賞ジャージも手にできた。これはまさにボーナスだね。まずはしっかりと回復して、チームメイトたちとこの勝利を満喫したい。それから、このツールをみんなで思い思いに受け止めることにするよ。


マイヨジョーヌをキープしたトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)

マイヨ・ジョーヌをキープしたトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)マイヨ・ジョーヌをキープしたトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー) photo:Cor Vosきついステージだった! とても厳しい一日だった。ユーロップカーは本当にいい仕事をしてくれた。最初の登りの頂上で落車したときは少し不安になった。普通は下りは苦手じゃないんだけど、今回はとても怖かった。路面がものすごく滑りやすかったんだ。それでバイクを交換したら、それが役に立った。

最後の登りで、僕はまだ最高のクライマーたちと一緒の集団で競っていた。「そのまま! そのまま!」って自分に言い聞かせた。チームメイトのピエール・ロランが手を貸してくれた。すごく助けてくれたんだ。
僕の脚の調子はよかった。でも、今日の最大の功績はユーロップカーのみんなが助けてくれたことだ。最後の10kmでは僕自身が驚いた。大変だったけど、満足してる。
2004年以来、フランスの人々から多くの期待をうけてきた。4日前に再びこのジャージを獲得してからは、その期待はさらに大きくなっている。


新人賞のアルノー・ジャネソン(フランス、FDJ)

マイヨ・ブランを獲得したアルノー・ジャネソン(フランス、FDJ)マイヨ・ブランを獲得したアルノー・ジャネソン(フランス、FDJ) photo:Cor Vosこの新人賞の白いジャージを、今朝レースがスタートしたときには自分が穫れるなんて思わなかった。いまはこうして手にしているわけだけど。
ヘーシンクが脱落したのを見ていたし、ターラマエも最後の登りで落ちていった。だからライバルたちが僕に遅れてしまったんだ。つまり、有力選手のグループの中にもっとも長く留まれた選手はというと……そう、どうやらこの僕だったんだよ!

僕はチームで一番最後にツールのメンバーに選ばれた。ツール・ド・フランスに出る予定ではなかったんだけど、最後の瞬間に呼び出しがあったんだ。今はマルク・マディオ監督に、僕を選んだことを後悔させたくないと思っている。このジャージをがんばってキープし、できれば総合成績でわずかでも上位につけたい。


2度の落車でも無事だった敢闘賞のジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)

逃げグループを率いたジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)逃げグループを率いたジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto Ayano最初の落車は滑っただけだった。前輪と後輪の両方が滑って、結果として落車したんだ。2度目の落車は、タイヤにちょっと泥が付いていて、少し方向がそれてしまったからだ。スリップしたままで真っ直ぐ行ってしまった。バイクを交換したら、その後は少し良くなった。

最後まで逃げ続けることは…無理だったよ。現実的じゃなかったね。最後の登りのふもとでは2分半ぐらいしかタイム差がなかったから、正直、チャンスがあるなんて考えなかった。だけど、地道に走って挑戦をし続けた。残り7kmで捕まるまで粘れたのは、そんなに悪いとは思わない。でも、まるで30分もゴールに遅れてしまった気分だ。ものすごく長い距離を走ったんだ気がする。

たしかにブラドレー(ウィギンズ)がいないのは残念だ。彼なら今日は活躍しただろうね。でも、アタックしてトライし続けてるつもりだ。リゴベルト(ウラン)は今日もしっかり走れていた。できれば、彼が総合で好成績が得られるように手伝いたい。それと同時に、残りのみんなでトライして、ステージ優勝を狙っていきたい。

僕たちが今ブラドレーに対してできることは、なにもない。みんなの調子は本当にいい。チーム内の士気も自信も良い状態だ。いつも笑い声が絶えないんだ。総合では、僕はまだエドヴァルド(ボアッソン)より総合で上位にいるんだけど、毎晩このことを彼に思い出させてるよ。


ステージ3位のフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)

フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)が3位に入るフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)が3位に入る photo:CorVosトゥールマレーの登り始めで、今日のレースをとてもハードにする計画だったんだ。チームが一丸となって集団前方で鬼牽きした。今日の彼らの仕事は素晴らしい。
僕が監督なら、(登りで牽き続けた)イェンス(フォイクト)との契約を4年間延長するね。彼は信じられないくらい強い。

(追走集団から飛び出した後で)先頭の2人(サンチェスとファネンデネルト)に追いつかなかったのは、かなりまずかった。2人は僕の近づくのを知って加速したんだ。ステージ優勝したかったけど、それはまた別の機会にするよ。


山岳でコンタドールの様子を注視していたアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)

冷静にレースを運んだアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)冷静にレースを運んだアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック) photo:CorVos僕たちは、できるだけレースを過酷にする計画だった。そうすれば総合成績のライバルたちの様子がわかるし、僕たちが仕掛けた罠の効果の具合もわかるんだ。

フランクはものすごく強かった。彼のアタックのタイミングは完璧だった。フランクと僕が、左・右・左・右と交互にアタックしたら、ライバルたちはそのうちに、どちらかを追いに行かせざるを得ないだろうと考えたんだ。そういう計画だったし、まさに計画通りになったんだ。

今日コンタドールが失ったタイムは、パリでの差には影響しないだろう。彼は偉大なチャンピオンだ。明日はまた別の日だと知っている。彼が再起し、超強力な日が一日あれば、ライバルたちとの差を詰めてしまうよ。


さらにタイムを失ったアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)

タイムを失ったアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)に質問が集中するタイムを失ったアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)に質問が集中する photo:Cor Vosこの結果には満足している。日ごとによくなっている。これが重要だ。

今朝言ったとおり、僕の目標は楽しむことだった。数多くのトラブルがあった後の最初の山岳だったので、少し慎重になったり、大きなリスクを負わないことが求められたんだ。

僕たちは最初からシュレク兄弟が2枚のカードで勝負してくるだろうと予想していた。彼らは交互にアタックしてくるだろうと思っていた。結局、フランクが先に行ったんだけど、あれは力で決まったわけじゃない。

おそらく、僕が前に進むのに少し余計に時間を使ったことから、少し膝に悩まされていると思われるだろう。でも、この最初の山岳ステージには満足している。僕は日ごとによくなっていくと確信している。今日に関しては良いとはいえない。成績が落ちたからね。僕の調子はベストじゃなかったし、自然なペダリングもできなかった。

日が過ぎていくほど、僕には都合がいいんだ。僕の長所は回復力だからね。シュレク兄弟はふたりとも脅威だ。でも、フランクは今まで一番強くなっていると思う。


*ソースは現地取材、記者会見、主催者公式サイト、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。

translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
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