第1回目からツール・ド・シンカラに参戦を続ける愛三工業レーシングチーム。綾部の総合7位と、中島の第4ステージ区間優勝で今年のレースを終えた。大会側から信頼も厚く、大会にとってなくてはならない存在になっているが、その分、結果を求められているのも事実。彼らのレースを振り返る。

レースを終えた愛三工業レーシングチームレースを終えた愛三工業レーシングチーム (c)Sonoko.Tanaka

愛三工業レーシングチームの7日間

綾部の区間3位を讃える愛三工業レーシングチーム綾部の区間3位を讃える愛三工業レーシングチーム (c)Sonoko.Tanakaキャプテンの綾部勇成、鎖骨骨折明けの鈴木謙一、そして3人の新メンバーである中島康晴、伊藤雅和、木守望で挑んだ今年のツール・ド・シンカラ。
別府監督は「最初の段階でエースやアシストなど明確な役割分担を決めなかったのがいけなかった」と話すが、レース開幕時はチームの連係がうまくいっていなかったのは事実だ。そしてタイム差が付かないと読んでいた第2ステージで、ライバルのイランのアタックを阻止できず、山岳を前にしてタイムを失ってしまった。

総合順位が大きく動く、厳しい山岳ステージとなった第3ステージでは、総合上位を狙う綾部が順調に登坂区間をパスしたが、その後メカトラブルでストップ。狭い道でチームカーが上がれず、大きくタイムを失うトラブルが発生した。チームにとって良くないことが続いたが、このあたりからチームに変化が現れる。

山岳ステージを終えたことで、各選手のタイム差からチーム内の役割分担が自ずと明確となり、春先からの不調に悩まされていた綾部は、山岳ステージを走り終え「上りの手応えはいい」と、自信がついた様子。

ステージ優勝を喜ぶ中島康晴(愛三工業レーシングチーム)ステージ優勝を喜ぶ中島康晴(愛三工業レーシングチーム) (c) Sonoko Tanakaそれが翌日、第4ステージでの中島康晴のステージ優勝と形になって現れる。
「熊野のメンバーでないと勝てないと思われたくなかったです」そう笑顔で話した中島。序盤の下りを生かしてアタックするという作戦が見事にハマったレースだった。そして本人にとってはキャリア2勝目、チームにとってもいい流れを引き寄せる嬉しい勝利となった。

その後、ステージ優勝こそなかったものの、第3ステージ終了時に総合20位まで順位を下げた綾部だったが、チーム一丸となりUCIポイント獲得圏内の総合7位まで上げることができた。
「本当はステージもう1、2勝したかったです」と別府監督は振り返るが、バラバラの状態でスタートしたチームにとって、成績以上に得たものが大きかったと思われる。


チームキャプテン、綾部勇成のコメント

山岳ステージで上位に食い込む力を見せる綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)山岳ステージで上位に食い込む力を見せる綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) (c)Sonoko.Tanaka「最初、第1、第2ステージとチームが噛み合わない状態で、結果として第2ステージでイランに逃げ切り優勝され、タイム差を失うことになりました。しかし、後半になって山が入ってくると役割分担ができはじめ、コミュニケーションも取れるようになってきました。自分と鈴木選手は3回目の出場でコースの知識があるぶん、コースについての議論するうちにチームにまとまりがでてきたと思います。

第3ステージでトラブルがありましたが、その先にステージ1勝と、自分の総合成績を7位まで上げられて良かったと思っています。全日本選手権を前にして、このような経験ができたこともプラスです。シーズンの前半戦最後となる全日本選手権はチームワークを生かして狙っていきます。

そのあとは9月のツール・ド・チャイナと10月のツアー・オブ・ハイナンが後半戦の大きな目標です。夏にはみんなでトレーニングをして、またいい調子で挑めるようにしたいと思っています」


別府匠監督のコメント

スタート前に笑顔を見せる別府匠監督(愛三工業レーシングチーム)スタート前に笑顔を見せる別府匠監督(愛三工業レーシングチーム) photo:Sonoko.Tanaka「レースが始まったときは“あれ?”と思いましたが、終わってみればいいメンバーだったと思っています。選手の特長を生かすことができたレースでした。
ステージ2勝した熊野では、若手2人も出ましたが、基本的に西谷泰治、盛一大、福田真平を軸にチームは回っていた。今回のメンバーにはそのような軸がありません。でもこの環境なら、新加入の3人がよりレースを見れるようになるかな、と期待した部分もあります。

いくつかのミスやトラブルから、チームがまとまる部分がありました。最初からできていたら、いざというときに機能しなかったかもしれません。今回のレースはチームワークを発展させてくれましたし、目標のUCIポイントの獲得もできました。

しかしチームカーが前に上がれないとか、選手がコースを間違えるというのは、いいことではありません。“アジアツアーだから”と言ってしまえばそれまでですが、改善していってほしいですね。そのためにはヨーロッパの強いチームをもっと呼ぶことも大切になってくると思います。そうでないといつまでたってもイランが強いままで、インドネシア人やアジア人選手のレベルが上がりません。

チームは目標を持つこととコミュニケーションを大切にしています。アジアツアー首位をめざそうと決めた去年は、チームのランキングは14位でしたが、今は5-6位に入ってきている。コミュニケーションを通して共通認識を持って戦うことと、寮にランキングを貼り出して、常にランキングを意識することで変わってきているんです。今季はとても調子がいいですが、これは去年や一昨年からやってきたこと、移籍してきた選手にいえば、前のチームで学んだこともプラスに働いているんです」


表彰式前に伝統舞踊が披露された表彰式前に伝統舞踊が披露された (c)Sonoko.Tanakaアジアから世界をめざすチームへ

先日のツール・ド・熊野で、強豪ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPOに唯一対抗できた国内チームが愛三工業レーシングチームだったことは記憶に新しい。
国内の他チームが遠征明けだったというが、これまで多くの遠征を経験している同チームは、遠征後に結果を出すことが難しいと知っており、国内UCIレースである熊野に照準を絞り結果を残した。これまでにアジアのUCIレースをたくさん走り、得てきたことが表に出た形だった。

今後、ヨーロッパ遠征や、強い選手を格上チームに派遣、移籍させるという構想もあるそうだ。今季から監督を務める別府匠氏はヨーロッパでの選手経験が豊富で、弟はレディオシャックの別府史之であることはご存知のとおり。広い視野や人脈をもつ彼が監督になったことで、チームのビジョンはより明確に上を目差すことになった。まさにいま、愛三工業レーシングはアジアを拠点として、日本国内から世界へとつながるチームへと変わろうとしている。

text&photo:Sonoko.Tanaka
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