ジロのドロミテ難関山岳3連戦が開幕。初日の第13ステージはルハノが2005年以来の勝利を飾ったが、コンタドールの圧倒的な強さが目立った。もはやコンタドールは敵なしなのか?

ステージ優勝したホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)

アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)とホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)のランデブーアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)とホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)のランデブー (c)RCS Sports――グロースグロックナーとエトナの違いについて
エトナでは最後の最後でメカトラブルが起きてしまった。それでもコンタドールは偉大なチャンピオンだし、彼と走って勝ったことに感動している。

――2005年のジロのフィネストレ峠から今までについて
個人的に、頭蓋骨や鎖骨などのけがに悩まされていた。2009年になって、やっとツアー・オブ・コロンビアで勝てた。今は回復して、しっかり働ける。こんなにいい結果を出せたんだから。

――ステージ優勝できると思ったのはいつ?
エトナでは勝つつもりだったけれど、メカトラブルがあった。今日はコンタドールに付いていくだけだった。これはスポーツディレクターのベリーニの指示だ。

小さな巨人ホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)小さな巨人ホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ) (c)RCS Sports――ゾンコランについて
明日も挑戦してみるよ。自分とチーム、そして自分のキャリアのために。もっと勝利数をあげておきたい。

――コンタドールとの協定は?
もちろん。ぼくたちはお互いを牽いて、他の選手にタイム差を付けた。そして勝たせてくれた。

――下りについて
調子がいいときは下りもいいんだ。この2年間はマウンテンバイクで下りに備えてきたし、それがとても役に立った。

――体重と身長は?
体重は48.5kg、身長は1m62cmだよ。


ステージ2位、総合1位かつポイント賞のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)

後続を突き放すアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)とホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)後続を突き放すアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)とホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ) photo:Kei Tsuji――ルハノが今日は勝ちを譲るよう持ちかけてきた?
勝利は二の次だ。大切なのは、ジロで勝つためにタイム差を付けること。今日のステージは難しかったし、明日と明後日の2つのステージも難しくなりそうだ。

――他の総合優勝候補について
スカルポーニとニーバリがアタックしたときには、他の選手が牽いていたのがわかった。だからレースをコントロールするうえでも、できるだけタイムを稼いでみたんだ。これからのステージで、調子が悪かったら、15分程度の差は簡単に詰められてしまうからね。

――クロスティスの下りについて
このステージとあの下りについては1ヶ月以上も前から議論されている。準備もしたし、重要性もわかっている。だから、雨が降っても深刻な事態は起こらないだろう。

――ゾンコランの前に、イタリア人の週末を台無しにしてしまったね
周囲から見れば、すごく楽に走っていると見えるだろうけど、今日のステージはかなり苦しんだ。イタリア国旗を背負っていないとはいっても、ファンに詫びたい気持だった。でも、ファンの期待は大事にしたいし、感謝している。他のライバルたちに攻撃のチャンスを与えることなしに、トップに立てた。このことについて後悔はまったくない。あらゆるチャンスを使ってでも貴重な数秒を稼いで、ミラノでのマリアローザに一歩でも近づきたい。それがもっとも重要なんだ。

――ライバルが遅かった? それとも君が速すぎた?
ライバルたちのレベルはとても高い。ぼくはしっかり走って、チャンスを利用した。この結果は、しっかり働いて、たくさんの犠牲を払ったうえで掴んだものだ。(記者会見)


ライバルたちは必死でぼくを落とそうとしていた。でも、最終的な勝負がついたのは、ぼくがルハノを追いかけて、ニーバリもスカルポーニも付けないのがわかったときだ。今日は総合成績でタイム差を広げるのに、重要な日のひとつだった。とても苦しかったけれど、その価値はあった。今後のステージに向けて、確実に優位に立てた。でも、まだ難しいステージがいくつも残っている。(サクソバンク・サンガード公式リリース)


3位でゴールしたジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル)

単独で追走するジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル)単独で追走するジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル) photo:Kei Tsuji昨日落車に巻き込まれたので、今朝のスタート時には調子はよくなかったんだ。しばらく走ってるうちに脚の調子があがってきて、走りに集中できた。

メイン集団から50mほど遅れて、カザレク峠を下りはじめた。下りで、なんとかして集団に復帰した。最後の上りの直前だったよ。そこからアタックしてもがいたんだ。


4位で入ったユベール・デュポン(フランス、アージェードゥーゼル)

今日の走りには満足している。エトナの登りと同じように、自分の限界の範囲内で走るための調整をしていた。最後の登りでは早々とちぎれてしまったけれど、がんばってなんとか追走集団に戻ったんだ。そこで様子をうかがうためにアタックすることにした。ジョン(ガドレ)がついてきたので、できる限り彼を助けようとして一緒に走った。登りの最後ではひとりになったけれどね。


ステージ7位のミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)

コンタドールから1分36秒遅れてしまったミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)やヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)らコンタドールから1分36秒遅れてしまったミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)やヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)ら photo:Kei Tsuji今日はエトナよりは走れたと思う。ぼくはファイターだから、攻撃的な走りをしようとした。だから、2回のアタックが決まった。逃げさせてはもらえなかったけどね。その後、いつものペースでペダルを回したほうがいいと気づいたんだ。


サクソバンク・サンガードのビャルヌ・リース監督

最高級品質の走りだ。今日のステージを通じて主導権を持つことができた。当初のプランでは、アルベルトはライバルについていくだけだったが、彼らが弱みを見せたので、アタックするように指示した。やりすぎない範囲で2度目の攻撃をくり出したんだ。ルハノしか付けなかったことに、とても満足している。

ニーバリとの差は大きく開いた。このステージでの収穫は予想以上だ。だからといって、ジロの勝利が決まったわけではない。厳しい山岳ステージがこの先に待っているし、山岳ステージでは調子が悪ければ時間を大きく失ってしまう。だから、われわれは仕事への集中を保たなければならないんだ。


ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。


translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
photo:Kei Tsuji,Riccardo Scanferla,CorVos