2011年2月13日、ツール・ド・ムンバイ第2戦(UCI1.1)が開催され、第1戦の優勝者エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)を下したロバート・ハンター(南アフリカ、レディオシャック)が優勝。奈良基(トレンガヌ・プロアジア)は30位に入った。

インドを満喫するロビー・マキュアン(オーストラリア、レディオシャック)写真はレース前日インドを満喫するロビー・マキュアン(オーストラリア、レディオシャック)写真はレース前日 photo:Gregor Brownプロチーム登録のレディオシャックとリクイガス・キャノンデールの2チームが出場し、世界的な注目を集めるインドのツール・ド・ムンバイ。第2戦はムンバイ市内の8.7km周回コースを12周する104kmで開催される予定だったが、スケジュールの都合により全長79kmに短縮された。

この日はラスト5kmで逃げが全て吸収され、大集団によるゴールスプリントに。再びラスト3kmでパンクしたロビー・マキュアン(オーストラリア、レディオシャック)に代わってスプリントに加わったハンターが、好調のヴィヴィアーニを下した。

ロバート・ハンター(南アフリカ、レディオシャック)写真はツアー・ダウンアンダーロバート・ハンター(南アフリカ、レディオシャック)写真はツアー・ダウンアンダー photo:Kei Tsujiレディオシャックのアラン・ギャロパン監督はタフなレースを振り返る。「想像以上に厳しいレースだった。逃げグループに選手を送り込む作戦だったが失敗。9名の厄介な逃げが形成されたおかげで、集団牽引に力を使った。1チーム5人での出場なので、マキュアンとハンターを温存するために、実質的に3人で集団を率いた。リクイガスの他のチームは協力を拒否。何とか逃げを捕まえたのはラスト5kmだった。するとラスト3kmでマキュアンがパンク。この日唯一のパンクが非常に悪いタイミングで起こってしまった。」

「今日はロビー(マキュアン)を発射する予定だったんだ。」そう語るのは、マキュアンの代役を勤め上げ、チームに今シーズン2勝目をもたらしたハンター。「パンクで第1戦の勝利を逃したので、ロビーは何としても勝ちたがっていた。でも再びラスト3kmでパンク。ホイールやバイクを交換してスプリントに挑むのは無理だと判断して、自分のスプリントに作戦を切り替えた。」過去にツール・ド・フランスでステージ1勝、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ2勝を飾っているスプリンターが再び輝いた。

「ヴィヴィアーニの番手を取ってラスト200m。強い向かい風が吹いていたので、彼はタイミングを待ち続けていた。そこで仕掛けたんだ。彼もすぐに反応したけど、もう追いつけなかった。とにかくチームに勝利をもたらせて嬉しいよ。悪くないシーズンスタートだ。」

マキュアンの次戦は2月22日に開幕するジロ・ディ・サルデーニャ(UCI2.1)。同レースには別府史之の出場も予定されている。ハンターは2月20日開幕のルタ・デル・ソル(UCI2.1)に出場し、調子を上げて3月6日開幕のパリ〜ニース(UCIワールドツアー)に出場する予定だ。

ビザの問題でチームメイトの到着が遅れ、第1戦出場を逃したトレンガヌ・プロアジアの奈良基はトップと同タイムの30位でフィニッシュしている。

ツール・ド・ムンバイ2011第2戦結果
1位 ロバート・ハンター(南アフリカ、レディオシャック)          1h47'07"
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
3位 ジョナサン・マッケヴォイ(イギリス、モーターポイント)
4位 イアン・ウィルキンソン(イギリス、エンドゥーラレーシング)
5位 イアン・ビビー(イギリス、モーターポイント)
6位 マルコム・ラング(南アフリカ、チームボニタス)
7位 ホセイン・ナテギ(イラン、ヴァリ・ASR・ケルマン)
8位 タイラー・デイ(南アフリカ、チームボニタス)
9位 ティツィアーノ・ダラントニア(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
10位 アレッサンドロ・バッツァナ(イタリア、チームタイプ1)
30位 奈良基(日本、トレンガヌ・プロアジア)

text:Kei Tsuji