マヨルカ島でトレーニングキャンプ中のレオパード・トレックの主要メンバーにインタビュー。第3弾はフランク・シュレク。母国ルクセンブルクのチーム発足というひとつの夢を実現し、意気揚々と走りだした。ロバート・ワグナーとニガードGMにも話を聞いた。

フランク・シュレク(レオパード・トレック)フランク・シュレク(レオパード・トレック) (c)Makoto.AYANO-- レオパード・トレックはどう?君とアンディの兄弟の理想が実現したわけだけど。

チームは立ち上げからすべてが上手く行っているよ。ただ、契約の細かい調整やデザインなどもことあって機材などが届いたのは本当最近だけどね。本当機材に関してはかなり待たされたね。

-- チーム立ち上げにはブラインとキムと共に、どれくらい関わってきましたか?

もちろんこれまでいろんな形で携わっているけど、ますは自分達の仕事は選手として結果を残すことだと考えている。意見することもあるけど、スポンサーとの契約はチーム運営は彼らの仕事であり、自分達よりもそういうことに関しては長けているし、まだ自分の出番ではない。ほとんど任せているよ。

-- 今後の予定は?

数日走ったらルクセンブルグに戻って肩のプレートを抜くんだ。覚えている?ツール・ド・フランスで落車したときに折った鎖骨に補助プレートを入れたままだったんだ。それを取り除くんだ(※)。
そしてまたマヨルカに戻ってくる。19日に帰国して20日は引っ越しするんだ。3日休んで、そのあとのトレーニングは天気次第かな。またレースでマヨルカに戻ってくるよ。2月6日にはマヨルカチャレンジがあるんだ。

※チーム発表で鎖骨のプレートを除去する手術は無事成功したことが伝えられた。

-- 新しいギア、トレックのバイクはどうですか?

デザインもいいし、BBの剛性は高い、乗り心地がいい、よく進む。本当にかっこいいバイクだ。

-- スペシャライズドのターマックとトレック・マドンの違いは?

ジオメトリーは大きく違うね。スペシャライズドはいいバイクだったし、満足していた。何の不満もなかった。でもさっきも言ったけど、マドンの乗り心地も本当に満足しているし、BB周りの剛性の高さと快適な乗り心地が特に気に入っているよ。

ルクセンブルクチャンピオンストライプをあしらったジャージを着るフランク・シュレク(レオパード・トレック)ルクセンブルクチャンピオンストライプをあしらったジャージを着るフランク・シュレク(レオパード・トレック) (c)Makoto.AYANO-- シマノの電動変速機、Di2は使ってどう思った?

実際これまでにもワイアレスの変速機は存在したし、そんなに新しいものというイメージではなかった。どちらかというとOLD School的な感じだと思っていたんだ。でも実際に使用したことはなかったから、使ったらその凄さには驚かされたよ。シフティングのスムーズさもそうだけど、トラブルが一切無さそうだし。

-- 自転車に乗っていて一番楽しい点は? 優勝すること?

難しい質問だけど、勝つだけがすべてではないし、いつも勝ちばかりを考えていてるわけじゃない。楽しいというよりも、いつも苦痛と戦っている感じかな。でも練習後のエスプレッソを飲む時が至福の時かな。

-- 今年の目標は?

まずはクラシックに集中する。アムステルゴールド、フレッシュ・ワロンヌ、リエージュ...。
ツール・ド・ルクセンブルグやツール・ド・スイスにも参加して、コンディションをあげてそれからツール・ド・フランスに挑む。アンディーが勝つチャンスが一番あるけど、自分も狙える位置にはいると思う。

-- マイヨジョーヌのライバル、コンタドールのことはどう思う?

心を痛めているよ。僕らはレースを離れたら友人のようなもの。今、僕らが彼に対してできることがないのが悔しいね。ただ、正しい人が、正しい判断をしてくれることを願っているよ。コンタドールとはまたツールで闘いたいと思う。


スキル・シマノから移籍したロバート・ワグナー(ドイツ、レオパード・トレック)スキル・シマノから移籍したロバート・ワグナー(ドイツ、レオパード・トレック) (c)Makoto.AYANOロバート・ワグナー

スキル・シマノから移籍したロバートワグナーにも話を聞いた。ワグナーは2010年シマノ鈴鹿ロードレースで優勝した選手だ。

-- ロバート、新チームのレオパード・トレックはどう?

ビッグチームは何もかも素晴らしい、凄いよ。もちろんスキル・シマノもいいチームだったけど、このチームはちょっとスケールが違う。(すぐ横にいたカンチェラーラを指して)ビッグマンもいるし、オーガナイズも素晴らしいと思う。

-- ドイツ人は、君とほかに?

ファビアン・ウェーグマン、リーナス(ゲルデマン)、イェンス(フォイクト)、そして僕の4人。チームに少しのジャーマンテイストだね。

-- ドイツのチームに戻りたいとは?

あまり思わないけど、また僕らが活躍してドイツに自転車の人気が以前みたいに戻ってくれることを祈っているよ。またドイツのプロチームが誕生してくれたら嬉しいね。

-- 君自身の今年の目標は?

スプリンターとしていくつか勝利することと、クラシックだね。

-- スキル・シマノにいた選手として、シマノのコンポについて他の選手より一歩理解が先を行っているね。

そうだね。でもDi2を早くから使っているひとりのファビアン(ウェーグマン)もいるしね。僕はシマノの34mmディープのカーボンホイールを気に入っていた。あの剛性はすごいよ。そして扱いやすい。ラボバンクの選手たちもほぼ34mm一本でほとんどのレースを走っているでしょう? それほど凄いんだ。ボントレガーへもリクエストしたいね。


ブライアン・ニガード(レオパードトレック ゼネラルマネジャー)ブライアン・ニガード(レオパードトレック ゼネラルマネジャー) (c)Makoto.AYANOブライアン・ニガード(ゼネラルマネジャー)

ゼネラルマネジャーのブライアン・ニガード氏にも話を聞いた。かつてビャルヌ・リース監督の右腕として働き、2010年はチームスカイのプレス担当をつとめたが6月に突如離職。キム・アンデルセン氏とチームの立ち上げに加わった。

-- チーム結成おめでとう。

ありがとう。やっとここまで漕ぎ着けたんだ。

-- プレス担当の仕事からゼネラルマネジャーになった気分はどう?

本当に大きく違うよね。僕自身びっくりしている。オファーがあったとき、正直驚いたし、そんなジャンプが可能なのか、自信がなかったよ。
実際、たった6ヶ月前にプロジェクトがスタートしてから、目も回るような忙しさだった。とくにこの2ヶ月はね。こうして形になったことが嬉しい。

-- ジャージのデザインがずいぶんシンプルだけど、例えば7月になったらデザインが変わってスポンサーの名前が大きく入るとかはあるの?

もしそうだったとしても、それを言うわけにはいかないなぁ(笑)。

-- ブライアン、レースでは君がチームの指揮を執ることになるの?

いや、僕はただチームを経営することだけに集中する。監督など実戦的な指示はすべてキム(アンデルセン)が執る。

-- ジャパンカップへの招待状を、実行委員会に託されて持参したんだ。受け取ってくれる?

喜んで。ジャパンカップのことはもちろん知っている。サクソバンクから移籍したスタッフも、素晴らしいレースだからまた行きたいという話をしている。何人かの選手は出場経験があるよね。2年前、直前までアンディとフランクはジャパンカップに行くつもりだったしね(鎖骨骨折で治療が必要になり来日できなくなった)。

-- 来てくれる?

それを決めるのもキムだけど、ぜひ検討したいね。シーズンの最後をアジアで締めくくるというのは、悪くないアイデアだと思う。日本は遠いのがネックだけれどね(笑)。




レオパード・トレックのTTバイク トレック・スピードコンセプト

ロバートワグナーが乗るトレック・スピードコンセプトロバートワグナーが乗るトレック・スピードコンセプト (c)Makoto.AYANO

カムテールデザインのシェイプがわかるダウンチューブカムテールデザインのシェイプがわかるダウンチューブ (c)Makoto.AYANO内蔵型ブレーキとヒンジ型のエアロ形状フロントフォーク内蔵型ブレーキとヒンジ型のエアロ形状フロントフォーク (c)Makoto.AYANOカムテールデザインは空気離れの良さを追求した結果の形状だカムテールデザインは空気離れの良さを追求した結果の形状だ (c)Makoto.AYANO

マルチアジャスタブル仕様でどんなポジションにも対応するハンドルセットマルチアジャスタブル仕様でどんなポジションにも対応するハンドルセット (c)Makoto.AYANODHバー先端部にスイッチを装備。TTでは絶対的に有利だDHバー先端部にスイッチを装備。TTでは絶対的に有利だ (c)Makoto.AYANO

背の高いリムを使用したボントレガーのエアロホイール背の高いリムを使用したボントレガーのエアロホイール (c)Makoto.AYANODi2バッテリーはBB下部にマウントされるDi2バッテリーはBB下部にマウントされる (c)Makoto.AYANO















photo&text Makoto.AYANO
Special Thanks to: LEOPARD TREK, TREK USA, TREK Japan