いつの時代にも注目の若手選手はいるものだ。2010年は若手の活躍が目立つシーズンだった。2011年も活躍が期待される10名の若手をピックアップしてみよう。

タイラー・フィニー 20歳(アメリカ、BMCレーシングチーム)

ロード世界選手権U23個人TTを制したタイラー・フィニー(アメリカ)ロード世界選手権U23個人TTを制したタイラー・フィニー(アメリカ) photo:Kei Tsuji「同じ世代の若い選手たちと次のステップに進むことを心待ちにしている。次世代の選手の一角として、自分の走りを磨きたい」そう語るのは、アマチュア時代からタイムトライアルとクラシックレースで目覚ましい走りを見せているフィニーだ。ランス・アームストロング(アメリカ)と並ぶカリスマ性の持ち主だと期待される20歳は、周囲の多大な期待を背負ってプロの世界に飛び込む。

ロード世界選手権U23個人TT表彰台、左から2位ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)、優勝タイラー・フィニー(アメリカ)、3位マルセル・キッテル(ドイツ)ロード世界選手権U23個人TT表彰台、左から2位ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)、優勝タイラー・フィニー(アメリカ)、3位マルセル・キッテル(ドイツ) photo:Riccardo Scanferlaカデル・エヴァンス(オーストラリア)率いるBMCレーシングチームが獲得したのは、2度のパリ〜ルーベ・エスポワール(U23)覇者で、2度のトラック世界選手権個人追い抜きチャンピオン。U23タイムトライアル世界チャンピオンというサラブレッド。レディオシャックに引き込みたいアームストロングのアピールを蹴って、フィニーはBMCレーシングチームへの道を選択した。

「赤と黒のジャージは初めてだ。赤いタイツは斬新だね」

プロ1年目の2011年から、多くのレースでサラブレッドぶりを発揮してくれるはず。特にパリ〜ルーベでの走りに注目が集まる。将来的にカンチェラーラの後継者になるのはこのフィニーか?

ペーター・サガン 20歳(スロバキア、リクイガス)

パリ〜ニースでステージ2勝を飾ったペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)パリ〜ニースでステージ2勝を飾ったペーター・サガン(スロバキア、リクイガス) photo:Cor Vos2010年はこの男の登場で始まったと言っていいだろう。ツアー・ダウンアンダーの前哨戦クリテリウムでアームストロングと逃げを試み、集団スプリントでは上位に食い込み、難関山岳ステージでエヴァンスらと逃げたペーター・サガン。フィニーよりも誕生日が5ヶ月早い選手だ。

寡黙で、多くを語る選手ではない。その分、バイクに跨がった時、脚が物を言う。パリ〜ニースとツアー・オブ・カリフォルニアではステージ2勝ずつ、ツール・ド・ロマンディでステージ1勝を飾る活躍を見せた。

「ペーターは爆発力のある選手だ。クネゴやフレイレと同じ体格の持ち主で、ワンデーレースで特に力を発揮する。身体的な能力は申し分ない。まだまだ彼のキャリアは始まったばかりだ」リクイガスのステファノ・ザナッタ監督も太鼓判を押している。

タジェイ・ヴァンガーデレン 22歳(アメリカ、チームHTC・コロンビア)

オールラウンダーとして着実に成長するタジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード)オールラウンダーとして着実に成長するタジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード) photo:Unipublicボブ・ステイプルトンGMが指揮するチームHTC・コロンビアでプロ1年目を終えたアメリカのヴァンガーデレンも将来有望な選手だ。トップレースの一つに数えられるクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで、ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック)とアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)に次いで総合3位に入った新鋭は、2011年更に高みを目指す。

マイケル・ロジャース(オーストラリア)がチームスカイへと移籍した今、ヴァンガーデレンはHTCの貴重なオールラウンダーの一人だ。「2011年はとにかく勝ちたい」という願いは、チームとして連覇を狙うツアー・オブ・カリフォルニアで叶うかも知れない。

アダム・ブライス 21歳(イギリス、オメガファーマ・ロット)

アダム・ブライス(イギリス、オメガファーマ・ロット)アダム・ブライス(イギリス、オメガファーマ・ロット) photo:Cor Vosオメガファーマ・ロットでプロ2年目を迎えるイギリスのアダム・ブライスは隠れた実力者。昨年シルキュイ・フランコ・ベルジュでステージ2勝を飾り、ベテランを退けて総合優勝に輝いたブライス。2008年総合優勝フアンアントニオ・フレチャ(スペイン)、2009年総合優勝タイラー・ファラー(アメリカ)の下に名前を付け足した。

これまでロードレースファンのレーダーに捉えられず、比較的地味にプロ生活を送ってきた。しかし今シーズンはその環境が一変するかも知れない。決して大柄な選手ではないが、ジュニア時代からトラック競技で磨いたスピードがロードレースに馴染み始めている。「50ccのスクーターが500ccのバイクを負かすことがある」オメガファーマ・ロットのマルク・セルジャン監督は若き才能をそう評している。

ダニエル・オス 23歳(イタリア、リクイガス)

ジロ・デル・ヴェネトでワンツー勝利を飾ったダニエル・オス(イタリア)とペーター・サガン(スロバキア)のリクイガスコンビジロ・デル・ヴェネトでワンツー勝利を飾ったダニエル・オス(イタリア)とペーター・サガン(スロバキア)のリクイガスコンビ photo:Riccardo Scanferla「ダニエルには頭脳と脚力が揃っている。北のクラシックで本領を発揮するだろう」昨年のロード世界選手権で、ダニエル・オスをイタリア代表メンバーに選抜したパオロ・ベッティーニ監督はそう語った。

昨年プロ2年目を迎えたオスはジロ・デル・ヴェネトで優勝。ヘント〜ウェベルヘムで5位に入っている。初出場のツール・ド・フランスでは第18ステージで果敢に逃げを試み、最後まで集団を手こずらせた。身長190cmの大柄な選手であり、踏み始めると止まらない。端正なルックスも人気を集めるだろう。

エドヴァルド・ボアッソンハーゲン 23歳(ノルウェー、チームスカイ)

ツアー・オブ・オマーンで活躍したエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)ツアー・オブ・オマーンで活躍したエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) photo:A.S.O.2009年はボアッソンハーゲンにとって飛躍の年だった。ヘント〜ウェベルヘムで勝利し、ジロ・デ・イタリアとツアー・オブ・ブリテンでステージ優勝を収めた。チームスカイに移籍した昨年は、ティレーノ〜アドリアティコとクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでステージ優勝。しかしツール・ド・フランスでステージ優勝を逃すなど、あと一歩成績を伸ばすことが出来なかった。

スプリンターやTTスペシャリストに分類されがちだが、実際は山岳もそつなくこなすオールラウンダー。今シーズンの目標はツールのステージ優勝、そして1週間ほどのステージレースの総合成績だ。

ロバート・ヘーシンク 24歳(オランダ、ラボバンク)

ジロ・デッレミリアで連覇を達成したロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)ジロ・デッレミリアで連覇を達成したロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) photo:Cor Vos24歳ながら常に安定した成績を残しているロバート・ヘーシンクは、すでにトップオールラウンダーの仲間入りを果たしている。昨年カナダのグランプリ・シクリスト・ド・モンレアルの初代王者に輝き、激坂で有名なジロ・デッレミリアで連覇を達成したオランダ人選手の目標は、もちろんツール・ド・フランスで総合上位を狙うこと。

昨年ツール・ド・スイスでステージ1勝を飾ったヘーシンクは、ツールで総合6位という過去最高の成績を残した。今シーズンは更に上を目指す。「もっと良い走りをしてみせる。父親と約束したんだ。その期待に応えたい」ヘーシンクの父親は昨年10月にMTBライド中の事故で命を落としている。

ダニエル・マーティン 24歳(アイルランド、ガーミン・サーヴェロ)

ジャパンカップを制したダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・サーヴェロ)ジャパンカップを制したダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・サーヴェロ) photo:Kei Tsuji昨年ブレイクしたのがダニエル・マーティン。プロツアーレースのツール・ド・ポローニュで総合優勝し、トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネジャパンカップで圧勝した。

1987年にトリプルクラウン(ジロ、ツール、世界選制覇)を達成したステファン・ロッシュ(アイルランド)の甥で、ニコラス・ロッシュの従兄にあたるマーティン。グランツールでは2009年ブエルタ・ア・エスパーニャで総合53位、昨年ジロ・デ・イタリアで総合57位という成績を残している。登坂力に秀でたオールラウンダーとして、アルデンヌ・クラシックやグランツールのステージ優勝を狙う。

リッチー・ポルト 25歳(オーストラリア、サクソバンク)

ジロ・デ・イタリアでマリアローザを3日間着用したリッチー・ポルト(オーストラリア、サクソバンク)ジロ・デ・イタリアでマリアローザを3日間着用したリッチー・ポルト(オーストラリア、サクソバンク) photo:Riccardo Scanferlaジロ・デ・イタリアでブレイクしたリッチー・ポルトは、今回の選手リストの中では最年長にあたる25歳。昨年プロデビューした遅咲きの選手だが、プロ1年目ながらツール・ド・ロマンディでステージ優勝を飾り、ジロでは3日間マリアローザを着用し、最終的に新人賞に輝いた。

ビャルヌ・リース監督によると、シュレク兄弟やカンチェラーラが去ったサクソバンクにおいて、ポルトはチームリーダーを担う。頼みの綱のアルベルト・コンタドール(スペイン)は、ドーピング疑惑によってレース活動に暗雲が立ち込めている。「ジロでの総合7位はまぐれじゃない。ズルをして残した成績ではない」ポルトは明るい表情で語る。

サイモン・スピラック 24歳(スロベニア、ランプレ)

メンショフを抑えて総合2位でツール・ド・ロマンディを終えたサイモン・スピラック(スロベニア、ランプレ)メンショフを抑えて総合2位でツール・ド・ロマンディを終えたサイモン・スピラック(スロベニア、ランプレ) photo:www.tourderomandie.ch昨年のツール・ド・ロマンディで誰が総合優勝に輝いたのかご存知だろうか?アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が優勝したが、ドーピング容疑によってタイトル剥奪されてしまう。総合優勝の座は、繰り上げで総合2位のサイモン・スピラックの手に渡った。

ランプレはスピラックにチームリーダーの座を確約している。ステップアップを目指すためには、チームメイトたちの力を借りなければならない。サガンやボアッソンハーゲンと同じ寡黙なタイプだが、その脚は高いポテンシャルを秘めている。流れに乗ることができれば、トップクラスのステージレースや、春のクラシックで成績を残すことができるだろう。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
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