スウェーデン出身のトーマス・ロヴクヴィストは、チームスカイのチームリーダーとしてジロ・デ・イタリアに挑む。チームのデーヴィッド・ブレールスフォード代表は、今年のツール・ド・フランスでブラドレー・ウィギンズ(イギリス)の代役を務めたロヴクヴィストを高く評価している。

超級山岳オービスク峠を上るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)とトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)超級山岳オービスク峠を上るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)とトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ) photo:Makoto Ayano「今年のツールはトーマスにとって過去最高のグランツールだった。彼自分も、そのステップアップを実感しているはずだ。ジロに目標を据え、1つのレースに集中させるのは理にかなっていること。もちろんそれまでのレースで活躍して、更にステップアップするかも知れない」ブレールスフォード代表は太鼓判を押す。

「自分としてもその判断を歓迎している。こんな早い時期に、来シーズンの目標レースを決めるのは初めてだ。じっくりと準備して、ジロに照準を合わせたい」スウェーデンのユーロスポーツのインタビューでロヴクヴィストはそう語った。

トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ) photo:Cor Vos2011年のジロは、ピエモンテ州のトリノで5月7日に開幕する。5月29日にミラノに到着するまでの間に、7つの山頂フィニッシュと3つのタイムトライアルが設定されている。シチリア島のエトナ火山を登るステージや、モンテ・ゾンコランに至るステージ、そして未舗装のフィネストレ峠を駆け上がる最終日前日のステージが見どころだ。

「途方もないコースだ」コースの印象を訊かれたロヴクヴィストはそう正直に話す。「今の時期だと、重要な山岳ステージは雪の下。まだ試走はできない」

山岳で安定した力を発揮するトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)山岳で安定した力を発揮するトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ) photo:Makoto Ayanoブレールスフォード代表も「本当にタフなコースだ」と同意する。しかし同時にチームメンバーの走りに期待を込める。「安定した走りが得意なトーマスなら切り抜ける事ができるだろう。登りに強いモーリス・ポッソーニの存在も忘れてはならない。彼の登りのポテンシャルはジロの山岳向きだと思っている」

今年、チームの看板的存在であるウィギンズはジロとツールに出場。ジロでは初日の個人タイムトライアルで自身初のグランツール区間勝利を収めたものの、その後調子を落として総合40位。ツールでは序盤から精彩を欠き、総合24位に沈んだ。一方で、ジロをスキップしたロヴクヴィストは、ツールで自身最高の総合17位に入った。

2009年大会で1日だけマリアローザを着用したトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、当時チームコロンビア)2009年大会で1日だけマリアローザを着用したトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、当時チームコロンビア) photo:Kei Tsuji諦めずにマイヨジョーヌを狙うウィギンズは、来年のジロを欠場する代わりに、高地トレーニングを強化するとしている。ロヴクヴィストは、チャンスがあればツールにも出場する予定だ。

「トーマスはツールへの情熱も絶やしていない。チームリーダーのために走りたいと切に願っているようだ。状況を見ながら、仮にトーマスがフレッシュな状態でジロを終えることができれば、ツールにも出場してもらう。良いメンバーが集まりそうだ」

ジロ閉幕からツール開幕まで調整期間は6週間。連戦するならば、その間に調子を維持しながらカラダを休めなければならない。

「ジロよりも、ツールを狙っている選手は多い。だからツールよりもジロでチャンスがあると思っている」ジロのコース発表直後から、ロヴクヴィストはジロ狙いを公言していた。「コンディションが整えば、チームスカイのリーダーとしてジロを走り、ツールでリーダーを支えたい。調整期間をうまく過ごすことができれば、ジロの走りをツールに活かすことができると思う」

スウェーデン人としてジロ制覇を成し遂げたのは、後にも先にもイェスタ・ペーテルソンだけ。今から約40年前の1971年、ペーテルソンはマリアローザに袖を通すと、それを3日間守り切った。

2009年にロヴクヴィストは史上3人目となるスウェーデン人マリアローザ着用者になった。ロヴクヴィストはサンマルティーノ・ディ・カストロッツァの山頂フィニッシュで6位に入り、ダニーロ・ディルーカ(イタリア)らを抑えてマリアローザを獲得。しかしライバルたちの攻勢に敗れ、翌日にジャージを失っている。最終的に総合25位に入った。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
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