三船雅彦がマスター選手権制覇　2日間で480名が砂地獄を味わう

2010年12月11日と12日の2日間、シクロクロス全日本選手権と併催で関西シクロクロス第4戦が滋賀県野洲市のビワコマイアミランドで行なわれ、三船雅彦がマスター選手権で優勝。C2はライアン・リバーマン（RAPHA-INDEPENDENT FABRICATION）が優勝した。

マスター　スタート photo:Hideaki.TAKAGI2日間に渡って開催されたシクロクロス全日本選手権と関西シクロクロス第4戦。2日間でのべ480名が出場し、名物の砂地獄を堪能した。

全日本選手権エリート男子、エリート女子、ジュニアの3レースはJCF（日本自転車競技連盟）の主催だが、マスター選手権はAJOCC（日本シクロクロス競技主催者協会）主催。ナショナルチャンピオンジャージは授与されないが、日本のシクロクロスにおけるマスタークラス（〜1971年生まれ・40歳以上）最大のタイトルだ。

マスター　1周目から先頭を走る三船雅彦 photo:Hideaki.TAKAGIエントリーした44人の中で注目は、1週間前の関西シクロクロスで2年ぶりにレースに復帰した三船雅彦。2000年全日本チャンピオンの三船は、砂セクションと松林セクション用にそれぞれタイヤの空気圧を調整した2台のバイクを用意。2カ所あるピットエリアで毎周回バイクを交換する周到な作戦で挑んだ。

スタート直後に三船とともに飛び出したのは、同じく復帰組の筧太一（イナーメ・アイランド信濃山形）。今年のBMXクルーザーカテゴリー全日本チャンピオンだ。

マスター　三船雅彦、ガッツポーズ photo:Hideaki.TAKAGI最初の砂セクションで早くも三船がリード。2位以下が混戦になるが、その後に筧が抜け出し、先行する三船を追う。一時は30秒ほど開いた差だったが、レース終盤になり10秒まで筧がつめる。しかし最終周回には再び三船がリード。三船がマスタークラスの全日本チャンピオンになった。表彰台圏内の3位には、昨年の関西シクロクロス・マイアミCM1優勝者の大河内二郎（シルクロード）が入っている。

土曜日に開催されたC2には、今シーズンC1に昇格したばかりの選手や、国籍により全日本選手権に出場できないC1選手が出場。普段C1レースに出場する富山県在住のライアン・リバーマン（RAPHA-INDEPENDENT FABRICATION）が、後続を1分以上引き離す力走を見せて優勝した。

アメリカ出身のライアンは「自分はC2の選手ではないのでアンフェアだ」と謙虚にコメントしたが、2位の後呂有哉（岩井商会レーシング）と3位の兼子博昭（スワコレーシング）がともにC1選手だと聞いて安堵の表情。規定により、4位の多端亮と5位の岩月信夫（オーベストディープラスデザイン）がC1に昇格した。

C2　独走するライアン・リバーマン（RAPHA-INDEPENDENT FABRICATION） photo:Kei TsujiC2　2番手を走る後呂有哉（岩井商会レーシング） photo:Kei Tsuji
CM2　独走勝利を飾った菅谷俊宏（Team Sakatani） photo:Kei TsujiCM2　2位争いを制した綾野真（チバポンズ・シクロワイアード） photo:Kei Tsuji


マスター選手権
1位　三船雅彦　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　45'25"
2位　筧太一（イナーメ・アイランド信濃山形）　　　　　　　　　　　+11"
3位　大河内二郎（シルクロード）　　　　　　　　　　　　　　　　+1'26"
4位　吉田紀匡（ARAI MURACA）　　　　　　　　　　　　　　　　 +1'57"
5位　丸畑明彦（PCサイクルクラブ松本）　　　　　　　　　　　　　+2'16"
6位　岩本雅秀（チーム泥んこプロレス）　　　　　　　　　　　　　+2'33"
7位　ビンセント・フラナガン（PEDALFORTH.com）　　　　　　　 +2'51"
8位　巳波一郎（ユーロワークス）　　　　　　　　　　　　　　　　+3'01"
9位　佐野光宏（ストラーダR）　　　　　　　　　　　　　　　　　 +3'08"
10位　有持真人（TeamARI）　　　　　　　　　　　　　　　　　　+3'29"

C2
1位　ライアン・リバーマン（RAPHA-INDEPENDENT FABRICATION）44'11"
2位　後呂有哉（岩井商会レーシング）　　　　　　　　　　　　　　　+1'23"
3位　兼子博昭（スワコレーシング）　　　　　　　　　　　　　　　　+1'36"
4位　多端亮　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　+1'40"
5位　岩月信夫（オーベストディープラスデザイン）　　　　　　　　　+1'47"
6位　小森誠司（岩井商会レーシング）　　　　　　　　　　　　　　　+2'38"
7位　中西重智（龍谷大学）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　+2'46"
8位　森圭司（masahikomifune.com）　　　　　　　　　　　　　　　+2'52"
9位　細渓拓男（Salata bianca kobe）　　　　　　　　　　　　　　　+3'15"
10位　曽我暁男（WielerSchoolJAPAN）　　　　　　　　　　　　　　+3'25"

C3A
1位　石山幸風 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　30'07"
2位　西村隆幸（Team宝塚線）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　+13"
3位　山田憲司（スワコレーシング）　　　　　　　　　　　　　　　　+59"
4位　片岡吾郎（シマノドリンキング）　　　　　　　　　　　　　　+1'00"
5位　山口博久（バイシクルクラブ編集部）　　　　　　　　　　　　+1'10"

C3B
1位　松尾光浩（042-703-9122）　　　　　　　　　　　　　　　　　28'57"
2位　矢部周作（クラブシルベスト） 　　　　　　　　　　　　　　 　+56"
3位　大渕宏紀（Team-NR）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　+59"
4位　加藤俊介（ドバッツR倶楽部）　　　　　　　　　　　　　　　 +2'27"
5位　岡野樹（のぼこん）　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　+2'39"

CL2
1位　中村千鶴（アライアンスAC）　　　　　　　　　　　　　　　　32'20"
2位　三浦涼香（Hott Spin）　　　　　　　　　　　　　　　　　　 +1'25"
3位　三家丸裕子（黒ぢょか）　　　　　　　　　　　　　　　　　　+1'55"
4位　寺田有希（typeB）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　+2'00"
5位　鹿取裕子（エスキーナレーシング）　　　　　　　　　　　　　+2'20"

CM2
1位　菅谷俊宏（Team Sakatani）　　　　　　　　　　　　　　　　30'13"
2位　綾野真（チバポンズ・シクロワイアード）　　　　　　　　　　　+02"
3位　奥村憲央（ユーロワークス）　　　　　　　　　　　　　　　　　+07"
4位　三家丸健太郎（黒ぢょか）　　　　　　　　　　　　　　　　　　+12"
5位　羽鳥和重（サイクルクラブ3UP）　　　　　　　　　　　　　　　+22"

text:Kei Tsuji, Hideaki Takagi
photo:Kei Tsuji, Hideaki Takagi

出場者数についての記述を訂正しました（12月14日）