ジャパンオリジナルブランドとしてジワジワと人気を伸ばしているエヴァディオ。そのアルミレーシングモデル BACCHUS(バッカス)がフレーム各部の形状を見直して、バッカス 01へと大幅に進化した。カーボン全盛時代の今だからこそ積極的に選びたいアルミモデルだ。

エヴァディオ バッカス 01エヴァディオ バッカス 01 (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp

エヴァディオ(AVEDIO)とはイタリア語のAVEとDIOを組み合わせた造語。「神の祈り」という意味をもつ。レースにおける勝利へのこだわり、喜び、感動を、自転車を通じて多くの人に伝えたいという気持ちがブランドネームに込められているという。ハイクォリティ、ハイコストパフォーマンスをコンセプトに、ユーザーから支援される商品作りを目指しているのが特徴だ。

美しいヘッドマーク。この角度からみるとトップチューブの形状がよくわかる美しいヘッドマーク。この角度からみるとトップチューブの形状がよくわかる 美しいグラフィックも大きな魅力だ美しいグラフィックも大きな魅力だ


多くのメーカーがアルミフレームを「エントリーモデル」と位置づけるなか、エヴァディオではまだその可能性を信じ、ハイスペックなレーシングモデルという位置づけでリファインを続けている。

アルミフレームの美点は、なんといってもそのカチッとした乗り味だ。カーボン全盛時代になっても、いまだにアルミフレームに乗りたがるプロ選手もいるほど。おそらく、これを読んでいる方のなかにも、「またアルミに乗ってみたいなぁ」と思っている人がいるハズ。

下側のベアリングが1.5インチと大径化された力強いヘッド周り下側のベアリングが1.5インチと大径化された力強いヘッド周り ベントしたシートステーの形状がよくわかるベントしたシートステーの形状がよくわかる 12.6mmと細くなったシートステー。振動吸収性アップに貢献する12.6mmと細くなったシートステー。振動吸収性アップに貢献する


しかし、アルミには欠点もある。振動吸収性の悪さだ。軽く硬く変形しにくいというアルミの特性により、どうしても振動吸収性はカーボンやチタン、クロモリと比べて悪くなってしまう。サーキットコースのようなキレイな路面なら問題にならないが、いったん荒れた路面に入ると途端に馬脚を現してしまうこともある。

そこでエヴァディオはバッカス 01に太いチェーンステーと細いシートステーを与えるという改良を施した。従来のバッカスと比較してチェーンステーは37.1mmから42.0mmへと太くなり、逆にシートステーは16.0mmから12.7mmへと細くなったのだ。いうまでもなく、これはよりパワー伝達効率を上げるとともに、バックからの振動を積極的に吸収してしまおうという改良だ。

エヴァディオオリジナルのステムエヴァディオオリジナルのステム BB周りは比較的スマートだBB周りは比較的スマートだ


フロントフォークも変更されている。カーボンの最上級モデル VENUS(ヴィーナス)に採用されるのと同じ新設計のカーボンフォークを奢っているのだ。もちろんエヴァディオご自慢のRPS(リブパワーシステム)が採用され、その力強さを増しながらも、重量は従来のモデルと変わらない320gという軽さを誇っている。

このフォークの採用にともなって、ヘッド下側のベアリングは1.5インチに拡大され、よりヘッド周りの力強さを増している。ハイスピードのコーナリングや下りのフルブレーキングでも、よじれる心配はまったくないといえるだろう。

上位機種 ヴィーナス 01と共通のカーボンフォーク上位機種 ヴィーナス 01と共通のカーボンフォーク シートステー集合部の処理が美しいシートステー集合部の処理が美しい カラーオーダーシステムによって、自分の好みの配色を選ぶことができるカラーオーダーシステムによって、自分の好みの配色を選ぶことができる


カラーリングも大いに魅力だ。「システムワン」というカラーオーダーシステムによって、自分の好みのカラーリングを施すことができるのである。5つの基本的なデザインに対して用意されたカラーはなんと26色。ロゴカラーも15色からチョイスすることができ、自分の思い通りの色を選ぶことが可能なのだ。

さて、以上のように魅力を増したアルミモデルのバッカス 01、果たしてその乗り味はどのようなものだったのだろうか? さっそくインプレッションをお届けしよう!




―インプレッション

「今だからこそ乗りたいアルミフレームの最右翼だ」
仲沢 隆(自転車ジャーナリスト)


乗り始める前に、まずはそのグラフィックの美しさに目を奪われてしまった。我々にとってロードバイクは「走るための道具」であると同時に、眺めても楽しい「趣味のアイテム」でもある。この凝った美し塗装は、所有する喜びをかなり満足させてくれる。「塗装など走りの性能に関係ない。シンプルであればイイさ」という実走派の人でも、このグラフィックにはかなり魅力を感じてしまうのではないだろうか?

「今だからこそ乗りたいアルミフレームの最右翼だ」仲沢 隆「今だからこそ乗りたいアルミフレームの最右翼だ」仲沢 隆

さて、走り初めてみると、その軽快な踏み出しの軽さにおもわず口元が緩んでしまった。軽量アルミフレームだけが出すことのできる独特の踏み出しの軽さには、どんな高価なカーボンフレームもかすんでしまうかもしれない。「コイツは楽しい!」と素直に感じられる。かなり期待できるスタートだ。

まずはキツい坂道へとハンドルを向けてみた。グイグイとペダルに力を加えると、なんのよどみもなくそのパワーを推進力へと変換してくれる。上りの軽快感はかなりのものだ。軽量アルミらしい実にロスの少ない上り性能である。

驚くべきは、リヤ周りの挙動の良さだ。ただ硬いだけのアルミフレームの場合、力任せにガシガシ踏むとリヤが暴れてしまうこともあるが、バッカス 01ではそのような挙動はまったく見せないのである。太くなったチェーンステーがしっかりとパワーを伝達しながらも、細くなったシートステーが路面からの衝撃を見事にいなしているようだ。まさに設計の妙である。「アルミフレームもここまで進化したか!」と驚かされる。

「バイクを振りながらダンシングしても、とても気持ちいい」 仲沢 隆「バイクを振りながらダンシングしても、とても気持ちいい」 仲沢 隆 ダンシングした時のフィーリングも実に良い。フォークの根本がしっかりとしているので、わざとハンドルにグイグイと力を加えても、まったくビクともしないのである。バイクを振りながらダンシングしても、とても気持ち良く上っていくことができる。

続いて、下りに突入してみた。ハイスピードのコーナリングでも、フォークが実にしっかりとしていて、不安感はまったく感じさせない。思い通りのラインを描いて、気持ち良くコーナリングすることができる。特に素晴らしいのがフォークの根本部分の剛性感だ。ピシッとしていて、フォークが設計の意図通りに働いている感じなのである。1.5インチに拡大されたヘッド下側のベアリングは伊達ではない。

かといって、フロントの振動吸収性が悪いわけではない。フォークの先端付近で衝撃を吸収してくれるので、不快感はまったくないといえるだろう。ただし、フォークはどちらかというと硬めの味付けなので、フワフワとした乗り味を期待している人にはちょっとキツいかもしれない。

平坦の高速走行も文句なし。脚がある人ならば、どこまでも高速で突き進んでいけるフィーリングがある。従来のバッカスはアルミフレームならではの硬派なバイクではあったが、その分乗り味はかなり硬めだった、しかし、このバッカス 01では太くなったチェーンステーと細くなったシートステーのおかげで、アルミならではのカチッとした乗り味はそのままに、ショック吸収性が大幅に改善されているのだ。

ゴールスプリントを想定してもがいてみると、アルミフレームであることの恩恵がヒシヒシと感じられる。かかりのよさはバツグン! まるで後から弾かれるように、グイグイとスピードに乗れるのである。ホビーレースにおいて、ゴールスプリントで勝負したい人にとって、この乗り味はかなり魅力的だろう。

オススメしたいのは、ホビーレース参加を考えている人やちょっと硬派なバイクに乗りたい人だ。ショック吸収性が大幅にアップしているので、ロングライドで使っても高性能カーボンフレームに劣ることはなさそうだ。反面、のんびり走る人には向いていないかもしれない。のんびり走っても特に文句の出るところはないが、このピシッとした乗り味はやはりある程度スピードを維持できる脚力のある人にこそ向いている。

昨今、ちょっと良いアルミフレームというのが本当に少なくなってしまった。しかし、このバッカス 01に乗るとアルミの良さを再認識されられる。カーボン全盛時代の今だからこそ、あえて選びたいアルミフレームということができるだろう。

エヴァディオ バッカス 01エヴァディオ バッカス 01 (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp


エヴァディオ バッカス 01

フレーム:7005アルミ
フォーク:カーボン+カーボンコラム
サイズ:44、48、50、52、54cm
フレーム重量:1290g(44cm)〜1410g(54cm)
フォーク重量:320g
価格:フレームセット 144,900円より
(AVEDIO TOPキャップ、カーボンコラム用アンカーナット、ヘッドセット、 チタン製キャリパーブレーキ固定ナットセット、ボトル台座ボルト4本、シートクランプ、フロントディレイラー直付バンド、カーボンスペーサー3mm/5mm/10mm各2枚、Venusシートピラー31.6mm/オフセット15mm付属)。
完成車 197,400円より
(完成車基本スペック カラー:ピュアホワイト、コンポ:シマノ・105(5700系)、タイヤ:コンチネンタル・ウルトラスポーツ、ホイール:シマノ・WH-R500、ハンドル、ステム、サドル、バーテープ等はAVEDIOカタログよりチョイス)、カラー変更、パーツグレード変更可、ホイールレス価格設定あり






インプレライダーのプロフィール

仲沢 隆(自転車ジャーナリスト)仲沢 隆(自転車ジャーナリスト) 仲沢 隆(自転車ジャーナリスト)

ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなどのロードレースの取材、選手が使用するロードバイクの取材、自転車工房の取材などを精力的に続けている自転車ジャーナリスト。ロードバイクのインプレッションも得意としており、乗り味だけでなく、そのバイクの文化的背景にまで言及できる数少ないジャーナリストだ。これまで試乗したロードバイクの数は、ゆうに500台を超える。2007年からは早稲田大学大学院博士後期課程(文化人類学専攻)に在学し、自転車文化に関する研究を数多く発表している。






text:Takashi.NAKAZAWA
photo:Makoto.AYANO
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