2011年1月16日にオーストラリアで開幕するUCIワールドツアー初戦ツアー・ダウンアンダーに、世界のトップスプリンターが集結する。アームストロング(アメリカ)の海外最終戦となるレースには、3勝目が懸かったグライペル(ドイツ)を始め、カヴェンディッシュ(イギリス)やファラー(アメリカ)が出場。熱いスプリントバトルに注目だ。

真夏のオーストラリアで開催されるツアー・ダウンアンダー真夏のオーストラリアで開催されるツアー・ダウンアンダー photo:Kei Tsujiオーストラリア・アデレード近郊で2011年1月16日から23日まで開催されるツアー・ダウンアンダー。開催13回目を迎えるステージレースで、2008年にヨーロッパ以外のレースとしては初となるプロツアーレースに昇格した。

1月の南半球は夏真っ盛り。ヨーロッパのシーズンイン(2〜3月)に向けて調整を合わせる選手が挙って出場する。2011年もUCIワールドツアーに組み込まれているため、全てのプロツアーチームが出場予定だ。

3年連続出場するランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)3年連続出場するランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック) photo:Kei Tsuji今年キャリア最後のツール・ド・フランスを走り終えたランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)は、2011年もキャリアを継続する。しかしレース活動をアメリカ国内に絞るため、このツアー・ダウンアンダーが海外最終戦となる。

レース公式サイトの中でアームストロングは「アメリカ国外の最終戦としてツアー・ダウンアンダーを走ることに興奮を覚えている。3度目の出場だが、過去の2回と同様にレースを楽しみたい」と語っている。

今年ステージ3勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、来季オメガファーマ・ロット)今年ステージ3勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、来季オメガファーマ・ロット) photo:Kei Tsuji今年のツアー・ダウンアンダーでステージ3勝を飾り、2008年大会に続く2度目の総合優勝を果たしたアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)は、来季オメガファーマ・ロットに移籍。マリオ・アールツ(ベルギー)やユルゲン・ルーランズ(ベルギー)、マルセル・シーベルグ(ドイツ)らを率いて大会史上初となる3勝目に挑む。名所ウィランガ・ヒルが登場する最終日前日のステージが、総合優勝を狙うグライペルの鬼門になるだろう。

集団スプリントで他を寄せ付けない圧倒的な強さを誇ったグライペル。しかし2011年大会は2人のビッグスプリンターが彼の前に立ちはだかる。世界最速スプリンターの名声を得ているマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)と、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)だ。

ツアー・ダウンアンダー出場が決まったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)ツアー・ダウンアンダー出場が決まったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア) photo:Makoto Ayano中でもグライペルとカヴェンディッシュの対決には大きな注目が集まる。今年まで両者は同じチームHTC・コロンビアで走っていたため、世界選手権を除いて直接ぶつかることはなかった。しかし2011年はグライペルがオメガファーマ・ロットに移籍。犬猿の仲とされる2人の直接対決が、初戦のツアー・ダウンアンダーで実現することになった。

「ツアー・ダウンアンダーでシーズンをスタートさせることになって嬉しい。オーストラリアにはこれまで6〜7回行っていて、とても好きな国なんだ。世界選手権で悔しい思いをしたから、今度こそオーストラリアで良い走りを見せたい」。カヴェンディッシュは意気揚々だ。

そして、初出場のファラーも注目の的。今年ファラーはジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャでそれぞれステージ2勝、更にヴァッテンフォール・サイクラシックスで2度目の優勝を果たし、トップスプリンターの仲間入りを果たした。来季生まれ変わるガーミン・サーヴェロに1勝目をもたらすことは出来るだろうか。

シクロワイアードは2011年もツアー・ダウンアンダーを現地取材します!お楽しみに!

text:Kei Tsuji

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