女子とジュニアのUCIレースも今年それぞれ距離を伸ばし、アップダウンに富んだより一層厳しいコースで争われた。

女子国際100km カーマン・スモールが実力通りの勝利 2位は針谷千紗子


羽地ダムへの上りを行く先頭集団。左にカーマン・スモール(ジェイミス・シャッターホーム)羽地ダムへの上りを行く先頭集団。左にカーマン・スモール(ジェイミス・シャッターホーム) photo:Makoto.AYANO

昨年まで85kmで行われた女子国際レースは、今年後半のコース変更に伴って100kmに距離を伸ばした。過去には89~92年が50km、95年が80km、96~2006年が50kmで行われていた。距離を伸ばし、やんばる地方のアップダウンでレースを闘いたいという希望を受け入れ、レース自体も年々レベルアップしてきた。

今年の参加者は33選手。男子チャンピオンレースにアメリカからジェイミス・シャッターホームサイクリングチームの参戦があり、それに合わせて同女子チームに所属するカーマン・スモールが参戦。他に海外招待選手としてチャイニーズ台北ナショナルチームが参戦した。

レースは後半の羽地ダムへの登りでカーマン・スモール(ジェイミス・シャッターホーム)、針谷千紗子(サイクルベースあさひ)、高橋奈美(SEKIみちのく)、明珍裕子(朝日大学)の4人の勝負に絞られた。

ゴールスプリント前ではスモールがラスト1kmを切ってからスパートをかけた。追従する3人は追いたくとも、スモールにゴールまでに8秒差がつくほど離され、力の違いを見せつけられる格好となった。

ゴールスプリントで2位になったのは針谷千紗子。「スモール選手は強かった。逃げている時もアタックをかけられたり、長く先頭を引いたりしていたので、力の差は歴然だった。勝てなかったけど、力を出し切れたのは満足」と、久々に結果を残せたことに表情が明るかった。

女子国際ゴール1位 カーマン・スモール(ジェイミス・シャッターホーム)女子国際ゴール1位 カーマン・スモール(ジェイミス・シャッターホーム) photo:Hideaki.TAKAGI

1位 カーマン・スモール(ジェイミス・シャッターホーム) 、2位 針谷千紗子(サイクルベースあさひ)、3位 高橋奈美(SEKIみちのく)1位 カーマン・スモール(ジェイミス・シャッターホーム) 、2位 針谷千紗子(サイクルベースあさひ)、3位 高橋奈美(SEKIみちのく) photo:Makoto.AYANO
女子国際100km 結果

1位 カーマン・スモール(ジェイミス・シャッターホーム) 3:17:02
2位 針谷千紗子(サイクルベースあさひ) +8"
3位 高橋奈美(SEKIみちのく)
4位 明珍裕子(朝日大学)
5位 木村亜美(鹿屋体育大学) +1’52"
6位 星川恵利奈(湘南ベルマーレ)
7位 森田正美(ブリヂストンアンカー)
8位 金子広美(イナーメアイランド)+1’54"
9位 米田和美(レディーゴージャパン)+2’35"
10位 塚越さくら(鹿屋体育大学)


ジュニア国際140km 優勝者が機材違反で失格。ウォン・チュンヤンが繰り上げ優勝



羽地ダムの上りを行くジュニア国際140kmの先頭集団羽地ダムの上りを行くジュニア国際140kmの先頭集団 (c)Makoto.AYANO

140kmで争われたジュニア国際は、先にゴールしたチェンリャン・チェン(チャイニーズ台北ナショナルチーム)がレース後の機材検査で違反が判明して失格となり、2位でゴールしたウォン・チュンヤン(香港ナショナルチーム)が繰上優勝となった。

ウォン・チュンヤンは「棚ぼた」で優勝が転がり込んできた印象を訊かれると、「ラッキー」と苦笑い。ウォン・チュンヤンは20km地点で濡れた路面でスリップして落車。口の中を切りながら走った。スプリントでは全力を振り絞ったという。「こんなに厳しいコースは経験がない」とも。


ジュニア国際140km表彰式ジュニア国際140km表彰式 (c)Makoto.AYANOジュニア国際140km 結果

1位 ウォン・チュンヤン(香港サイクリングチーム) 4:03:46
2位 小橋勇利(松山工高)
3位 市山襄(法政二高)
4位 中田瑛次(和歌山高)
5位 松原創平(オーベスト)
6位 馬場博之(祐誠高)
7位 六峰亘(ロッポレーシング)
8位 佐々木康(かぶちゃん農園ボンシャンス飯田)
9位 面手利輝(横浜高)
10位 一丸尚伍(大分)


text:Makoto.AYANO
photo:Makoto.AYANO、Hideaki.TAKAGI