来季のスポンサー探しに苦慮していたBboxブイグテレコムが、レンタカー会社の「ヨーロッパカー(Europcar)」と来季から3年間のメインスポンサー契約を締結した。トマ・ヴォクレールや新城幸也のチームは間一髪で解散をまぬがれた。

日本時間10月5日午前2時にS.A.ヴァンデシクリズム(日本事務所株式会社シクリズムジャポン)が発表したリリースによれば、欧州最大のレンタカー企業「ヨーロッパカー」社(Europcar Group、本社:フランス、CEO:フィリップ・ギユモ)が、2011年よりジャン=ルネ・ベルノドーGM率いるS.A.ヴァンデ・シクリズムチーム(S.A.Vendee Cyclisme、2010年度UCI登録名「Bboxブイグテレコム」チーム)のメインスポンサーとなることが決定。契約期間は2011年1月1日から3年間。
現スポンサーである通信企業「ブイグテレコム」社(Bouygues Telecom S.A.、本社:フランス、社長:フィリップ・マリヤン)も、第2スポンサーとして引き続きチームのサポートを継続する。

ヨーロッパカー(イメージ)ヨーロッパカー(イメージ) (c)Europcarヨーロッパカー社CEO、フィリップ・ギユモ氏によるコメント:
「ジャン-ルネ・ベルノドーのチームは文句の無い結果を残してきた。それらは素晴らしい人間性を兼ね備えたメンバー達の努力の賜だ。彼らが繰り広げる冒険に、我々ヨーロッパカーグループの社員・パートナー・顧客の皆様と一緒に参加出来ることを幸せに思う。」

S.A.ヴァンデ・シクリズムチームGM、ジャン-ルネ・ベルノドー氏によるコメント:
「新たな冒険の始まりに今から興奮している。ヨーロッパカー社の協力によりこの世の中で最も素晴らしいスポーツの一つである自転車ロードレースを更にグローバルなものへと押し上げる事が可能になった。」
(以上リリースより)

チームはBboxブイグテレコムとしてUCIプロコンチネンタル登録してレースを闘ってきたが、ヨーロッパカーがメインスポンサーに、ブイグテレコムがサブスポンサーに入れ替わる。チームは継続してサブスポンサーを探しているという。


UCI(国際自転車競技連合)のチームライセンス登録更新期限は9月28日だったが、おそらくチームはUCIに期限延長を申請していたものと思われる。今回の新スポンサー締結のニュースは、チームの存続決定の吉報でもある。チームは寸前のところで解散を避けることができた。

Bboxブイグテレコム(写真はツール・ド・フランス)Bboxブイグテレコム(写真はツール・ド・フランス) photo:Makoto Ayanoスポンサー契約が遅れたことで、ピエリック・フェドリゴ(フランス)、ウィリアム・ボネ(フランス)、スティーブ・シェネル(フランス)がフランセーズデジューへ、ニコラ・ヴォゴンディ(フランス)がコフィディスへ、ヨハン・チョップ(スイス)はBMCレーシング、ユリー・トロフィモフ(ロシア)はカチューシャへ、フレディ・ビショ(フランス)はベレンダ・リドゥ・サルト(フランスのコンチネンタルチーム)へと移籍する。

エース的存在のトマ・ヴォクレール(フランス)は、もしチームの存続がなくなればコフィディスに移籍することを決めていたが、1999年にチームメンバーとなって以来育ててくれたベルノドーGMとチームに忠誠を示して、移籍についてはぎりぎりまで待つ選択をしていた。
他に2010ツール・ド・フランスで山岳賞を獲得したアントニー・シャルトーもチーム残留の意志をみせていた。

日本の新城幸也の去就については今後明らかにされると思われるが、2010世界選手権メルボルン大会で9位の成績を残したことで、他チームからのオファーはあるものと思われる。


text:Makoto.AYANO