ジェオックス社を新スポンサーに迎え入れたマウロ・ジャネッティGM(ジェネラルマネージャー)は、選手の獲得とUCIプロツアーライセンスの更新に向けて奔走している。今回新たにカルロス・サストレ(スペイン)のチーム・ジェオックス加入が決まった。

カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) photo:Makoto Ayano来シーズンに向けて、ジェオックス社という心強い援軍を得たジャネッティ氏。現在チーム戦力の増強やライセンスの更新に向けて忙しい日々を送っている。

この度チームジェオックスは、2008年のツール・ド・フランス覇者カルロス・サストレ(スペイン)との契約を発表した。サストレは2シーズン過ごしたサーヴェロ・テストチームを離れることになる。

ガゼッタ紙の中でジャネッティ氏は「彼のこれまでの素晴らしい活躍は承知の事実。それよりも彼の野望とプロ意識の高さに感銘を受け、契約に至った」と語っている。チームジェオックスと契約を結んだ選手として、サストレは最初のビッグネームだ。

ジェオックス社はイタリア・ヴェネト州に本社を置くシューズメーカー。同社のマリオ・モレッティ・ポレガート代表は地元の有力選手、具体的にはフィリッポ・ポッツァート(イタリア)とダミアーノ・クネゴ(イタリア)の加入を希望していたが、ポッツァートはカチューシャとの契約更新を発表。ポレガート氏の関心はクネゴに向けられている。

チームは600万〜1000万ユーロ(約6億6000万〜10億1000万円)という膨大な年間予算を有していると見られており、更なるビッグネームの獲得に注目が集まる。イタリアのガゼッタ紙によると、ジャネッティ氏はデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)やヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック)らの獲得にも興味を示している。

しかしプロツアーライセンスの更新に関してチームは順風満帆の状態とは言えない。現在フットオン・セルヴェットは、来シーズンのビッグレースへの出場が保証されるチームランキングトップ17位にはほど遠い29位に付けている。プロツアーライセンス更新に際して、財政面の問題は無いが、選手層の強化は急務だ。

ジャネッティ氏は2005年のプロツアー発足時からサウニエルドゥバル、フジ・セルヴェット、フットオン・セルヴェットとチームを運営してきた。6年間保有したプロツアーライセンスをチームジェオックスにも繋げたい考えだが、チームの暗い過去を考慮してUCIがライセンス更新を認めない可能性もある。

2008年、当時ジャネッティ氏が指揮を執っていたサウニエルドゥバルはツール・ド・フランス期間中にリカルド・リッコ(イタリア)とレオナルド・ピエポリ(イタリア)という2人のドーピング違反者を出し、CERA(第3世代EPO)の存在を全世界に知らしめた。ジャネッティ氏はその悪いイメージを払拭出来ずにいる。UCIは11月20日にプロツアーライセンス更新の可否を発表する予定だ。

ジャネッティ氏はガゼッタ紙の中で「6月にジェオックス社のポレガート代表と話し合いの場を持ったんだ。その中で、ロードレース界に一石を投じたいという彼の強い信念を感じた」と語っている。ジェオックス社は女子チームのサフィ・パスタ・ザーラのサポートも同時に開始。スポンサーの熱い思いがチームを前へと突き動かしている。

チームにはクラウディオ・コルティ監督が加わると見られており、かつてサエコチームをサポートしたカッフィータ社もスポンサーリストに名を連ねる可能性がある。今回のサストレの加入はチームの未来を占う上でも明るいニュースだ。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji

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