最終周回、中村誠(宇都宮ブリッツェン)と平塚吉光(シマノレーシング)は互いにアタックを繰り出すが振り切れない。そしてゴールを制したのは中村。絶対に勝つという気迫の勝利だった。

パレードスタートパレードスタート photo:HIdeaki.TAKAGI福島晋一プロデュースの難コース
7月31日、8月1日に長野県松川町で行われた南信州松川ロード。飯田市を含めた南信州エリアで行うレースとして今年から新設のものだ。
コースは標高差110mの坂を上り、あとは少しのアップダウンのあるもので、テクニカルな下りと含めて総合力が問われる厳しいものだ。
このコースは、福島晋一(クムサン・ジンセン・アジア)らボンシャンス飯田関係を中心としたメンバーの練習コースに当たる。飯田ロードの後継地として、福島がこのコースの原案を実行委員会へ提示、若干難易度を低くした(これでも!)ものが今回のコースだ。
TRはフルコースの1周7.5kmで、他クラスはきつい部分の1周4.0kmコースが使われた。

2周目、長く伸びるメイン集団2周目、長く伸びるメイン集団 photo:HIdeaki.TAKAGI2回できた先頭集団
ニッポは海外遠征のため出場していないが、愛三工業などほぼフルメンバー。1ヶ月ほどレースがあくため、ここでいい感触をつかんでおきたいところだ。台風の目は鹿屋体育大学だ。世界戦やジャパン合宿などで数人が不在だが、ベストメンバーといっていい7人が参加。国内トップチームとの対決が注目された。

1周目の上りからアタックがかかる。抜け出したのは澤田賢匠(マトリックスパワータグ・コラテック)、小段亮(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)、伊藤雅和(鹿屋体大BLUE SKY)だ。2周目に平塚吉光(シマノレーシング)、辻善光・斉藤翔太(宇都宮ブリッツェン)、永良大誠(マトリックスパワータグ・コラテック)が合流して7人に。ここでは平塚が積極的に走る。メイン集団は森本誠(イナーメ・アイランド信濃山形-TR)、チームマッサが引く。

4周目の上り区間で、追い上げたメイン集団が先頭集団を捕らえ、6人の先頭集団が再形成される。平塚吉光(シマノレーシング)、真鍋和幸・永良大誠(マトリックスパワータグ・コラテック)、中村誠(宇都宮ブリッツェン)、内間康平・山本元喜(鹿屋体大BLUE SKY)だ。

10周目の先頭集団、中村誠(宇都宮ブリッツェン)がハイペースを維持する10周目の先頭集団、中村誠(宇都宮ブリッツェン)がハイペースを維持する photo:HIdeaki.TAKAGIその後、先頭は山本、永良が下がって4人に。いっぽうで3分差にまで開いたメイン集団は、鈴木真理(シマノレーシング)が中心となってペースを上げて人数が絞り込まれる。7・8周目のこのペースアップでメイン集団は9人になる。

鈴木真理のペースアップで2分を切った先頭4人との差は、その後は縮まらない。そのあとを継ぐ選手が少なかったことと、先頭は中村がハイペースを維持していたためだ。

後続から畑中がアタック
2分差の後続集団から11周目に畑中勇介(シマノレーシング)がアタック。残り3周で2分弱の差。先頭がタレてくれば、そしていつもの畑中のキレがあれば追いつけない差ではない。そして先頭では中村と平塚のペースアップに真鍋と内間が下がっていく。
後続からアタックした畑中は、こぼれてきた内間や真鍋をパスしていくが、先頭2人との差は縮まらない。

ラスト2キロ、中村誠(宇都宮ブリッツェン)が仕掛けるラスト2キロ、中村誠(宇都宮ブリッツェン)が仕掛ける photo:HIdeaki.TAKAGI中村と平塚のマッチレース
ラスト2周に入ってすぐ、中村がアタックする。これは平塚が冷静に対処。ここからゴールに至るまでの15kmにわたって2人の仕掛け合いが始まる。平塚も応戦するが、仕掛けの中心は中村。後ろから畑中が追っているため、ペースを落とさずにアタックを掛けていく。最終周回の上りを過ぎてもまだ仕掛け合いは続く。中村主導で結局ゴールまで進み、先駆けした中村が平塚を離してゴール。自身初めての実業団レース優勝を果たした。

中村は07年実業団BR-1(当時の最高ランク)ランキング第2位だが今までタイトルとは無縁だった。高い登坂能力に加え、スプリント力も持ち合わせる脚質で活躍してきた。

中村誠(宇都宮ブリッツェン)が優勝中村誠(宇都宮ブリッツェン)が優勝 photo:HIdeaki.TAKAGIミヤタ、ブリヂストン・アンカー、マトリックスパワータグ、ダイハツ・ボンシャンス飯田を経て、現在の宇都宮ブリッツェンでようやく念願の1勝を挙げた。本人の言葉通り、これからの活躍が期待される。

平塚は2位となったが、序盤から逃げたメンバーであり、じつに全体の9割を先頭集団で走っている。中村との掛け合いにも耐えて、もう完全に国内トップ選手の一人となった。

鹿屋体育大学は常にレースの動きの中核におり、全員の高い能力を見せ付けた。内間がラスト3周で脱落したのは、本人の実力からは意外だった。ここは中村と平塚の力が、強い内間をさらに上回ったと考えるのが自然だろう。

TR 表彰TR 表彰 photo:HIdeaki.TAKAGI優勝の中村誠「ただ勝つことだけを考えていた」
「優勝できてうれしいです。でも自分にそれを喜んでいる時間はない。これがスタートになるので次に勝つことが本当の強さだと思う。だから今日の1勝は通過点にしたい」
「逃げの人数が減っていったけども、ここは人数が少なくとも走れるコース。追走も劇的に詰まるとは思わなかった。ラスト5周くらいからはこの逃げている集団でゴールへ行くと考えていた。畑中選手の追走は知っていたけれども、ここは不得意ではないコースなので、追いつかれることはないと思っていた。ラスト2周は、平塚選手を千切れたらいいと思ったけれども、ゴールスプリントでも絶対負けないと思っていた」
「レース中は、ただ勝つことだけを考えていた。勝ってこの先に進みたいと思っていた。自分自身もチームもそれは同じ。今日は自分が勝ったけれども、チームの誰かが勝てればいい。実業団では初優勝。今まで長くかかりました」


FR 2周目、先頭の西加南子(LUMINARIA)と金子広美(イナーメ・アイランド信濃山形)FR 2周目、先頭の西加南子(LUMINARIA)と金子広美(イナーメ・アイランド信濃山形) photo:HIdeaki.TAKAGI西加南子が小川大会の雪辱を果たす
FR

FRは4kmコースを10周の40kmで行われた。2周目に西加南子(LUMINARIA)が金子広美(イナーメ・アイランド信濃山形)を離して独走、1週間前の小川大会の雪辱を果たし優勝。
優勝の西は「先週の小川よりは力を出し切ったと思います。最初から全開で。体調をこの1週間で上げました。2周目から逃げて先は長かったけれども、追い込んで走りました」と語る。


BR-1 頓所哲郎(湘南ベルマーレコムレイド)が優勝BR-1 頓所哲郎(湘南ベルマーレコムレイド)が優勝 photo:HIdeaki.TAKAGI頓所哲郎(湘南ベルマーレコムレイド)が驚異の追い上げで優勝
BR-1

BR-1は4kmコースを15周の60kmで行われた。2周目からばらけ、織田修平(湘南ベルマーレコムレイド)が独走、菅野正明と清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)がこれに追いつき3人で最終周回へ。いっぽうで2周目から単独で追走に入った頓所哲郎(湘南ベルマーレコムレイド)が最終周回に先頭へ追いつく。いっぽうで織田は機材故障で後退、3人でのゴールスプリントは頓所が制した。
優勝の頓所は「勝てると思っていなかったのでとてもうれしいです。ずっと一人で追走していたのですが、追いつくとは思っていなかったです。差が40秒、30秒と聞いてこれは追わねばと思いました。この先はできればTRクラスで走りたいです」と語る。


ER 小俣栄一郎(竹芝サイクルレーシング)が優勝ER 小俣栄一郎(竹芝サイクルレーシング)が優勝 photo:HIdeaki.TAKAGIER
ERは4kmコースを13周の52kmで行われた。先頭は15人ほどから10人へ人数を減らして終盤へ。池内雅裕(DARK BLUE BIKERS)が単独抜け出して最終周回、ゴールを目指すが下りで痛恨の落車。単独で追走していた小俣栄一郎(竹芝サイクルレーシング)が優勝。



今回の南信州松川ロードは厳しいコースで完走率は低かったが、それでもTRクラスは激しい展開で観客を沸かせた。
初回の大会だが、開会式・閉会式での地元のもてなしや沿道での多くの声援など、レースへの歓迎ムードは高い。第2回以降の開催も願いたいところだ。


結果
TR 97.5km
1位 中村誠(宇都宮ブリッツェン)2時間58分26秒
2位 平塚吉光(シマノレーシング)
3位 畑中勇介(シマノレーシング) +01分57秒
4位 内間康平(鹿屋体大BLUE SKY) +03分17秒
5位 真鍋和幸(マトリックスパワータグ・コラテック)
6位 吉田隼人(鹿屋体大BLUE SKY) +03分33秒
7位 森本誠(イナーメ・アイランド信濃山形-TR)  
8位 鈴木譲(シマノレーシング)  +05分11秒
9位 小坂光(宇都宮ブリッツェン)   
10位 伊勢直人(MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)

FR 40km
1位 西加南子(LUMINARIA)1時間28分47秒
2位 金子広美(イナーメ・アイランド信濃山形)+02分30秒
3位 西塚優美(SQUADRA CORSA cicli HIDE)+05分19秒

BR-1 60km
1位 頓所哲郎(湘南ベルマーレコムレイド)1時間59分23秒
2位 清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)+0分01秒
3位 菅野正明(竹芝サイクルレーシング)
4位 織田修平(湘南ベルマーレコムレイド)+01分08秒
5位 鈴木和典(チームオーベスト)+01分33秒
6位 村田隆(快レーシング)+02分22秒

ER 52km
1位 小俣栄一郎(竹芝サイクルレーシング)1時間46分02秒
2位 池内雅裕(DARK BLUE BIKERS)+0分14秒
3位 大石敏夫(グランデパール播磨)+0分50秒
4位 吉村拓斗(DOKYUレーシングクラブ)
5位 小山貴大(ミノムシ市川)+0分51秒
6位 田中修一(Nasu Fan Club)+01分15秒

photo&text:高木秀彰
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