本日9月20日に開幕するロード世界選手権。カナダ・モントリオールを舞台にした戦いは男女エリートの個人タイムトライアルから始まる。日本から出場する橋川丈と阿部花梨をはじめとする出場選手、コースの特徴、大会全体のスケジュールを紹介する。



試走するレムコ・エヴェネプール(ベルギー) photo:CorVos

昨年、史上初となるアフリカ大陸のルワンダで開催されたロード世界選手権は今年、北米のカナダ・モントリオールが舞台となる。アメリカ・ニューヨークの北に位置し、フランス語が広く使われるカナダ第2の都市だ。自転車ロードレースでは例年9月に行なわれるワールドツアー、グランプリ・シクリスト・ド・モンレアルの開催地としてお馴染みだ。

大会は9月20日(日)から27日(日)まで開催される。男女エリートの個人タイムトライアルで幕を開け、最終日の男子エリートロードレースまで、全13種目でアルカンシエルを争う。

ロード世界選手権2026スケジュール※日付は現地時間

9月20日(日):女子エリート個人タイムトライアル、男子エリート個人タイムトライアル
9月21日(月):女子U23個人タイムトライアル、男子U23個人タイムトライアル
9月22日(火):チームタイムトライアル・ミックスリレー、男子ジュニア個人タイムトライアル、女子ジュニア個人タイムトライアル
9月23日(水):レースなし
9月24日(木):女子U23ロードレース、男子ジュニアロードレース
9月25日(金):男子U23ロードレース、女子ジュニアロードレース
9月26日(土):女子エリートロードレース
9月27日(日):男子エリートロードレース

ロード世界選手権2026男子&女子エリート個人タイムトライアルコースマップ image:UCI

ロード世界選手権2026男子&女子エリート個人タイムトライアルコースプロフィール image:UCI

男女エリートの個人TTは、2022年のオーストラリア・ウロンゴン大会以来、同じコースと距離で争われる。距離は39.2km。男子は昨年の40.6kmから1.4km短くなる一方、女子は世界選手権に個人TTが導入された1994年以来、最長の距離となる。

スタート地点はプロのカナディアンフットボールチーム「モントリオール・アルエッツ」の本拠地、パーシバル・モルソン・メモリアル・スタジアムの前。そこから旧市街を通りながら港へと下っていき、F1カナダGPの舞台、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットを含む往復型のコースを走る。

概ね平坦路だが、サーキット周辺にはヘアピンコーナーもあり、加減速を繰り返すテクニカルなレイアウトだ。フィニッシュ手前には距離約400m、平均勾配6.1%の登りが待ち受ける。4箇所(女子は3箇所)の登りがあった昨年から一転、重量級のTTスペシャリストでも十分にその実力を発揮できるコースと言っていいだろう。



エヴェネプールが史上初の4連覇へ ガンナは5年ぶりの王座奪還を狙う

記者会見に臨んだレムコ・エヴェネプール(ベルギー) photo:CorVos

昨年の男子エリートでは、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)が2位のジェイ・ヴァイン(オーストラリア)に1分14秒差をつける圧勝で、個人TT3連覇を達成した。現世界王者は今年も健在で、個人TTではツール・ド・フランスを含めて3勝を挙げるなど好調を維持している。また9日前に行なわれたグランプリ・シクリスト・ド・ケベックでも優勝し、万全の状態で世界選手権を迎える。

タデイ・ポガチャル(スロベニア)は、ブエルタ・ア・エスパーニャの落車で左鎖骨と頸椎を骨折したため欠場。そのためエヴェネプールには男子エリート個人TT史上初の4連覇と、同じ大会で個人TTとロードを制する男子エリート史上初の2冠にも期待が高まる。

イタリアTT選手権で5連覇したフィリッポ・ガンナ(ネットカンパニー・イネオス) photo:CorVos

対抗馬の筆頭は、もちろん2020年と21年の覇者であるフィリッポ・ガンナ(イタリア)だ。現イタリアTT王者は昨年こそ出場しなかったものの、2023年と24年は2年連続でエヴェネプールに次ぐ2位に甘んじた。しかし今年は本格的な登りもなく、高出力で押し切れるレイアウトのため、5年ぶりのアルカンシエル獲得へ絶好の機会となる。

他には直近のブエルタ・ア・エスパーニャの個人TTでポガチャルに0.09秒差で敗れたイーサン・ヘイター(イギリス)や、同大会でTT勝利を飾ったシュテファン・キュング(スイス)、ブリュノ・アルミライユ(フランス)、ダーン・ホーレ(オランダ)など、重量級のTTスペシャリストたちにもチャンスがある。



誕生日に連覇を狙うロイサー エリート初挑戦のバックステッドにも注目

連覇狙うマーレン・ロイサー(スイス) photo:CorVos

一方の女子エリートの本命は、もちろん前回王者のマーレン・ロイサー(スイス)だ。今年はツール・ド・スイス・ウィメンとツール・ド・フランス・ファムという大一番のTTで勝利。9月16日に開催国カナダで行なわれた個人TTレースでも優勝し、これ以上ない仕上がりを見せている。レース当日の9月20日はロイサーの35歳の誕生日でもある。

昨年2位だったアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)は代表選考から外れたが、同じオランダ代表のデミ・フォレリングは出場する。また、初のエリート挑戦を決めた21歳のゾーイ・バックステッド(イギリス)にも注目だ。2022年にジュニア、昨年はU23のTTでアルカンシエルを獲得し、現イギリス王者として世界選手権に挑む。

日本からは昨年の全日本選手権U23個人TTを制した橋川丈(キナンレーシングチーム)が男子エリートに出場。女子エリートには昨年の全日本選手権個人TTで3位に入った阿部花梨(イナーメ信濃山形)が出場し、世界選手権の舞台に初めて挑む。
歴代男子エリート個人タイムトライアル優勝者
2025年 レムコ・エヴェネプール(ベルギー)
2024年 レムコ・エヴェネプール(ベルギー)
2023年 レムコ・エヴェネプール(ベルギー)
2022年 トビアス・フォス(ノルウェー)
2021年 フィリッポ・ガンナ(イタリア)
2020年 フィリッポ・ガンナ(イタリア)
歴代女子エリート個人タイムトライアル優勝者
2025年 マーレン・ロイサー(スイス)
2024年 グレース・ブラウン(オーストラリア)
2023年 クロエ・ダイガート(アメリカ)
2022年 エレン・ファンダイク(オランダ)
2021年 エレン・ファンダイク(オランダ)
2020年 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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