リドレー2027年モデルの展示会を訪問。小柄なライダー向けに新規開発したロード「YUNGSTAR」と、ブランド初となるトライアスロンバイク「TRITON FAST」が登場した。NOAH FASTやFALCNといったロードの主力モデルは継続され、グラベルバイクのASTRには新色、X-NIGHTにはセカンドグレードが登場した。



ウノエックス・モビリティが使用するNOAH FAST 3.0

今年、リドレーがサポートするウノエックス・モビリティがツール・ド・フランスで初めてマイヨジョーヌを獲得。トースタイン・トレーエンによる快挙はデンマークのUCIワールドチームの成長を如実に表しており、応援するサポーターも増えつつある。

こうした結果を支えたのがリドレーのNOAH FAST 3.0とFALCN RSだ。そんなリドレーの2027年モデル展示会が開催され、浅草公会堂に集まった来季モデルをチェックした。

リドレーが誇るエアロロードのミドルグレード、NOAH 3.0

リドレーのオールラウンドレーサー、FALCNシリーズ

まず目についたのは、ハイエンドエアロロードのNOAH FAST 3.0とミドルグレードのNOAH 3.0だった。カラーリングを含めて昨年モデルからの継続で、価格も据え置き。FALCN RSとFALCNも同様に仕様、価格ともに継続だ。

日本で最も人気なのがミドルグレードのFALCNだという。レース用途にも十分応えられる性能を持ちながら、扱いやすさの面でFALCN RSよりも評価する声があり、幅広い層に選ばれている理由。

身長150cmの方でも乗りやすいサイズ感のYUNGSTAR

2027年モデルの注目モデルが、小柄なライダー向けに新規開発されたロードバイク「ヤングスター」だ。選手の体格が大きいベルギー発のブランドということもあり、リドレーはこれまで身長150cm台のライダーに適したサイズ展開を持っていなかったという。日本の代理店であるミズタニ自転車は以前から本国に対して小さめサイズの開発を要望し続けてきたといい、待望のモデルが登場する。

こだわりのポイントはXXXSサイズながら700Cと650Bどちらも選択可能なこと。小さめサイズの場合は標準で650Bが搭載されることが多いなか、パーツの選択肢が多い700Cに対応させたことが魅力の1つとなっている。700Cのままどこまで小さいサイズを追求できるかという方向で開発が進められたという。

トップチューブアイレットも備えられている
ケーブルは内装式とされている


シマノ105をメインコンポーネントとして据えている
34mmのタイヤも装着することができ、ロードもCXもカバーすることが可能



ジオメトリーはオールロードGRIFNをベースにしながらも単純な縮小ではなく、専用に設計されたものだそうだ。チューブ形状もGRIFNの面影を残す。また、ダブルボトル仕様もこだわりの1つ。ただシートチューブ側はボトルによってはタイトなクリアランスになるため、購入時には注意したい。

タイヤクリアランスは同社の他のロードモデルと同様に34mmまで対応し、ロードコンポーネントでの完成車展開を基本としつつ、シクロクロスタイヤを組み合わせた使い方も可能。シクロクロス強豪国であるベルギーのブランドらしい仕様だ。

トレンドにフィットするチューブ形状とされている
ダウンチューブの裏側にもストレージ台座が備えられている



YUNGSTARは体格の問題からカーボンロードへの乗り換えを諦めていた小柄なライダーにぴったりな一台だ。完成車はシマノ105のメカニカル仕様で展開し、価格は40万円を切る水準に抑えられている。

YUNGSTARのベースとなったGRIFNはラインアップの詳細が変更されている。上位モデルのGRIFN RSは昨年から継続し、通常グレードのGRIFNは、フレームとカラーリングを従来のまま維持しつつ、コンポーネントをGRXからシマノ105へと変更していた。

2027年モデルのGRIFNはシマノ105アッセンブルとなった

GRIFNはコンポーネントをGRXから105に変更されている

昨年まではオフロード寄りの提案がされていたが、需要の中心がオンロード志向にあることを踏まえ、エンデュランスロードとしての立ち位置を明確にする方向へ切り替えたという。

さらに、昨年はラインアップから一時外れていたアルミモデルのGRIFNが今年復活。フロントシングル×リア10速のシマノ CUESを組み合わせた仕様だ。変速性能や耐久性に優れるCUES搭載バイクということもあり、アグレッシブに自転車を楽しみたい方にぴったりな完成車として仕立てられている。単色に見える塗装にも微細なパール感が加えられているなど作り込みへのこだわりが感じられる一台だ。

オールロードのGRIFNのアルミ仕様がラインアップに復活

ボトルケージ台座は3ポジション仕様だ
モデルのエンブレムがトップチューブで輝く



変速性能や信頼性に優れるシマノCUESコンポーネントを採用する

会場のもう一つの目玉が、リドレーとして初めてとなるトライアスロンバイク「TRITON FAST」だった。TTバイクはこれまでも継続的にラインアップしてきたが、トライアスロン専用モデルの投入は今回が初めてだという。昨年からアイアンマン70.3世界選手権のチャンピオン経験を持つ選手のサポートを開始しており、そのフィードバックを受けながら開発が進められてきた一台だ。

ユニークなポイントはフロントスルーアクスルのオフセットを3つのポジションから切り替えられる点。45/50/55mmに設定することができ、クイックなターンが求められるコースや、アイアンマンのように長時間の直進安定性が求められるコースなど状況に合わせたセッティングが可能となっている。

リドレー初のトライアスロンバイク、TRITON FAST
台座には専用ハイドレーションボトルを装備することが可能
BB周りからトップチューブまでハイドレーションのホースを伸ばせる



設計面ではトライアスロンがUCIの管轄外であることを活かし、規定に縛られない自由な作り込みがなされていた。ボトルケージ台座に収められるハイドレーションタンクも用意されており、ダウンチューブからトップチューブにホースを取り回すことも可能となっている。またトップチューブの上下のストレージ台座も備えられており、ポジションを維持したまま様々なアクションが行えるようになっている。

また、アームレストとエクステンションバーはあえて付属しない。これはライダーが自らのポジションを出しやすいパーツを使ってもらうためであり、一般的な規格のパーツであれば搭載が可能だという。

デダとコラボしたパーツが備えられている。アームレストやエクステンションバーはユーザーの好みのパーツが装備できる

フロントスルーアクスルの前後位置を調節することが可能

近年欧米を中心に盛り上がり続けるグラベルカテゴリーにもリドレーは注力しており、レース向けとアドベンチャー向けの2軸で製品を展開している。レース向けの主力となるのがASTR(アスター)シリーズだ。上位グレードのRSと通常グレードどちらもオールラウンドに活躍する性能とスペックを備えており、国内では通常グレードが人気なのだという。

そんなASTRの2027年モデルは基本継続となるが、通常グレードには新色のホワイトが追加されている。フォークやシートチューブにアクセントが加えられた白色のフレームは爽やかな雰囲気が演出されており、シックな見た目になりがちなグラベルバイクに華やかさを加えている。

リドレーのオールラウンドグラベルレーサー、ASTR

グラベルシリーズにはKanzo Adventure Aというアルミモデルが登場した

アドベンチャー向けのKanzo Adventureにはアルミモデルが加わる。盛り上がるグラベルに初挑戦したいという方にぴったりな一台。シマノ製コンポーネントやコンチネンタルのタイヤなどミズタニ自転車が取り扱う製品が組み込まれた完成車に仕立てられており、トラブルにも対処しやすいという。

UCI登録のバイクが求められるようになったシクロクロスカテゴリーには、セカンドグレードのX-NIGHTが追加される。リドレーがサポートする名門チーム「パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ」が使用するX-NIGHT RSをベースに、カーボン素材のグレードを見直し、専用シートピラーから汎用の27.2mm径へと変更したモデルだ。

価格がフレームセットで297,000円(税込)に設定されており、2台体制でレースに臨みたい方にぴったりだ。もちろんシクロクロスビギナーにもフィットする一台となっている。

リドレーのX-NIGHTシリーズにはミドルグレードが追加される(写真はX-NIGHT RS)

2027年のリドレーは、小柄なライダーやシクロクロス、トライアスロンといったカテゴリーを充実させるバイクが増加。主力のFALCNを軸に様々なサイクリストが選びやすいラインアップとなっている。また、ツール・ド・フランスで確認された新型の存在もまだ明らかになっていないため、リドレーからのアナウンスはこれからも注目してもらいたい。


report : Gakuto Fujiwara
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