全日本大学対抗選手権自転車競技大会(通称インカレ)の男子ロードレースが、9月6日(日)に群馬サイクルスポーツセンターで行われた。最終周回残り2km、渡辺一気(京都産業大学)が単独先行していた新宮颯太(日本大学)抜き去ってトップでフィニッシュし、インカレロード初優勝を決めた。

午前9時にスタートしたインカレロード男子 photo:Satoru Kato
今年のインカレは、トラック競技が8月28日から30日まで千葉県千葉市の千葉JPFドームで、ロードレースは9月5日から6日まで群馬サイクルスポーツセンターで開催された。ここでは6日に行われた男子ロードレースの模様をレポートする。
インカレ男子ロードレースは、群馬サイクルスポーツセンターの6kmサーキットを25周する150kmのレースに140名が出走した。この日は午後から雨の予報が出ていたが、午前9時のスタート直後から断続的に雨が降り続ける1日。大雨にはならず木の下など路面が乾いたままの場所もあったものの、気温が低く寒さを感じる中で大学日本一決定戦が行われた。

スタート直後に形成された8名の先頭集団 photo:Satoru Kato

レース序盤、単独追走する小林海斗(日本体育大学) photo:Satoru Kato 
メイン集団を住田悠人(法政大学)が牽引してペースアップを図る photo:Satoru Kato
スタート直後、早くも8名の先頭集団が形成される。メンバーは、大室佑、髙橋駿斗(以上中央大学)、新宮颯太、沢田虹太郎(以上日本大学)、 河村元、杉野翔一(以上鹿屋体育大学)、鈴木澪(明治大学)、行田弦士(明星大学)。後続のメイン集団との差はレース序盤にして4分以上まで開いた。小林海斗(日本体育大学)が追走に出るも同調する動きはなく、住田悠人(法政大学)が集団先頭でペースアップを図る場面もあったが、いずれも先行する8名をおびやかすまでには至らないままレース中盤に差し掛かった。

心臓破りの登り手前でレースが止められた photo:Satoru Kato

中断直前の状況を確認する審判 photo:Satoru Kato 
鹿屋体育大学は中断の間毛布にくるまって保温 photo:Satoru Kato

再スタートする先頭集団の8名 photo:Satoru Kato
14周目、残り500m付近で落車が発生。複数名が絡んでコースを塞いだため、レースが中断される。およそ30分後、残り10周からレースが再開されることになり、中断直前の約3分差をつけて先頭集団とメイン集団がバックストレート残り1km地点付近から再スタート。その直後から先頭集団とメイン集団との差は一気に縮まり始める。

京都産業大学がメイン集団を牽引してペースアップ photo:Satoru Kato

残り7周、新宮颯太(日本大学)と大室佑(中央大学)が飛び出す photo:Satoru Kato

残り5周から単独先行した新宮颯太(日本大学) photo:Satoru Kato
残り7周、差が1分30秒差になると、先頭集団から大室と新宮が飛び出して先行。残り6周に入ると新宮が大室を切り離して単独先行を始める。遅れた先頭集団のメンバーは追走集団を形成。その後メイン集団から渡辺一気(京都産業大学)らが合流して7名となり、先行する新宮を追う。

渡辺一気(京都産業大学)が追走集団を牽引して最終周回へ photo:Satoru Kato

メイン集団もペースを上げて追走 photo:Satoru Kato
先行を続ける新宮は追走集団と20秒前後の差を維持して最終周回へ。残り半周「コーナーの先に姿が見えたので、自分から行かなければ追いつかないと思い、追いかけた」と言う渡辺が新宮との差を一気に縮める。「ギリギリだったので追う力が無かった」という新宮は心臓破りの登りで見送るしかなく、渡辺が残り2kmを独走のままフィニッシュ。2021年の谷内健太以来5年ぶりに京都産業大学に男子ロード優勝をもたらした。

渡辺一気(京都産業大学)が単独で姿を現す photo:Satoru Kato

渡辺一気(京都産業大学)が優勝 photo:Satoru Kato
渡辺一気「初めて自分のために走ったインカレで勝てて嬉しい」
「最後の心臓破りで追いついた時、今日は行けると感じました。でも後ろの集団の状況がどうなっているのか分からなかったので、最後まで勝てるか確信は出来なかったです。

京都産業大学のメンバーが渡辺一気を囲む photo:Satoru Kato
今回はスタート前までに京都産業大学としてどうするかを決めかねていて、みんな練習を頑張ってきて狙いたいという想いはあったけれど、序盤の逃げに誰も乗れない展開になってしまいました。レースが中断した際、メンバー全員が集まって改めて話し合い、みんなに腹を括ってもらって追いかけて自分が温存して勝負をかけることを決めました。みんなが必死に追いかけてタイム差を縮めてくれたおかげで前に追いつき、その後もうまくハマって勝てて良かったと思います。
インカレは1年の時は海外遠征で出られず、昨年はアシストとして走って、今回初めて自分のために走れたレースでした。そこで勝てたことは嬉しいです。
次はおおいたアーバンクラシックとツール・ド・九州に出る予定なので、そこでもしっかり走りたいです。」

表彰式 左から2位新宮颯太(日本大学)優勝渡辺一気(京都産業大学)3位屋口修冶(法政大学) photo:Satoru Kato 
高木秀彰賞は京都産業大学 photo:Satoru Kato
新宮颯太「作戦は完璧だったが、最後にやられてしまった」

あと一歩届かなかった新宮颯太(日本大学)が2位でフィニッシュ photo:Satoru Kato
「レース再開後、逃げ集団のメンバーがみんなしんどそうになっていたので自分で行くしかないと思って飛び出しました。大室君がついて来ましたが、このまま最後まで行ったら厄介だなと思ったので1人で行こうと決めて行きました。最終周回は死に物狂いでワンチャン行けるかと思っていましたが、最後の心臓破りの登りで渡辺君に一気にいかれてしまいました。後ろについて行きたかったけれどもうギリギリだったので脚の差が歴然でした。自分的には作戦は完璧でしたが、最後にやられてしまいました。
トマ・ルバさん(所属しているキナンレーシングチームのコーチ)が見に来てくれていたので最後のインカレで良い結果を出したかったのですが、ここまでの結果をこれまで出せていなかったので、2位になれて少しは良かったかなと思います。
今後も選手を続けていくので、より良い結果を出せるようになりたいと思います」

女子 池田瑞紀(早稲田大学)が2年ぶり優勝 photo:Midori SHIMIZU

女子表彰式 左から松井妃那(鹿屋体育大学)優勝池田瑞紀(早稲田大学)3位垣田真穂(早稲田大学) photo:Midori SHIMIZU 
女子 高木秀彰賞 早稲田大学 photo:Midori SHIMIZU
前日に行われた女子ロードレースは、池田瑞紀(早稲田大学)が2年ぶりに優勝。垣田真穂の3位とあわせ、早稲田大学が女子ロードレース総合優勝を決めた。

大学対抗総合表彰 左から2位法政大学、優勝日本大学、3位中央大学 photo:Satoru Kato 
女子総合表彰 左から2位鹿屋体育大学、優勝早稲田大学、3位日本体育大学 photo:Midori SHIMIZU
トラック競技を含めた大学対抗総合成績は、男子は日本大学が6連覇、女子は早稲田大学が3連覇を達成した。男子は法政大学が昨年5位から2位に浮上する躍進を見せたが、それでも日本大学の牙城を崩すまでには至らなかった。女子はナショナルチームメンバーを揃えた早稲田大学が、2位の日本体育大学に大差をつけた。早稲田大学の原動力となった池田瑞紀と垣田真穂は今年が最後のインカレになり、来年の女子がどのようになるか注目される。

インカレ総合6連覇を達成した日本大学 photo:Satoru Kato

今年のインカレは、トラック競技が8月28日から30日まで千葉県千葉市の千葉JPFドームで、ロードレースは9月5日から6日まで群馬サイクルスポーツセンターで開催された。ここでは6日に行われた男子ロードレースの模様をレポートする。
インカレ男子ロードレースは、群馬サイクルスポーツセンターの6kmサーキットを25周する150kmのレースに140名が出走した。この日は午後から雨の予報が出ていたが、午前9時のスタート直後から断続的に雨が降り続ける1日。大雨にはならず木の下など路面が乾いたままの場所もあったものの、気温が低く寒さを感じる中で大学日本一決定戦が行われた。



スタート直後、早くも8名の先頭集団が形成される。メンバーは、大室佑、髙橋駿斗(以上中央大学)、新宮颯太、沢田虹太郎(以上日本大学)、 河村元、杉野翔一(以上鹿屋体育大学)、鈴木澪(明治大学)、行田弦士(明星大学)。後続のメイン集団との差はレース序盤にして4分以上まで開いた。小林海斗(日本体育大学)が追走に出るも同調する動きはなく、住田悠人(法政大学)が集団先頭でペースアップを図る場面もあったが、いずれも先行する8名をおびやかすまでには至らないままレース中盤に差し掛かった。




14周目、残り500m付近で落車が発生。複数名が絡んでコースを塞いだため、レースが中断される。およそ30分後、残り10周からレースが再開されることになり、中断直前の約3分差をつけて先頭集団とメイン集団がバックストレート残り1km地点付近から再スタート。その直後から先頭集団とメイン集団との差は一気に縮まり始める。



残り7周、差が1分30秒差になると、先頭集団から大室と新宮が飛び出して先行。残り6周に入ると新宮が大室を切り離して単独先行を始める。遅れた先頭集団のメンバーは追走集団を形成。その後メイン集団から渡辺一気(京都産業大学)らが合流して7名となり、先行する新宮を追う。


先行を続ける新宮は追走集団と20秒前後の差を維持して最終周回へ。残り半周「コーナーの先に姿が見えたので、自分から行かなければ追いつかないと思い、追いかけた」と言う渡辺が新宮との差を一気に縮める。「ギリギリだったので追う力が無かった」という新宮は心臓破りの登りで見送るしかなく、渡辺が残り2kmを独走のままフィニッシュ。2021年の谷内健太以来5年ぶりに京都産業大学に男子ロード優勝をもたらした。


渡辺一気「初めて自分のために走ったインカレで勝てて嬉しい」
「最後の心臓破りで追いついた時、今日は行けると感じました。でも後ろの集団の状況がどうなっているのか分からなかったので、最後まで勝てるか確信は出来なかったです。

今回はスタート前までに京都産業大学としてどうするかを決めかねていて、みんな練習を頑張ってきて狙いたいという想いはあったけれど、序盤の逃げに誰も乗れない展開になってしまいました。レースが中断した際、メンバー全員が集まって改めて話し合い、みんなに腹を括ってもらって追いかけて自分が温存して勝負をかけることを決めました。みんなが必死に追いかけてタイム差を縮めてくれたおかげで前に追いつき、その後もうまくハマって勝てて良かったと思います。
インカレは1年の時は海外遠征で出られず、昨年はアシストとして走って、今回初めて自分のために走れたレースでした。そこで勝てたことは嬉しいです。
次はおおいたアーバンクラシックとツール・ド・九州に出る予定なので、そこでもしっかり走りたいです。」


新宮颯太「作戦は完璧だったが、最後にやられてしまった」

「レース再開後、逃げ集団のメンバーがみんなしんどそうになっていたので自分で行くしかないと思って飛び出しました。大室君がついて来ましたが、このまま最後まで行ったら厄介だなと思ったので1人で行こうと決めて行きました。最終周回は死に物狂いでワンチャン行けるかと思っていましたが、最後の心臓破りの登りで渡辺君に一気にいかれてしまいました。後ろについて行きたかったけれどもうギリギリだったので脚の差が歴然でした。自分的には作戦は完璧でしたが、最後にやられてしまいました。
トマ・ルバさん(所属しているキナンレーシングチームのコーチ)が見に来てくれていたので最後のインカレで良い結果を出したかったのですが、ここまでの結果をこれまで出せていなかったので、2位になれて少しは良かったかなと思います。
今後も選手を続けていくので、より良い結果を出せるようになりたいと思います」
女子ロードレース 池田瑞紀が2年ぶり優勝



前日に行われた女子ロードレースは、池田瑞紀(早稲田大学)が2年ぶりに優勝。垣田真穂の3位とあわせ、早稲田大学が女子ロードレース総合優勝を決めた。
男子総合優勝は日本大学、女子は早稲田大学


トラック競技を含めた大学対抗総合成績は、男子は日本大学が6連覇、女子は早稲田大学が3連覇を達成した。男子は法政大学が昨年5位から2位に浮上する躍進を見せたが、それでも日本大学の牙城を崩すまでには至らなかった。女子はナショナルチームメンバーを揃えた早稲田大学が、2位の日本体育大学に大差をつけた。早稲田大学の原動力となった池田瑞紀と垣田真穂は今年が最後のインカレになり、来年の女子がどのようになるか注目される。

インカレ・ロードレース 結果
| 男子(143.5km) | ||
| 1位 | 渡辺 一気(京都産業大学) | 3時間44分55秒 |
| 2位 | 新宮 颯太(日本大学) | +7秒 |
| 3位 | 屋口 修冶(法政大学) | +10秒 |
| 4位 | 杉野 翔一(鹿屋体育大学) | +18秒 |
| 5位 | 川野 鷹(明星大学) | +21秒 |
| 6位 | 髙橋 駿斗(中央大学) | +22 |
| 7位 | 秋元 碧(明治大学) | +29秒 |
| 8位 | 中谷 友紀(日本大学) | +33秒 |
| 9位 | 野嵜 然新(明治大学) | |
| 10位 | 井上 拓海(京都産業大学) | +34秒 |
| 女子(72km) | ||
| 1位 | 池田瑞紀(早稲田大学) | 2時間9分30秒 |
| 2位 | 松井妃那(鹿屋体育大学) | +8秒 |
| 3位 | 垣田真穂(早稲田大学) | +33秒 |
インカレ・ロードレース総合成績
| 男子 | 女子 | |||
| 1位 | 京都産業大学 | 18p | 早稲田大学 | 16p |
| 2位 | 日本大学 | 18p | 鹿屋体育大学 | 12p |
| 3位 | 法政大学 | 12p | 日本体育大学 | 6p |
大学対抗総合成績
| 男子 | 女子 | |||
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 日本大学 | 114p | 早稲田大学 | 64p |
| 2位 | 法政大学 | 71p | 日本体育大学 | 45p |
| 3位 | 中央大学 | 56p | 鹿屋体育大学 | 32p |
フォトギャラリー
Amazon.co.jp