40度を超える暑さのためコースが短縮されたブエルタ・ア・エスパーニャ第15ステージ。コルドバにフィニッシュした2年前と同様、小集団スプリントをワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が制し、今大会2勝目を手に入れた。
第15ステージ 9月6日(日)
パルマ・デル・リオ〜コルドバ 110.2km(中級山岳)

ブイトラゴをはじめ、スタート前から身体を冷やす選手たち photo:CorVos 
チームプレゼンを待つ間、釣りに興じる選手たち photo:CorVos

パルマ・デル・リオをスタートした150名の集団 photo:A.S.O.

短縮された第15ステージのコースプロフィール image:A.S.O. 第81回ブエルタ・ア・エスパーニャの2週目を締めくくる第15ステージは、本来バランスよく配置された3つの3級山岳に加え、細かなアップダウンが繰り返される189.7kmの中級山岳ステージのはずだった。しかし気温が43度まで上昇する予報を受け、前日にレース主催者は各チームや選手たちなどとの協議の結果、110.2kmの短縮コースで行われることを決めた。
スタート地点は大会初登場のパルマ・デル・リオのままで、序盤と中盤にそれぞれ3級山岳が1つずつ配置されたレイアウト。ラストの3級山岳プエルト・アルタフィ(距離5.9km/平均5.5%)はそのままのため、コース短縮前と同じく、集団スプリントよりも小集団での逃げ切りが有力視された。
逃げから勝者が生まれたこの3日間と同じく、この日もスタート直後から猛烈なペースでレースは進み、エンゾ・パレニ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)がアタック。これにイーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)ら10名が合流し、11名の逃げ集団が形成される。メイン集団はそこに選手を送り込まなかったヴィスマ・リースアバイクとコフィディスの連合軍が、1分以上のリードを許さないハイペースで牽引した。

ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)が加わり、12名となった逃げ集団 photo:A.S.O.

プロトンはヴィスマ・リースアバイクとコフィディスがペースを作った photo:A.S.O.
コフィディスの狙いはブライアン・コカール(フランス)での集団スプリントだが、ヴィスマ・リースアバイクはマシュー・ブレナン(イギリス)のスプリントと、乱打戦にも対応できるワウト・ファンアールト(ベルギー)の両睨み。プロトンから単独で飛び出したゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)が加わり、12名になった逃げ集団は最大でも1分17秒しかリードを得られない。プロトンでは、頂上が残り36.6km地点にある最終3級山岳プエルト・アルタフィ(距離5.9km/平均5.6%)に入ると、UAEチームエミレーツXRGなどが攻撃を仕掛けた。
しかしブリュノ・アルミライユ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)がこれらのアタックを高速牽引で封じ込める一方、逃げ集団は崩壊し、アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が単独でレース先頭に立つ。第7ステージでも逃げ切り勝利を収めているレックネスンは、単独先頭のまま頂上を通過し、下りでは、3名しか残っていないアルペシン・プレミアテック勢からラムセス・デブライネ(ベルギー)が合流。中間スプリントはデブライネが先頭通過し、その後ろではマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)争いで3位につけるアレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ)が3番手通過を果たした。

5名によるスプリントに備え、水を被り気合を入れるアレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ) photo:A.S.O.
マイヨプントスを着るファンアールトはきっちりと4番手通過で13ポイントを加算する。ファンアールトとロメレはその勢いのままレックネスンら2名に合流し、さらにティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)も持ち前の嗅覚を発揮して合流。そのため残り30km地点で、強力な5名による先頭集団が形成された。
残り30km地点で形成された5名グループ
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)
ラムセス・デブライネ(ベルギー、アルペシン・プレミアテック)
アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ)
この動きに乗るべく、プロトンからは追走集団が形成された。しかし勢いのある若手3名に、TTを得意とするファンアールトとレックネスンを加えた先頭集団のペースは速く、その差を縮めることはできない。また、この日最後の難所となる最終山岳を越えた総合勢もペースを落としたため、この日の勝者は先頭の5名から生まれることとなった。
先頭集団はフィニッシュラインの引かれたコルドバの街に到着し、レックネスンを先頭に残り300mからの最終ストレートへ突入する。真っ先に腰を上げ、スプリントを開始したのは膝の怪我によってシーズン前半を棒に振ったネイス。その背後にはピッタリとファンアールトがつき、ロメレが続く。ネイスは粘り強くビッグギヤを踏み続けたものの、残り100mでファンアールトが横に並び、そのまま抜き去った。

ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)を抜き、先頭に立ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

今大会2勝目を手に入れたワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.
フィニッシュに先着し、両手を下から突き上げて全身で喜びを爆発させたファンアールト。「もうコルドバには戻ってこない方がいいのかもしれないね。ここで無敗のままではいられなくなるから(笑)。でも休暇では来るかもしれない」と語ったのは、2024年大会でも小集団スプリントから勝利を掴んでいたから。
「今日は集団の意表を突こうとした。1日を通して僕らがレースをコントロールしたが、僕らがアタックを選ぶとは誰も予想していないだろうと思った。中間スプリントで『今だ』と感じ、それに後ろにはマシュー(ブレナン)がいたから、仕掛けてもまったくリスクはなかった。こういうのが僕の好きなレースの仕方なんだ」とマイヨプントスのリードをさらに拡大したファンアールトは、今大会自身2勝目、そしてチーム5勝目となった1日を振り返った。
プロトンはモビスターを先頭に2分44秒遅れでフィニッシュ。そのためエンリク・マス(スペイン、モビスター)はマイヨロホを保持したまま、勝負の3週目に臨むこととなった。

マイヨプントスのリード拡大にも成功したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

マイヨロホを保持したまま2週目を終えたエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:A.S.O.
第15ステージ 9月6日(日)
パルマ・デル・リオ〜コルドバ 110.2km(中級山岳)




スタート地点は大会初登場のパルマ・デル・リオのままで、序盤と中盤にそれぞれ3級山岳が1つずつ配置されたレイアウト。ラストの3級山岳プエルト・アルタフィ(距離5.9km/平均5.5%)はそのままのため、コース短縮前と同じく、集団スプリントよりも小集団での逃げ切りが有力視された。
逃げから勝者が生まれたこの3日間と同じく、この日もスタート直後から猛烈なペースでレースは進み、エンゾ・パレニ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)がアタック。これにイーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)ら10名が合流し、11名の逃げ集団が形成される。メイン集団はそこに選手を送り込まなかったヴィスマ・リースアバイクとコフィディスの連合軍が、1分以上のリードを許さないハイペースで牽引した。


コフィディスの狙いはブライアン・コカール(フランス)での集団スプリントだが、ヴィスマ・リースアバイクはマシュー・ブレナン(イギリス)のスプリントと、乱打戦にも対応できるワウト・ファンアールト(ベルギー)の両睨み。プロトンから単独で飛び出したゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)が加わり、12名になった逃げ集団は最大でも1分17秒しかリードを得られない。プロトンでは、頂上が残り36.6km地点にある最終3級山岳プエルト・アルタフィ(距離5.9km/平均5.6%)に入ると、UAEチームエミレーツXRGなどが攻撃を仕掛けた。
しかしブリュノ・アルミライユ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)がこれらのアタックを高速牽引で封じ込める一方、逃げ集団は崩壊し、アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が単独でレース先頭に立つ。第7ステージでも逃げ切り勝利を収めているレックネスンは、単独先頭のまま頂上を通過し、下りでは、3名しか残っていないアルペシン・プレミアテック勢からラムセス・デブライネ(ベルギー)が合流。中間スプリントはデブライネが先頭通過し、その後ろではマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)争いで3位につけるアレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ)が3番手通過を果たした。

マイヨプントスを着るファンアールトはきっちりと4番手通過で13ポイントを加算する。ファンアールトとロメレはその勢いのままレックネスンら2名に合流し、さらにティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)も持ち前の嗅覚を発揮して合流。そのため残り30km地点で、強力な5名による先頭集団が形成された。
残り30km地点で形成された5名グループ
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)
ラムセス・デブライネ(ベルギー、アルペシン・プレミアテック)
アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ)
この動きに乗るべく、プロトンからは追走集団が形成された。しかし勢いのある若手3名に、TTを得意とするファンアールトとレックネスンを加えた先頭集団のペースは速く、その差を縮めることはできない。また、この日最後の難所となる最終山岳を越えた総合勢もペースを落としたため、この日の勝者は先頭の5名から生まれることとなった。
先頭集団はフィニッシュラインの引かれたコルドバの街に到着し、レックネスンを先頭に残り300mからの最終ストレートへ突入する。真っ先に腰を上げ、スプリントを開始したのは膝の怪我によってシーズン前半を棒に振ったネイス。その背後にはピッタリとファンアールトがつき、ロメレが続く。ネイスは粘り強くビッグギヤを踏み続けたものの、残り100mでファンアールトが横に並び、そのまま抜き去った。


フィニッシュに先着し、両手を下から突き上げて全身で喜びを爆発させたファンアールト。「もうコルドバには戻ってこない方がいいのかもしれないね。ここで無敗のままではいられなくなるから(笑)。でも休暇では来るかもしれない」と語ったのは、2024年大会でも小集団スプリントから勝利を掴んでいたから。
「今日は集団の意表を突こうとした。1日を通して僕らがレースをコントロールしたが、僕らがアタックを選ぶとは誰も予想していないだろうと思った。中間スプリントで『今だ』と感じ、それに後ろにはマシュー(ブレナン)がいたから、仕掛けてもまったくリスクはなかった。こういうのが僕の好きなレースの仕方なんだ」とマイヨプントスのリードをさらに拡大したファンアールトは、今大会自身2勝目、そしてチーム5勝目となった1日を振り返った。
プロトンはモビスターを先頭に2分44秒遅れでフィニッシュ。そのためエンリク・マス(スペイン、モビスター)はマイヨロホを保持したまま、勝負の3週目に臨むこととなった。


ブエルタ・ア・エスパーニャ2026第15ステージ結果
| 1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 2:35:00 |
| 2位 | アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ) | |
| 3位 | ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック) | |
| 4位 | ラムセス・デブライネ(ベルギー、アルペシン・プレミアテック) | +0:02 |
| 5位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
| 6位 | アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、ジェイコ・アルウラー) | +0:58 |
| 7位 | バスティアン・トロンション(フランス、グルパマFDJユナイテッド) | |
| 8位 | ヘノック・ムルブラン(エリトリア、XDSアスタナ) | |
| 9位 | シュテファン・キュング(スイス、チューダープロサイクリング) | |
| 10位 | イヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) |
マイヨロホ(個人総合成績)
| 1位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 52:05:56 |
| 2位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +2:06 |
| 3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +2:10 |
| 4位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +4:24 |
| 5位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | +5:44 |
| 6位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +6:14 |
| 7位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +6:49 |
| 8位 | クリスティアン・ロドリゲス(スペイン、XDSアスタナ) | +7:01 |
| 9位 | クレマン・ベルテ(フランス、グルパマFDJユナイテッド) | +7:19 |
| 10位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +8:55 |
マイヨプントス(ポイント賞)
| 1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 267pts |
| 2位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 159pts |
| 3位 | アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ) | 153pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
| 1位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 69pts |
| 2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 40pts |
| 3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 24pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
| 1位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | 52:11:40 |
| 2位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:30 |
| 3位 | レオ・ビジオー(フランス、デカトロンCMA CGM) | +10:41 |
チーム総合成績
| 1位 | デカトロンCMA CGM | 156:38:17 |
| 2位 | XDSアスタナ | +57:32 |
| 3位 | バーレーン・ヴィクトリアス | +1:11:15 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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