1級山岳フィニッシュとなったブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージは、逃げに乗ったマルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング)がブイトラゴとの一騎打ちを制す。マイヨロホはマスがキープし、ガルがログリッチを抜いて総合2位に順位を上げた。
第14ステージ 9月5日(土)
ハエン〜シエラ・デ・ラ・パンデラ 154.5km(山岳)

声援に応えるログリッチ photo:CorVos 
前日勝者のファンアールト photo:CorVos

マイヨロホを着て第14ステージに臨むエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:A.S.O.

第14ステージ ハエン〜シエラ・デ・ラ・パンデラ image:A.S.O. 第81回ブエルタ・ア・エスパーニャの第2週最後の本格的な総合争いの場。14日目の舞台は、スタートからフィニッシュまで平坦区間がほとんど見当たらない、獲得標高4,338mの山岳ステージだ。そして最後に駆け上がるのは標高1,820mの1級山岳シエラ・デ・ラ・パンデラ(距離11.9km/平均7.2%)。急勾配区間は残り4.5km地点から始まり、その後2kmにわたって10%を超える勾配が続く。最終1kmは一度下った後、最後の数百mで再び登りに転じるトリッキーな終盤だ。
2日連続で逃げ切り勝利が決まっているため、この日も多くの選手たちがチャンスを掴むべく動いた。序盤からアタックと吸収が繰り返された末、まず12名が飛び出し、32名が合流。その結果、44名という前日同様の大きな逃げ集団が形成された。
リーダーチームであるモビスターも2名を送り込んだ逃げには、前日勝者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)は入らず。そのためマイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)を着るサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)は、ライバル不在の逃げ集団で最初の2級山岳を先頭通過。この時点で逃げに対し4分のリードを許したメイン集団は、モビスターが牽引した。

44名の逃げ集団に入ったサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:A.S.O.

プロトンを先導するモビスター photo:A.S.O.

単独で先頭に立ったケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
その下りでは、UAEチームエミレーツXRGから、この日が30歳の誕生日であるイヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル)ではなく、チームメイトのケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ)がアタック。UAEは8日目にタデイ・ポガチャル(スロベニア)がリタイアして以降、前日のパヴェル・シヴァコフ(フランス)の棄権を含めて4名がレースを去ったため、残された4名は逃げ切りによるステージ優勝へと目標を切り替え、連日逃げに乗っている。
ヴェルマークは単独のまま最後から2番目の2級山岳に入り、その後の最大勾配18%の区間、フィニッシュまで残り14km地点でゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)が追いつく。そのまま入れ替わるように単独先頭に立ったシュタインハウザーには、1級山岳シエラ・デ・ラ・パンデラ(距離11.9km/平均7.2%)でギヨーム・マルタンギヨネ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)が合流。この時点でプロトンとは7分19秒差があり、ステージ優勝争いは先頭集団に委ねられた。

ヴェルマークを抜き、ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)とギヨーム・マルタンギヨネ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)が先頭に立つ photo:A.S.O.

この日のステージ優勝はサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)とマルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング)の2名に絞られた photo:A.S.O.
さらに先頭集団にはマリオ・アパリシオ(スペイン、ブルゴス・ブルペレットBH)やフィリッポ・ザナ(イタリア、スーダル・クイックステップ)、マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング)らが追いついた。しかし、このまま人数が増えることを嫌ったアパリシオが、残り5.4km地点からアタック。身体を上下に揺らしながらダイナミックなペダリングで勝利を目指したアパリシオだったが、後続からブイトラゴとブレンナーの2名がキャッチ。アパリシオが遅れていく一方、ブイトラゴがブレンナーを引き離して一時単独先頭に立つ。しかし一定のペースで踏み続けたブレンナーが追いつき、さらにクリスティアン・ロドリゲス(スペイン、XDSアスタナ)とイバン・ソーサ(コロンビア、エキポ・ケルンファルマ)も合流した。
残り1kmを表すゲートの直前からはブイトラゴが再び仕掛け、これにはブレンナーしか反応することができない。そして短い下りを挟み、勝負はこの2名による一騎打ちに持ち込まれる。残り200mでブレンナーが仕掛け、ブイトラゴが追いかける。リアクションの遅れたブイトラゴはその差を最後まで縮めることができず、フィニッシュ前に2度、後ろを振り返ってリードを確認したブレンナーが勝利した。

ブイトラゴを退け、勝利したマルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング) photo:CorVos

グランツールで初の区間優勝を飾ったマルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング) photo:CorVos
「自転車選手として最高の日だ」と語ったブレンナーは、24歳ながらプロ6年目の元ドイツ王者。「ここまでは正直あまり調子が良くなく、自分らしい感覚で走れていなかった。またレース序盤には体調を崩し、落車もあった。それでも自分自身や、ずっと僕のために懸命に走ってくれたチームメイトたちに対して『自分はこのレベルで戦える』ということを示したかった。こういう日のために(選手は)走っているんだと思う」と、グランツールで初の区間優勝を喜んだ。
プロトンでは総合4位からの順位浮上を狙うリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)のアタックから総合バトルが開幕。先行するカラパスにフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)とエンリク・マス(スペイン、モビスター)、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の3名が追いつき、今度は総合3位のガルがアタック。この動きはマス以外を振り落とし、ガルが4分12秒遅れの21位、マスがタイム差なしの22位でフィニッシュ。ログリッチは25秒遅れ、カラパスは31秒遅れでレースを終えた。
この結果、ガルがログリッチを抜いて総合2位に浮上した。

総合タイムを稼ぎ、総合2位に上がったフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)とマイヨロホを守った エンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:CorVos
なお、レース主催者は翌日の第15ステージについて、高い気温が予想されることを理由に、当初予定されていた189.7kmから110.2kmへのコース短縮を発表している。
第14ステージ 9月5日(土)
ハエン〜シエラ・デ・ラ・パンデラ 154.5km(山岳)




2日連続で逃げ切り勝利が決まっているため、この日も多くの選手たちがチャンスを掴むべく動いた。序盤からアタックと吸収が繰り返された末、まず12名が飛び出し、32名が合流。その結果、44名という前日同様の大きな逃げ集団が形成された。
リーダーチームであるモビスターも2名を送り込んだ逃げには、前日勝者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)は入らず。そのためマイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)を着るサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)は、ライバル不在の逃げ集団で最初の2級山岳を先頭通過。この時点で逃げに対し4分のリードを許したメイン集団は、モビスターが牽引した。



その下りでは、UAEチームエミレーツXRGから、この日が30歳の誕生日であるイヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル)ではなく、チームメイトのケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ)がアタック。UAEは8日目にタデイ・ポガチャル(スロベニア)がリタイアして以降、前日のパヴェル・シヴァコフ(フランス)の棄権を含めて4名がレースを去ったため、残された4名は逃げ切りによるステージ優勝へと目標を切り替え、連日逃げに乗っている。
ヴェルマークは単独のまま最後から2番目の2級山岳に入り、その後の最大勾配18%の区間、フィニッシュまで残り14km地点でゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)が追いつく。そのまま入れ替わるように単独先頭に立ったシュタインハウザーには、1級山岳シエラ・デ・ラ・パンデラ(距離11.9km/平均7.2%)でギヨーム・マルタンギヨネ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)が合流。この時点でプロトンとは7分19秒差があり、ステージ優勝争いは先頭集団に委ねられた。


さらに先頭集団にはマリオ・アパリシオ(スペイン、ブルゴス・ブルペレットBH)やフィリッポ・ザナ(イタリア、スーダル・クイックステップ)、マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング)らが追いついた。しかし、このまま人数が増えることを嫌ったアパリシオが、残り5.4km地点からアタック。身体を上下に揺らしながらダイナミックなペダリングで勝利を目指したアパリシオだったが、後続からブイトラゴとブレンナーの2名がキャッチ。アパリシオが遅れていく一方、ブイトラゴがブレンナーを引き離して一時単独先頭に立つ。しかし一定のペースで踏み続けたブレンナーが追いつき、さらにクリスティアン・ロドリゲス(スペイン、XDSアスタナ)とイバン・ソーサ(コロンビア、エキポ・ケルンファルマ)も合流した。
残り1kmを表すゲートの直前からはブイトラゴが再び仕掛け、これにはブレンナーしか反応することができない。そして短い下りを挟み、勝負はこの2名による一騎打ちに持ち込まれる。残り200mでブレンナーが仕掛け、ブイトラゴが追いかける。リアクションの遅れたブイトラゴはその差を最後まで縮めることができず、フィニッシュ前に2度、後ろを振り返ってリードを確認したブレンナーが勝利した。


「自転車選手として最高の日だ」と語ったブレンナーは、24歳ながらプロ6年目の元ドイツ王者。「ここまでは正直あまり調子が良くなく、自分らしい感覚で走れていなかった。またレース序盤には体調を崩し、落車もあった。それでも自分自身や、ずっと僕のために懸命に走ってくれたチームメイトたちに対して『自分はこのレベルで戦える』ということを示したかった。こういう日のために(選手は)走っているんだと思う」と、グランツールで初の区間優勝を喜んだ。
プロトンでは総合4位からの順位浮上を狙うリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)のアタックから総合バトルが開幕。先行するカラパスにフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)とエンリク・マス(スペイン、モビスター)、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の3名が追いつき、今度は総合3位のガルがアタック。この動きはマス以外を振り落とし、ガルが4分12秒遅れの21位、マスがタイム差なしの22位でフィニッシュ。ログリッチは25秒遅れ、カラパスは31秒遅れでレースを終えた。
この結果、ガルがログリッチを抜いて総合2位に浮上した。

なお、レース主催者は翌日の第15ステージについて、高い気温が予想されることを理由に、当初予定されていた189.7kmから110.2kmへのコース短縮を発表している。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2026第14ステージ結果
| 1位 | マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング) | 4:15:09 |
| 2位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:01 |
| 3位 | クリスティアン・ロドリゲス(スペイン、XDSアスタナ) | +0:11 |
| 4位 | イバン・ソーサ(コロンビア、エキポ・ケルンファルマ) | +0:14 |
| 5位 | ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) | +0:22 |
| 6位 | クレマン・ベルテ(フランス、グルパマFDJユナイテッド) | +0:27 |
| 7位 | ヨルゲン・ノードハーゲン(ノルウェー、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:39 |
| 8位 | フィリッポ・ザナ(イタリア、スーダル・クイックステップ) | +0:43 |
| 9位 | ワルテル・カルツォーニ(イタリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング) | +1:06 |
| 10位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +1:09 |
マイヨロホ(個人総合成績)
| 1位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 49:28:12 |
| 2位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +2:06 |
| 3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +2:10 |
| 4位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +4:24 |
| 5位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | +5:44 |
| 6位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +6:14 |
| 7位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +6:49 |
| 8位 | クリスティアン・ロドリゲス(スペイン、XDSアスタナ) | +7:01 |
| 9位 | クレマン・ベルテ(フランス、グルパマFDJユナイテッド) | +7:19 |
| 10位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +8:55 |
マイヨプントス(ポイント賞)
| 1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 224pts |
| 2位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 159pts |
| 3位 | アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ) | 113pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
| 1位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 69pts |
| 2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 40pts |
| 3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 24pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
| 1位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | 49:33:56 |
| 2位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:30 |
| 3位 | レオ・ビジオー(フランス、デカトロンCMA CGM) | +10:41 |
チーム総合成績
| 1位 | デカトロンCMA CGM | 148:45:05 |
| 2位 | XDSアスタナ | +1:02:02 |
| 3位 | バーレーン・ヴィクトリアス | +1:07:36 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
Amazon.co.jp