43名の大逃げが決まったブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージは、残り3.5kmから飛び出したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が勝利。アシストに尽力したブレナンも3位に入り、ヴィスマ・リースアバイクがワンスリーフィニッシュでチーム4勝目を飾った。
第13ステージ 9月4日(金)
アルムニェカル〜ロハ 192.8km(中級山岳)

この日27歳の誕生日を迎え、チームメイトに祝われるマルク・ブルステンガ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ) photo:CorVos

第13ステージ アルムニェカル〜ロハ*2つ目の3級山岳はカテゴリーがなくなっている image:A.S.O. スロベニアから20歳の新星ヤコブ・オムルゼル(バーレーン・ヴィクトリアス)が現れた山頂フィニッシュの翌日も、まさに逃げ向きのレイアウトだ。ブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージはカルロス・ロドリゲス(ネットカンパニー・イネオス)の故郷アルムニェカルから、北の内陸へ向かう192.8kmの長丁場。1級山岳から始まる3つのカテゴリー山岳を越えていく、獲得標高3,404mの中級山岳ステージだ。
この日はこれまで積極的に逃げ、これが現役最後のグランツールだったアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム)が体調不良のため未出走。また序盤に発生した落車により、総合9位につけていたグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、デカトロンCMA CGM)が左肩の肩鎖関節捻挫と軽度の脳震盪を負いリタイアした。そのため総合3位のフェリックス・ガル(オーストリア)は重要な山岳アシストを欠いた状態で翌日の1級山岳フィニッシュや、3週目の山岳決戦に臨むことになった。

43名による大規模な逃げ集団が形成された photo:A.S.O.

モビスターが中心となりプロトンを牽引した photo:A.S.O.
現地報道では40度を超える灼熱のなか、アクチュアルスタート直後から多くの選手が逃げへの関心をアタックで示し、1つ目の1級山岳ではマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が、マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)のサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)を退けて先着。その後、ここまで区間3勝のスプリンター、マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)を含む43名による大きな逃げ集団が形成された。
人数が多すぎると判断したためか、逃げ集団からはさらにギヨーム・マルタンギヨネ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)やブレナンら11名が飛び出す。コーナーで落車したアクセル・ローランス(フランス、ネットカンパニー・イネオス)が遅れたため10名となった先頭集団は、リーダーチームのモビスターにEFエデュケーション・イージーポストも協力して牽引するメイン集団に対してリードを広げていく。そのまま最後の登りである2級山岳プエルト・デ・グラナダ(距離7.4km/平均5.6%)に突入し、その時点でファンアールトらがいる追走集団からは40秒、プロトンからは4分50秒のリードを得ていた。

マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)が入った10名による先頭集団 photo:CorVos

追走集団で先頭を追いかけたワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.
頂上まで2.6km、フィニッシュまでちょうど40kmを残す地点ではケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)のアタックを、登れることをアピールするかのようにブレナンが潰す。今度は7日目勝者のアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が飛び出すものの、決め手を欠き、ペースの落ちた先頭集団にはファンアールト自らペースを作る追走集団が合流。下りでさらに多くの選手がジョインすると、それを嫌ったファンアールトやブレナンが動き、新たな9名の集団が形成された。
しかし強力なスプリント力を誇るヴィスマ・リースアバイクの2名を引き離そうと、再びヴェルマークなどがアタックを試みる。しかしファンアールトとブレナンのマークを振り切ることはできず、残り3.5kmではファンアールト自らアタック。ここまで激しい展開に加え、変わらない暑さにもかかわらず切れ味鋭いその仕掛けに、唯一ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)が追従し、後続ではブレナンが睨みをきかせるヴィスマ・リースアバイクにとって盤石の展開へと持ち込んだ。

9名集団から飛び出したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)とヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)の2名が先行した photo:CorVos
フィニッシュラインが引かれたロハに到着したのは、スプリントを含めマルチな脚質を持つファンアールトと、ピュアクライマーのパレパントル。圧倒的に不利な状況に立たされたパレパントルだが、先行するファンアールトの背後からスプリントを開始する。緩い右カーブを抜け、最終ストレートの入口でファンアールトの横に並んだものの、時には集団スプリントでさえ勝つマイヨプントスのトップスピードには敵わなかった。

パレパントルとのマッチスプリントを制したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

パレパントルに感謝を伝えるワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
第7ステージでは区間3位、第10ステージでは4位と、一歩届かずにいた勝利をようやく手に入れたファンアールト。下から突き上げるようなガッツポーズで喜びを全身で表すと、「フィニッシュまで十分近かったので、仕掛ける価値があった。ヴァランタン(パレパントル)という良き協力者もいた。彼も何度か先頭を引いてくれたし、一緒にフィニッシュラインまで勝負できたのは良かった」と、共に飛び出したパレパントルに感謝した。
これでファンアールトはチームに今大会4勝目をもたらすと共に、ブエルタ通算4勝目をゲット。またポイントも加算し、最終的なマイヨプントスの獲得に向けて大きくリードを拡大した。
24秒遅れでフィニッシュした追走集団はブレナンが先着し、ヴィスマはワンスリーフィニッシュを達成。逃げに乗り、総合タイムを稼いだマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)を警戒して大きなリードを許さなかったプロトンは3分遅れでレースを終える。スケルモースも総合タイムを縮めただけで7位より上げるまでには至らず、総合8位までの順位に動きはなかった。

今大会初勝利と共にマイヨプントスのリードを拡大させたワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
第13ステージ 9月4日(金)
アルムニェカル〜ロハ 192.8km(中級山岳)


この日はこれまで積極的に逃げ、これが現役最後のグランツールだったアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム)が体調不良のため未出走。また序盤に発生した落車により、総合9位につけていたグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、デカトロンCMA CGM)が左肩の肩鎖関節捻挫と軽度の脳震盪を負いリタイアした。そのため総合3位のフェリックス・ガル(オーストリア)は重要な山岳アシストを欠いた状態で翌日の1級山岳フィニッシュや、3週目の山岳決戦に臨むことになった。


現地報道では40度を超える灼熱のなか、アクチュアルスタート直後から多くの選手が逃げへの関心をアタックで示し、1つ目の1級山岳ではマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が、マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)のサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)を退けて先着。その後、ここまで区間3勝のスプリンター、マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)を含む43名による大きな逃げ集団が形成された。
人数が多すぎると判断したためか、逃げ集団からはさらにギヨーム・マルタンギヨネ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)やブレナンら11名が飛び出す。コーナーで落車したアクセル・ローランス(フランス、ネットカンパニー・イネオス)が遅れたため10名となった先頭集団は、リーダーチームのモビスターにEFエデュケーション・イージーポストも協力して牽引するメイン集団に対してリードを広げていく。そのまま最後の登りである2級山岳プエルト・デ・グラナダ(距離7.4km/平均5.6%)に突入し、その時点でファンアールトらがいる追走集団からは40秒、プロトンからは4分50秒のリードを得ていた。


頂上まで2.6km、フィニッシュまでちょうど40kmを残す地点ではケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)のアタックを、登れることをアピールするかのようにブレナンが潰す。今度は7日目勝者のアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が飛び出すものの、決め手を欠き、ペースの落ちた先頭集団にはファンアールト自らペースを作る追走集団が合流。下りでさらに多くの選手がジョインすると、それを嫌ったファンアールトやブレナンが動き、新たな9名の集団が形成された。
しかし強力なスプリント力を誇るヴィスマ・リースアバイクの2名を引き離そうと、再びヴェルマークなどがアタックを試みる。しかしファンアールトとブレナンのマークを振り切ることはできず、残り3.5kmではファンアールト自らアタック。ここまで激しい展開に加え、変わらない暑さにもかかわらず切れ味鋭いその仕掛けに、唯一ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)が追従し、後続ではブレナンが睨みをきかせるヴィスマ・リースアバイクにとって盤石の展開へと持ち込んだ。


フィニッシュラインが引かれたロハに到着したのは、スプリントを含めマルチな脚質を持つファンアールトと、ピュアクライマーのパレパントル。圧倒的に不利な状況に立たされたパレパントルだが、先行するファンアールトの背後からスプリントを開始する。緩い右カーブを抜け、最終ストレートの入口でファンアールトの横に並んだものの、時には集団スプリントでさえ勝つマイヨプントスのトップスピードには敵わなかった。


第7ステージでは区間3位、第10ステージでは4位と、一歩届かずにいた勝利をようやく手に入れたファンアールト。下から突き上げるようなガッツポーズで喜びを全身で表すと、「フィニッシュまで十分近かったので、仕掛ける価値があった。ヴァランタン(パレパントル)という良き協力者もいた。彼も何度か先頭を引いてくれたし、一緒にフィニッシュラインまで勝負できたのは良かった」と、共に飛び出したパレパントルに感謝した。
これでファンアールトはチームに今大会4勝目をもたらすと共に、ブエルタ通算4勝目をゲット。またポイントも加算し、最終的なマイヨプントスの獲得に向けて大きくリードを拡大した。
24秒遅れでフィニッシュした追走集団はブレナンが先着し、ヴィスマはワンスリーフィニッシュを達成。逃げに乗り、総合タイムを稼いだマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)を警戒して大きなリードを許さなかったプロトンは3分遅れでレースを終える。スケルモースも総合タイムを縮めただけで7位より上げるまでには至らず、総合8位までの順位に動きはなかった。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2026第13ステージ結果
| 1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 4:34:00 |
| 2位 | ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) | |
| 3位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:24 |
| 4位 | ヤルノ・ウィダー(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | |
| 5位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
| 6位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
| 7位 | ケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) | |
| 8位 | レオ・ビジオー(フランス、デカトロンCMA CGM) | +0:28 |
| 9位 | シモン・ダルビー(デンマーク、ウノエックス・モビリティ) | +0:32 |
| 10位 | フィリッポ・ザナ(イタリア、スーダル・クイックステップ) | +0:45 |
マイヨロホ(個人総合成績)
| 1位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 45:08:51 |
| 2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +1:45 |
| 3位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +2:06 |
| 4位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +3:53 |
| 5位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | +4:29 |
| 6位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +4:59 |
| 7位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +5:32 |
| 8位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +7:58 |
| 9位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +8:33 |
| 10位 | クレマン・ベルテ(フランス、グルパマFDJユナイテッド) | +11:06 |
マイヨプントス(ポイント賞)
| 1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 224pts |
| 2位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 159pts |
| 3位 | アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ) | 96pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
| 1位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 58pts |
| 2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 40pts |
| 3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 24pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
| 1位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | 45:13:20 |
| 2位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:30 |
| 3位 | レオ・ビジオー(フランス、デカトロンCMA CGM) | +9:07 |
チーム総合成績
| 1位 | デカトロンCMA CGM | 135:42:21 |
| 2位 | バーレーン・ヴィクトリアス | +1:07:36 |
| 3位 | ネットカンパニー・イネオス | +1:11:13 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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