ダイアテックが扱うオフロード系ブランドを一堂に集めた展示会を訪問。アンオーソライズドの新型MTB2種類とブルーノの新型ミニベロで、そこに8月から取り扱いが始まったばかりのサンタクルズやジロの新作MTBヘルメット「Fixture2」もお披露目された。

グラベルとMTBの二刀流、78rpm
会場に一歩入ってまず目に飛び込んできたのは、アンオーソライズドのブースに並んだ新型フレームの数々だった。同ブランドが一貫して掲げてきたのは、「世界各国のブランドは、それぞれの国の走行環境に最適化されたジオメトリーを持っている」という考え方である。急でタイトな山が多く、ライダーの体格も欧米とは異なる日本だからこそ、日本の地形とライダーに合わせたローカライズが不可欠だという発想のもと、これまで「33rpm」「45rpm」といったモデルを世に送り出してきた。
そのラインアップに加わる一台が「78rpm」。33rpmが下り重視のハードテールダウンヒル、45rpmが登り下り双方を楽しめるトレイルバイクという棲み分けだったのに対し、78rpmはXC(クロスカントリー)にもグラベルにも対応できる懐の深さを打ち出したフレームだ。想定するサスペンショントラベルは最大120mm前後で、マウンテンからグラベルチックな走りまでを1台でカバーする「トータル的な遊び」をコンセプトに開発が進められてきた。

メッキのフレームが映える78rpm

グラベル仕様だがドライブトレインはMTBコンポーネントとなっている 
スラムForceをブレーキシステムに採用している
78rpmはすでにダイアテックの社員が実戦投入しており、MTB XCOとグラベルクラシックやくらいでその性能が確かめられている。展示されていたバイクのドライブトレインはスラムのXX EagleというMTB用で組み上げつつ、ハンドルはドロップ、ブレーキはForceシリーズとグラベル仕様とされていた。
グラベルと里山MTBライドが近しい存在である日本のオフロードシーンにおいて、MTBとグラベルどちらを選べば良いか悩むサイクリストも少なくないはずだ。どちらの選択肢も取れる78rpmはオフロードにチャレンジしてみたいという方にぴったりなフレームだろう。フラットバーのままトレイルを攻めることも、ハンドルをドロップバーに載せ替えてグラベル的な走りをすることも一台でこなせる懐の深さこそが魅力の一台だ。

アルミMTBの16rpmが登場した

シートチューブ周りの造形は非常に凝っている 
日本のライドシチュエーションに合わせて開発されるアンオーソライズドのオフロードバイク
もう一台の新作が「16rpm」だ。既存のクロモリハードテール「33rpm」のジオメトリーをアルミ素材で再現したモデルとなる。今までアンオーソライズドのバイクはフレーム販売が主流だったが、16rpmでは完成車での販売となる。
誕生の背景には、「買ったその日にそのまま遊びに行けるバイクを作りたい」というシンプルな発想があったという。近年は完成車の価格が30万円を超えてくるモデルも珍しくないなかで、あえてそこを下回る価格帯に設定することで、マウンテンバイクを始めたいというニーズに答えてくれる一台だ。

33rpmはアンオーソライズドのトレイルバイクとしてパークなどで活躍する
素材による乗り味の違いも興味深い。アルミの16rpmは全体にマイルドな性格で、バイクに任せて走っていけるような懐の深さを持つ一方、クロモリの既存モデルはもう少しバネ感のある乗り味で、路面に当てながらライダー自身でコントロールしていく感覚に近いという。
アンオーソライズドは日本人が日本のフィールドのために開発したバイクが並ぶブランド。欧米ブランドは、サイジングやジオメトリー、強度など欧米の体躯の大きな方や、ビッグドロップが登場するハードコースに耐えられるように作られており、それぞれのブランドのホームコースに合わせられているという。日本のシチュエーションに合わせた作り込みを行うことで、扱いやすいバイクを実現しているため、オフロードに興味がある方はぜひチェックしてもらいたい。

ブルーノのディスクブレーキ小径車、MINIVELO ROAD 2.0
ブルーノのブースで目を引いていたのが、新しいディスクブレーキ対応のミニベロだった。ディスクブレーキに対応したバージョンとしては今回が初めての投入となる。今作は日常生活のサイクリングに彩りを与える機動力と、カスタムを楽しめる満足感をどちらも得られるバイクに仕上げられている。
フレームパイプは前作で採用していたコロンバスのCromorから、ZONAへと変更。ZONAはイタリア本国で製造されるパイプで、素材まで追求したい方も満足できる内容になっている。さらにシートステーの曲げ加工もこだわっており、意匠からも特別感を演出している。

美しい曲げ加工が施されたシートステー 
ブルーノから新作の小径車がリリースされる

コロンバスのZONAが素材に採用されている 
リアエンドはUDH規格とされる
仕上げの工程では、メッキを施したうえでさらに塗装を重ねるという二重の処理が施されている。規格面では、リアエンドにUDHを採用。フレームサイズは460、510、543mmの3展開で、フレーム+フォークの単体販売が16万円、完成車が27万2千円だ。カスタムのベースとして自分なりに育てていく楽しみ方が向いているバイクとなっている。
今回の展示会でひときわ話題を集めていたのが、ダイアテックが取り扱いを開始したサンタクルズだった。8月10日に公式サイトが公開されて以降、今回が実質的に多くの人へ紹介される最初の機会となった。

サンタクルズのエンデューロバイク、Nomadがラインアップされる

DHチャンピオンの土屋聖眞もサンタクルズやオーリンズを使用している
サンタクルズとは、伝説的なプロスケーターとして知られるロブ・ロスコップ氏と、スケートブランド「Santa Cruz Skateboards」の創業者リッチ・ノバック氏、そしてMTBのサスペンションエンジニアであるマイク・マルケス氏らが手を組んで立ち上げたオフロードバイクブランドだ。
1994年に発表したブランド初のバイクからフルサスペンション式を採用し、当時の軽さ重視のバイク開発に一石を投じた。その後もVPPテクノロジーの特許を買い取るなどバイク開発は加速していき、トップレーサーから選ばれるブランドへと成長してきた。

新型となっているトレイルバイクのTallboy

TallboyがVPPから4バーリンケージとなっている 
ダウンチューブストレージが各バイクに備えられている
そんなサンタクルズをダイアテックが取り扱うこととなり、今回の展示会で2027年モデルのアナウンスが行われた。まず国内で展開されるのは「Blur」「Tallboy」「Nomad」の3モデルから始まるということだ。
Blurは前後120mmトラベルへと進化を遂げたXCフルサスで、ダウンチューブ内蔵の収納スペース「Glovebox」を備え、純粋なレース仕様にとどまらず長時間のダウンカントリーライドにも対応できる懐の深さを持つ。Tallboyはサスペンション形式をVPPから4バーへと変更し、軽量化とトラクション性能を高めたトレイルバイクという位置づけになる。Nomadは伝統のVPPを継承しつつ機械式ドライブトレインへの対応を復活させたエンデューロバイクで、この3台でXCからエンデューロまでをカバーする。

アンダー1万円のFixture2も注目だ

懐かしのロゴがあしらわれているグローブやソックスもラインアップされている 
グラベルやXC用のCADETなどがモデルチェンジを果たしている

リアットもダイアテックが取り扱っている
アンオーソライズドやブルーノ、サンタクルズだけではなく、ダイアテックが取り扱うオフロード向けブランドは数が多い。ロードでも存在感を示すエンヴィやマックオフ、ジロはもちろん、オーリンズやマッキーナッツといったブランドも用意されている。スラムMTBコンポーネントもダイアテックの取り扱いブランドの1つだ。
なかでも注目したいのが、プロテクターブランドのリアットだ。ネックブレースなどダウンヒルで装備したい安全ギアをラインアップしているが、ダイアテックの限られたWEBでのみの告知となっているため、ダイアテックが運営する特設サイト「ダイアテック土」をぜひチェックしてもらいたい。

今年グラベルレースにチャレンジしている佐野淳哉さん
今回の展示会にはダイアテックのサポートを受ける元プロロードレーサー・佐野淳哉さんも参加。今年からグラベルライドにも出場しており、富士グラベルに始まり、エンヴィの地元ユタ州オグデンで開催されるGRODEO、そして先日のグラベルクラシックやくらいに参戦。
「ロードにはないアドベンチャー感がある、というのがグラベルの一番の魅力だと感じています。まだ3戦しか走っていないんですけどね」と佐野さんは笑う。路面や展開の読めなさがもたらす冒険的な要素が、ロードレースとは違う面白さにつながっているという。

エンヴィのグラベル用ホイールG-SES。佐野さんが実際にレースで使用した
「エイジカテゴリーがあったのは、自分にとってはすごく嬉しかったです。ロードレースとはまた違った見え方で、同世代でこんなに頑張っている人がいるんだと感じられましたし、それが次への原動力になりました」という。
今後もグラベルへの挑戦は続けていくつもりだと佐野氏は話す。「毎回いろんな発見があるので、どんどん出ていきたいですね。今回は距離も長めで、レース中に自分でどう組み立てるかを考えるチャンスも多かったので、そういう意味でも面白かったです」とグラベルへの意欲をのぞかせていた。佐野さんのグラベルチャレンジはダイアテックジャーナルでバイクやホイールの紹介もされているため、ぜひチェックしてみてもらいたい。

モデルチェンジでクイックな走行感が向上したe-hop
Report:Gakuto Fujiwara

会場に一歩入ってまず目に飛び込んできたのは、アンオーソライズドのブースに並んだ新型フレームの数々だった。同ブランドが一貫して掲げてきたのは、「世界各国のブランドは、それぞれの国の走行環境に最適化されたジオメトリーを持っている」という考え方である。急でタイトな山が多く、ライダーの体格も欧米とは異なる日本だからこそ、日本の地形とライダーに合わせたローカライズが不可欠だという発想のもと、これまで「33rpm」「45rpm」といったモデルを世に送り出してきた。
そのラインアップに加わる一台が「78rpm」。33rpmが下り重視のハードテールダウンヒル、45rpmが登り下り双方を楽しめるトレイルバイクという棲み分けだったのに対し、78rpmはXC(クロスカントリー)にもグラベルにも対応できる懐の深さを打ち出したフレームだ。想定するサスペンショントラベルは最大120mm前後で、マウンテンからグラベルチックな走りまでを1台でカバーする「トータル的な遊び」をコンセプトに開発が進められてきた。



78rpmはすでにダイアテックの社員が実戦投入しており、MTB XCOとグラベルクラシックやくらいでその性能が確かめられている。展示されていたバイクのドライブトレインはスラムのXX EagleというMTB用で組み上げつつ、ハンドルはドロップ、ブレーキはForceシリーズとグラベル仕様とされていた。
グラベルと里山MTBライドが近しい存在である日本のオフロードシーンにおいて、MTBとグラベルどちらを選べば良いか悩むサイクリストも少なくないはずだ。どちらの選択肢も取れる78rpmはオフロードにチャレンジしてみたいという方にぴったりなフレームだろう。フラットバーのままトレイルを攻めることも、ハンドルをドロップバーに載せ替えてグラベル的な走りをすることも一台でこなせる懐の深さこそが魅力の一台だ。



もう一台の新作が「16rpm」だ。既存のクロモリハードテール「33rpm」のジオメトリーをアルミ素材で再現したモデルとなる。今までアンオーソライズドのバイクはフレーム販売が主流だったが、16rpmでは完成車での販売となる。
誕生の背景には、「買ったその日にそのまま遊びに行けるバイクを作りたい」というシンプルな発想があったという。近年は完成車の価格が30万円を超えてくるモデルも珍しくないなかで、あえてそこを下回る価格帯に設定することで、マウンテンバイクを始めたいというニーズに答えてくれる一台だ。

素材による乗り味の違いも興味深い。アルミの16rpmは全体にマイルドな性格で、バイクに任せて走っていけるような懐の深さを持つ一方、クロモリの既存モデルはもう少しバネ感のある乗り味で、路面に当てながらライダー自身でコントロールしていく感覚に近いという。
アンオーソライズドは日本人が日本のフィールドのために開発したバイクが並ぶブランド。欧米ブランドは、サイジングやジオメトリー、強度など欧米の体躯の大きな方や、ビッグドロップが登場するハードコースに耐えられるように作られており、それぞれのブランドのホームコースに合わせられているという。日本のシチュエーションに合わせた作り込みを行うことで、扱いやすいバイクを実現しているため、オフロードに興味がある方はぜひチェックしてもらいたい。

ブルーノのブースで目を引いていたのが、新しいディスクブレーキ対応のミニベロだった。ディスクブレーキに対応したバージョンとしては今回が初めての投入となる。今作は日常生活のサイクリングに彩りを与える機動力と、カスタムを楽しめる満足感をどちらも得られるバイクに仕上げられている。
フレームパイプは前作で採用していたコロンバスのCromorから、ZONAへと変更。ZONAはイタリア本国で製造されるパイプで、素材まで追求したい方も満足できる内容になっている。さらにシートステーの曲げ加工もこだわっており、意匠からも特別感を演出している。




仕上げの工程では、メッキを施したうえでさらに塗装を重ねるという二重の処理が施されている。規格面では、リアエンドにUDHを採用。フレームサイズは460、510、543mmの3展開で、フレーム+フォークの単体販売が16万円、完成車が27万2千円だ。カスタムのベースとして自分なりに育てていく楽しみ方が向いているバイクとなっている。
今回の展示会でひときわ話題を集めていたのが、ダイアテックが取り扱いを開始したサンタクルズだった。8月10日に公式サイトが公開されて以降、今回が実質的に多くの人へ紹介される最初の機会となった。


サンタクルズとは、伝説的なプロスケーターとして知られるロブ・ロスコップ氏と、スケートブランド「Santa Cruz Skateboards」の創業者リッチ・ノバック氏、そしてMTBのサスペンションエンジニアであるマイク・マルケス氏らが手を組んで立ち上げたオフロードバイクブランドだ。
1994年に発表したブランド初のバイクからフルサスペンション式を採用し、当時の軽さ重視のバイク開発に一石を投じた。その後もVPPテクノロジーの特許を買い取るなどバイク開発は加速していき、トップレーサーから選ばれるブランドへと成長してきた。



そんなサンタクルズをダイアテックが取り扱うこととなり、今回の展示会で2027年モデルのアナウンスが行われた。まず国内で展開されるのは「Blur」「Tallboy」「Nomad」の3モデルから始まるということだ。
Blurは前後120mmトラベルへと進化を遂げたXCフルサスで、ダウンチューブ内蔵の収納スペース「Glovebox」を備え、純粋なレース仕様にとどまらず長時間のダウンカントリーライドにも対応できる懐の深さを持つ。Tallboyはサスペンション形式をVPPから4バーへと変更し、軽量化とトラクション性能を高めたトレイルバイクという位置づけになる。Nomadは伝統のVPPを継承しつつ機械式ドライブトレインへの対応を復活させたエンデューロバイクで、この3台でXCからエンデューロまでをカバーする。




アンオーソライズドやブルーノ、サンタクルズだけではなく、ダイアテックが取り扱うオフロード向けブランドは数が多い。ロードでも存在感を示すエンヴィやマックオフ、ジロはもちろん、オーリンズやマッキーナッツといったブランドも用意されている。スラムMTBコンポーネントもダイアテックの取り扱いブランドの1つだ。
なかでも注目したいのが、プロテクターブランドのリアットだ。ネックブレースなどダウンヒルで装備したい安全ギアをラインアップしているが、ダイアテックの限られたWEBでのみの告知となっているため、ダイアテックが運営する特設サイト「ダイアテック土」をぜひチェックしてもらいたい。

今回の展示会にはダイアテックのサポートを受ける元プロロードレーサー・佐野淳哉さんも参加。今年からグラベルライドにも出場しており、富士グラベルに始まり、エンヴィの地元ユタ州オグデンで開催されるGRODEO、そして先日のグラベルクラシックやくらいに参戦。
「ロードにはないアドベンチャー感がある、というのがグラベルの一番の魅力だと感じています。まだ3戦しか走っていないんですけどね」と佐野さんは笑う。路面や展開の読めなさがもたらす冒険的な要素が、ロードレースとは違う面白さにつながっているという。

「エイジカテゴリーがあったのは、自分にとってはすごく嬉しかったです。ロードレースとはまた違った見え方で、同世代でこんなに頑張っている人がいるんだと感じられましたし、それが次への原動力になりました」という。
今後もグラベルへの挑戦は続けていくつもりだと佐野氏は話す。「毎回いろんな発見があるので、どんどん出ていきたいですね。今回は距離も長めで、レース中に自分でどう組み立てるかを考えるチャンスも多かったので、そういう意味でも面白かったです」とグラベルへの意欲をのぞかせていた。佐野さんのグラベルチャレンジはダイアテックジャーナルでバイクやホイールの紹介もされているため、ぜひチェックしてみてもらいたい。

Report:Gakuto Fujiwara
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