約2か月ぶりの実戦復帰となるタデイ・ポガチャルが参戦するツール・ド・スイス。ツールを占う前哨戦のコース詳細と、ファンデルプールやログリッチら出場メンバーを紹介する。



5日間で争われる2026年のツール・ド・スイス image:Tour de Suisse

イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)の総合優勝で幕を閉じたツール・オーヴェルニュ・ローヌ・アルプから1週間、アルプス山脈を臨むスイスでツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)が本日開幕する。第88回を迎えた今年、最大のトピックは昨年8日間で争われた日数が5日間まで縮小されたこと。しかしレース主催者はあくまでも「規模縮小」ではなく、女子を同日に同一開催地で行う「一体型フォーマットへの転換」としている。

また各ステージの難易度も、例年に比べれば低くなった。初日から2日間は丘陵ステージで、3日目は平坦ステージの序盤に2つの1級山岳が設定された展開の読みにくいレイアウト。そして4日目の個人タイムトライアルを経て、5日目に総合優勝者を決める2つの超級山岳を超える山頂フィニッシュのステージが用意された。そのためオーヴェルニュとは違い、ピュアスプリンターの姿はないが、登りをこなせるスピードマンが多く出場している。

今大会のクイーンステージである第5ステージ photo:Tour de Suisse



世界王者ポガチャルがスイスで再始動

ツール前哨戦にスイスを選択したポガチャル photo:CorVos

もちろん最も注目すべき選手は、世界王者でツール通算5度目の総合優勝を目指すタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)だ。パリ〜ルーベでは2位だったが、それ以外のストラーデビアンケからミラノ〜サンレモの初制覇、そしてロンド・ファン・フラーンデレン、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを優勝と、今年も圧倒的な力を発揮している。また今年初のステージレースとなった4月下旬のツール・ド・ロマンディでも区間4勝して総合優勝と、その強さはもはや手がつけられない。

また脇を固めるのも、ともにツールへ行くティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)をはじめ、他チームなら総合エースの格であるブランドン・マクナルティ(アメリカ)、またジロ・デ・イタリアを完走したジョナタン・ナルバエス(エクアドル)らで、布陣に隙は見つからない。

パリ〜ルーベ以来のロードレースとなるファンデルプール photo:CorVos

今大会でポガチャルの直接的なライバルではないが、出場選手の人気を二分するのがマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)だ。パリ〜ルーベではパンクに見舞われ4連覇を逃したものの、今季4勝とコンディションは決して悪くなく、丘陵ステージではポガチャルとの競演もあるかもしれない。

ツール・ド・フランスで総合順位を争う選手の多くは、オーヴェルニュを選んだため、今大会でポガチャルと総合争いする選手は少ない。しかしそのなかでもバーレーン・ヴィクトリアスはアントニオ・ティベーリ(イタリア)とレニー・マルティネス(フランス)を揃え、ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ)やリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)も出場。過去の実績ではプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)に言及すべきだが、ツールではなくブエルタ・ア・エスパーニャを目指すため、今大会へのモチベーションは不明だ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos