Mt.富士ヒルクライム、男子選抜クラス表彰台メンバーの機材は全てスペシャライズドのS-WORKS Tarmac。初優勝を挙げた大前翔を筆頭に、三浦将吾、そして保田翔平の「最速バイク」にフォーカスを当てました。
1位:大前翔(六本木エクスプレス)/スペシャライズド S-WORKS Tarmac SL8

大前翔(六本木エクスプレス)とスペシャライズド S-WORKS Tarmac SL8 photo:So Isobe
全日本選手権優勝を目指す上で挑んだ2回目の富士ヒル。「独走と登坂力で勝つ」というイメージとは異なるシナリオだったものの、途中逃げに乗り、最後は集団に追いつかれながらも得意のスプリントで勝利したのが、一躍強豪ホビーレーサーとして注目の存在となった大前翔(六本木エクスプレス)だ。「スプリント力があれば勝ちパターンが増えるので便利ですね」と笑う大前は、今週開催のツール・ド・ふくしまでも大注目の存在だ。
大前が駆るのはS-Works Tarmac SL8。高岡亮寛の誘いでアマチュアで日本一を本気で狙うようになったことをきっかけに、「機材でも一切妥協しない」と決めて選び、ツール・ド・おきなわ市民200kmレースを筆頭に各種アマチュアレースで勝利を重ねているバイクだ(大前翔と高岡亮寛のS-Works Tarmac SL8を取材した特集記事はこちらから)。「登りでもやっぱりTarmacは速い。下りも平坦もオールラウンドにいけるので良いバイクですよ」と評価する。

タイヤはピレリのP ZERO RACE RS。クリンチャー仕様で、TPUチューブを入れたという photo:So Isobe

ステムにはピレリのデカール photo:So Isobe 
軽量化としてボトルケージレスに。車重は6.6kgとのこと photo:So Isobe
光の当たり方で色味を変える「Gloss Carbon」カラーのTarmacに合わせるコンポーネントはULTEGRAがベース。チェーンリングやブレーキキャリパーはDURA-ACEに交換して軽量化を図るほか、信頼度の高いSRMのパワーメーターで数値を管理する。サドルはこだわりのSMP F20C s.i.だ。
ピレリタイヤを使う大前だが、今回は「パンクもしないし、乗り味も良いし、空力面でも良い。横風に煽られにくくなったとすら感じます」と言う最新モデルP ZERO Race TLR SL-Rではなく、クリンチャーのP ZERO RACE RSに交換し、同社製TPUチューブを入れて軽量化。ボトルケージを外したことも合わせ、全体重量は6.6kgに収まっているそうだ。
2位:三浦将吾(グランペール/小坂の懐入り隊)/スペシャライズド S-WORKS Tarmac SL8

三浦将吾(グランペール/小坂の懐入り隊)と、スペシャライズド S-WORKS Tarmac SL8 photo:So Isobe
最後のスプリントは自信があったので、そこで勝負したいと考えていました。3つ目のトンネルを抜けた後に仕掛けようと決めていて、捲られても仕方ないから後悔しないように踏もうと決めていたんです。と勝負のタイミングを振り返るのは、キャリアハイとなる2位を掴んだ三浦将吾(グランペール/小坂の懐入り隊)。「1年前に大怪我をしてしまって、ここまで戻ってこれたのは嬉しいですね。2年前には8位に入っていましたが、今回は2位。この結果には自分でも驚いています」と静かに続ける。
バイクは優勝した大前と同じくスペシャライズドのS-WORKS Tarmac SL8。女子トップチームであるSDワークス・プロタイム仕様の鮮やかなカラーリングが目立つ一台だ。「自分がカッコいいと思うカラーのバイクに乗りたくて。怪我をした時に壊したのもSL8だったので、乗り換えを考えている時にこのカラーが目に入ったんです」とバイクチョイスを説明する。

「「自分がカッコいいと思うカラーのバイクに乗りたくて」と選んだSDワークスカラー。ずっとTarmacに乗っていると言う photo:So Isobe

ARPホイールにコンチネンタルのGRAND PRIX 5000TT TRを組み合わせる photo:So Isobe 
ボトルは小型軽量なタイムトライアル用をチョイス photo:So Isobe
「カラーと同じですが、"カッコいいと思えるバイクで走りたい"という気持ちがあって、だからこそリムブレーキ時代からずっとTarmacに乗り続けています」というTarmacファン。コンポーネントはDURA-ACE、ロヴァールの一体型ハンドルなど、全体的に無駄のないアッセンブルで仕立てているが、ヒルクライマーの使用率が高いARPホイールにはコンチネンタルのGRAND PRIX 5000TT TRを組み合わせ、小型のタイムトライアル用ボトルをセットするなど、決戦仕様がにじみ出ている部分も。今後は、今週末に開催されるツール・ド・ふくしまを経てニセコ開催のUCIグランフォンドワールドシリーズを目指すとのことだ。
保田翔平(三重県魚卵連合)/スペシャライズド S-WORKS Tarmac SL7

保田翔平(三重県魚卵連合)と、スペシャライズド S-WORKS Tarmac SL7 photo:So Isobe
「去年は11位。そこそこ良い順位を獲れたなって満足してたんですが、今年は3位。びっくりです」と、ずっと笑顔で話してくれたのが3位表彰台を射止めた保田翔平(三重県魚卵連合)。「去年はスプリントでミスったので、その経験を踏まえてレースができました。逃げは見送ったんですが、強豪勢がほとんど集団に残っていたし、ローテーションも回っていたので冷静に見ていました。最後は案の定、望んでいたスプリントに。今勝負に絡めてる!と思った瞬間にどんどん自信が出てきて、最後は一人まくって3位。表彰台は本当に嬉しい。最高です」とレースを振り返る。
バイクは上位2人と同じS-WORKS Tarmacだが、1世代前のSL7。2022年に購入して以来、ずっと同じセットアップで乗っているお気に入りの愛車だという。
シマノDURA-ACEにロヴァールのRAPIDEホイール&ハンドルなど、極めてオーソドックスなパーツチョイスは、「下手に軽量パーツをつぎ込んでバイク全体の走りを落としてしまうより、自分が"これは絶対に進む!"というパーツを一つ一つ選んで、組み上げた結果」。外し技と言えばリアディレイラーに仕込んだスギノの偏心ビッグプーリーや、「汗をかいても錆びないように。それにおしゃれなので」というハンドル周りのチタンボルトくらいだ。

思い入れあるという先代Tarmac。車重は7.8kgと重たいものの、脚力でカバーしきった photo:So Isobe

スギノの偏心ビッグプーリー photo:So Isobe 
新品タイヤが間に合わず、5000km走った練習タイヤ(GRAND PRIX 5000TT TR)で走ったという photo:So Isobe
バイク車重は、強豪ヒルクライマーの機材としてはかなり重い部類に入る7.8kg(ボトルやコンピューター込み)。「軽さでごまかさない、芯のあるバイクを作りたかったんです。本当ならもっと軽いホイールが良いんでしょうが、それでもこの見た目が好きなので納得しています。"重たいバイクを俺が登らせてやるんだ!"ってずっと思っていました。今日は軽いバイクたちに一矢報いることができたのでとても嬉しいです」と話してくれた。
なお、ハンドルに取り付けたアクションカメラで撮影した動画は既にYoutubeにアップ済み。緊迫感あふれる富士ヒルの優勝争いを間近に見ることができる。
続いては女子選抜クラストップスリーのバイクを紹介します。
text:So Isobe
1位:大前翔(六本木エクスプレス)/スペシャライズド S-WORKS Tarmac SL8

全日本選手権優勝を目指す上で挑んだ2回目の富士ヒル。「独走と登坂力で勝つ」というイメージとは異なるシナリオだったものの、途中逃げに乗り、最後は集団に追いつかれながらも得意のスプリントで勝利したのが、一躍強豪ホビーレーサーとして注目の存在となった大前翔(六本木エクスプレス)だ。「スプリント力があれば勝ちパターンが増えるので便利ですね」と笑う大前は、今週開催のツール・ド・ふくしまでも大注目の存在だ。
大前が駆るのはS-Works Tarmac SL8。高岡亮寛の誘いでアマチュアで日本一を本気で狙うようになったことをきっかけに、「機材でも一切妥協しない」と決めて選び、ツール・ド・おきなわ市民200kmレースを筆頭に各種アマチュアレースで勝利を重ねているバイクだ(大前翔と高岡亮寛のS-Works Tarmac SL8を取材した特集記事はこちらから)。「登りでもやっぱりTarmacは速い。下りも平坦もオールラウンドにいけるので良いバイクですよ」と評価する。



光の当たり方で色味を変える「Gloss Carbon」カラーのTarmacに合わせるコンポーネントはULTEGRAがベース。チェーンリングやブレーキキャリパーはDURA-ACEに交換して軽量化を図るほか、信頼度の高いSRMのパワーメーターで数値を管理する。サドルはこだわりのSMP F20C s.i.だ。
ピレリタイヤを使う大前だが、今回は「パンクもしないし、乗り味も良いし、空力面でも良い。横風に煽られにくくなったとすら感じます」と言う最新モデルP ZERO Race TLR SL-Rではなく、クリンチャーのP ZERO RACE RSに交換し、同社製TPUチューブを入れて軽量化。ボトルケージを外したことも合わせ、全体重量は6.6kgに収まっているそうだ。
2位:三浦将吾(グランペール/小坂の懐入り隊)/スペシャライズド S-WORKS Tarmac SL8

最後のスプリントは自信があったので、そこで勝負したいと考えていました。3つ目のトンネルを抜けた後に仕掛けようと決めていて、捲られても仕方ないから後悔しないように踏もうと決めていたんです。と勝負のタイミングを振り返るのは、キャリアハイとなる2位を掴んだ三浦将吾(グランペール/小坂の懐入り隊)。「1年前に大怪我をしてしまって、ここまで戻ってこれたのは嬉しいですね。2年前には8位に入っていましたが、今回は2位。この結果には自分でも驚いています」と静かに続ける。
バイクは優勝した大前と同じくスペシャライズドのS-WORKS Tarmac SL8。女子トップチームであるSDワークス・プロタイム仕様の鮮やかなカラーリングが目立つ一台だ。「自分がカッコいいと思うカラーのバイクに乗りたくて。怪我をした時に壊したのもSL8だったので、乗り換えを考えている時にこのカラーが目に入ったんです」とバイクチョイスを説明する。



「カラーと同じですが、"カッコいいと思えるバイクで走りたい"という気持ちがあって、だからこそリムブレーキ時代からずっとTarmacに乗り続けています」というTarmacファン。コンポーネントはDURA-ACE、ロヴァールの一体型ハンドルなど、全体的に無駄のないアッセンブルで仕立てているが、ヒルクライマーの使用率が高いARPホイールにはコンチネンタルのGRAND PRIX 5000TT TRを組み合わせ、小型のタイムトライアル用ボトルをセットするなど、決戦仕様がにじみ出ている部分も。今後は、今週末に開催されるツール・ド・ふくしまを経てニセコ開催のUCIグランフォンドワールドシリーズを目指すとのことだ。
保田翔平(三重県魚卵連合)/スペシャライズド S-WORKS Tarmac SL7

「去年は11位。そこそこ良い順位を獲れたなって満足してたんですが、今年は3位。びっくりです」と、ずっと笑顔で話してくれたのが3位表彰台を射止めた保田翔平(三重県魚卵連合)。「去年はスプリントでミスったので、その経験を踏まえてレースができました。逃げは見送ったんですが、強豪勢がほとんど集団に残っていたし、ローテーションも回っていたので冷静に見ていました。最後は案の定、望んでいたスプリントに。今勝負に絡めてる!と思った瞬間にどんどん自信が出てきて、最後は一人まくって3位。表彰台は本当に嬉しい。最高です」とレースを振り返る。
バイクは上位2人と同じS-WORKS Tarmacだが、1世代前のSL7。2022年に購入して以来、ずっと同じセットアップで乗っているお気に入りの愛車だという。
シマノDURA-ACEにロヴァールのRAPIDEホイール&ハンドルなど、極めてオーソドックスなパーツチョイスは、「下手に軽量パーツをつぎ込んでバイク全体の走りを落としてしまうより、自分が"これは絶対に進む!"というパーツを一つ一つ選んで、組み上げた結果」。外し技と言えばリアディレイラーに仕込んだスギノの偏心ビッグプーリーや、「汗をかいても錆びないように。それにおしゃれなので」というハンドル周りのチタンボルトくらいだ。



バイク車重は、強豪ヒルクライマーの機材としてはかなり重い部類に入る7.8kg(ボトルやコンピューター込み)。「軽さでごまかさない、芯のあるバイクを作りたかったんです。本当ならもっと軽いホイールが良いんでしょうが、それでもこの見た目が好きなので納得しています。"重たいバイクを俺が登らせてやるんだ!"ってずっと思っていました。今日は軽いバイクたちに一矢報いることができたのでとても嬉しいです」と話してくれた。
なお、ハンドルに取り付けたアクションカメラで撮影した動画は既にYoutubeにアップ済み。緊迫感あふれる富士ヒルの優勝争いを間近に見ることができる。
続いては女子選抜クラストップスリーのバイクを紹介します。
text:So Isobe
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