17.1kmの個人タイムトライアルで締めくくられた第78回ツール・ド・ロマンディ。レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が圧巻の走りでステージ優勝を飾り、区間2位だったジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が逆転の総合優勝を掴んだ。

第1走者で好タイムを出したヨハン・プリースパイタースン(デンマーク、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
日本ではゴールデンウイーク真っ只中である5月4日、遠く離れたスイスではツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)の最終第5ステージが行われた。全6日間に及んだ戦いを締めくくるのは、外交や銀行の国際的な中心地であるジュネーヴを舞台にした17.1kmの個人タイムトライアルだ。
前日、1級山岳ティオン2000での山岳決戦を制したレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)を筆頭とする総合順位は、2位ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ)が2秒差、3位ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が3秒差と接戦。総合争いでも注目が集まるレースは、第4ステージ終了時点で総合最下位であるヨハン・プリースパイタースン(デンマーク、アルペシン・ドゥクーニンク)からスタートを切った。

ステージ3位:アルベルト・ベッティオル(XDSアスタナ) photo:CorVos
2021年のTT世界選手権U23王者であるプリースパイタースンは、平坦路かつ直線路が大半を占めるコースで、実力通り21分11秒の好タイムでフィニッシュ。そしてこのタイムを上回ることができたのは、続く107名の選手のうち僅か7名だけだった。
同じ前半スタート組の中でプリースパイタースンのタイムを更新したのは、ロードのイタリア王者であるアルベルト・ベッティオル(XDSアスタナ)。最速タイムを20秒も縮める快走には、母国のTTスペシャリストであるシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)も及ばない。そして総合トップ10の登場を前に、総合11位のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がスタートを切った。
大会初日の3.44kmプロローグを除けば、今季初の個人TTとなったエヴェネプール。「(怪我をした)肩の感覚は良く、特にコーナーや直線でも問題はなかった」とTT世界王者であり、またパリ五輪金メダリストが語ったように、暫定トップのベッティオルのタイムを18秒更新する20分33秒でフィニッシュ。平均スピードが50km/hに迫る快走で、ホットシートに腰を掛けた。

ステージ優勝:レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

ステージ2位:ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
昨年12月の交通事故による怪我から復帰し、グランツールシーズンの開幕を前に完全復活の予感を漂わせたエヴェネプールのタイムには、総合上位勢も及ばない。そして最後から2番目に、総合はもちろんステージ優勝の候補でもあるジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)がスタート。背の低い丘の頂上に設定された中間計測地点(残り11.9km)を、アルメイダはトップのエヴェネプールから10秒遅れで通過した。
アルメイダはその後、タイム差を縮めることはできず、エヴェネプールから11秒遅れでフィニッシュ。しかし区間13位に終わったレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)を総合タイムで26秒上回り、総合優勝に輝いた。

今季2勝目を飾ったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:Tour de Romandie
ステージ優勝を掴んだエヴェネプールは「とても嬉しい勝利。ここ数週間における自分の走りには満足しているよ。ここまで2勝を飾り、自分のリズムを取り戻すことができた。この後は回復に努め、夏に向けての準備を進めたい」とコメント。予定では6月8日開幕のクリテリウム・デュ・ドーフィネから、7月5日開幕のツール・ド・フランス出場を予定している。
一方、4月のイツリア・バスクカントリーに続き、連続で総合優勝を飾ったアルメイダ。「不運にもステージ優勝はできなかったが、目標である総合優勝をすることができた。『終わり良ければ全て良し』というように、今日は満足な日となった。しかし正直、大会を通して100%と感じることはできなかった。それでもその中でベストを尽くし、決して諦めず走り続けた」と語った。

逆転の総合優勝に輝いたジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:Tour de Romandie
アルメイダはこの後、6月15日開幕のツール・ド・スイスからツールに出場予定だ。

日本ではゴールデンウイーク真っ只中である5月4日、遠く離れたスイスではツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)の最終第5ステージが行われた。全6日間に及んだ戦いを締めくくるのは、外交や銀行の国際的な中心地であるジュネーヴを舞台にした17.1kmの個人タイムトライアルだ。
前日、1級山岳ティオン2000での山岳決戦を制したレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)を筆頭とする総合順位は、2位ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ)が2秒差、3位ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が3秒差と接戦。総合争いでも注目が集まるレースは、第4ステージ終了時点で総合最下位であるヨハン・プリースパイタースン(デンマーク、アルペシン・ドゥクーニンク)からスタートを切った。

2021年のTT世界選手権U23王者であるプリースパイタースンは、平坦路かつ直線路が大半を占めるコースで、実力通り21分11秒の好タイムでフィニッシュ。そしてこのタイムを上回ることができたのは、続く107名の選手のうち僅か7名だけだった。
同じ前半スタート組の中でプリースパイタースンのタイムを更新したのは、ロードのイタリア王者であるアルベルト・ベッティオル(XDSアスタナ)。最速タイムを20秒も縮める快走には、母国のTTスペシャリストであるシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)も及ばない。そして総合トップ10の登場を前に、総合11位のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がスタートを切った。
大会初日の3.44kmプロローグを除けば、今季初の個人TTとなったエヴェネプール。「(怪我をした)肩の感覚は良く、特にコーナーや直線でも問題はなかった」とTT世界王者であり、またパリ五輪金メダリストが語ったように、暫定トップのベッティオルのタイムを18秒更新する20分33秒でフィニッシュ。平均スピードが50km/hに迫る快走で、ホットシートに腰を掛けた。


昨年12月の交通事故による怪我から復帰し、グランツールシーズンの開幕を前に完全復活の予感を漂わせたエヴェネプールのタイムには、総合上位勢も及ばない。そして最後から2番目に、総合はもちろんステージ優勝の候補でもあるジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)がスタート。背の低い丘の頂上に設定された中間計測地点(残り11.9km)を、アルメイダはトップのエヴェネプールから10秒遅れで通過した。
アルメイダはその後、タイム差を縮めることはできず、エヴェネプールから11秒遅れでフィニッシュ。しかし区間13位に終わったレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)を総合タイムで26秒上回り、総合優勝に輝いた。

ステージ優勝を掴んだエヴェネプールは「とても嬉しい勝利。ここ数週間における自分の走りには満足しているよ。ここまで2勝を飾り、自分のリズムを取り戻すことができた。この後は回復に努め、夏に向けての準備を進めたい」とコメント。予定では6月8日開幕のクリテリウム・デュ・ドーフィネから、7月5日開幕のツール・ド・フランス出場を予定している。
一方、4月のイツリア・バスクカントリーに続き、連続で総合優勝を飾ったアルメイダ。「不運にもステージ優勝はできなかったが、目標である総合優勝をすることができた。『終わり良ければ全て良し』というように、今日は満足な日となった。しかし正直、大会を通して100%と感じることはできなかった。それでもその中でベストを尽くし、決して諦めず走り続けた」と語った。

アルメイダはこの後、6月15日開幕のツール・ド・スイスからツールに出場予定だ。
ツール・ド・ロマンディ2025第5ステージ結果
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 20:33 |
2位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:11 |
3位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ) | +0:18 |
4位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) | +0:23 |
5位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:26 |
6位 | ラウル・ガルシア(スペイン、アルケア・B&Bホテルズ) | +0:32 |
7位 | ティボー・ゲルナレック(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | +0:33 |
8位 | ヨハン・プリースパイタースン(デンマーク、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:38 |
9位 | レミ・カヴァニャ(フランス、グルパマFDJ) | +0:39 |
10位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) |
個人総合成績
1位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | 16:50:44 |
2位 | レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:26 |
3位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) | +0:41 |
4位 | ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ) | +1:22 |
5位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +1:26 |
6位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +1:31 |
7位 | フアン・ロペス(スペイン、リドル・トレック) | +2:05 |
8位 | ウィリアムジュニア・ルセルフ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +2:16 |
9位 | マティス・ロンデル(フランス、チューダー・プロサイクリング) | +2:43 |
10位 | ハビエル・ロモ(スペイン、モビスター) | +2:58 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) |
山岳賞 | ベン・ツィーホフ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) |
ヤングライダー賞 | レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツXRG |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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