アンテルマルシェ・ワンティがタコ・ファンデルホールン(オランダ)と2年の契約延長を発表した。同選手は脳震盪による1年4ヶ月の休養から今年8月にレース復帰し、10月には復活勝利を飾った。



チームとの契約更新が発表されたタコ・ファンデルホールン(オランダ) photo:CorVos

「ベストコンディションに戻り、未来に向けて自信を持っている。復帰までの18ヶ月間を言葉で表すことは難しいが、僕の経験が暗闇にいる人たちのモデルケースになればと思っている。僕とチームは同じ未来を見据えている」とファンデルホールンは、契約更新に際しコメントした。契約期間は2026年までの2年間。

ファンデルホールンは2017年にプロデビューした31歳のクラシックレーサー。ヴィスマ・リースアバイクを経て2021年に現チームに加入。同年のジロ・デ・イタリアでは迫る集団を振り切り、劇的な独走からグランツール初優勝を掴み、その後も逃げの名手として活躍した。

2022年ジロで逃げ切り勝利を飾ったタコ・ファンデルホールン(オランダ) photo:CorVos

しかし2023年のロンド・ファン・フラーンデレンで発生した落車で脳震盪を起こすと、その後ファンデルホールンは後遺症に悩まされる。「最初は日常生活にも支障をきたすほどで、家でじっとしていなければならなかった。本が読めず、友達と遊びに行くこともテレビを観ることもできなかった」と昨年語っていた。

今年8月、1年4ヶ月振りのレース復帰。そして10月に母国オランダで開催されたベットシティ・エルフステデンレース(UCI1.1)に出場したファンデルホールンは、得意とする逃げ切りから復活勝利を飾った。

チームのパフォーマンス・マネージャーを務めるアイケ・ヴィスビーク氏は、ファンデルホールンについて「タコは選手の模範となり、その人柄と態度でチームメイトを鼓舞する選手。来シーズン以降も彼を頼りにでき、とても嬉しく思う。特にクラシックレースでの成功を目指し、共に勝利を目指したい」と評価している。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Intermarché - Wanty