今年トリプルクラウンを達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア)の来季について、UAEチームエミレーツのファビオ・バルダート監督が言及。ツールを軸にブエルタへの出場を示唆し、本人最大の狙いはミラノ〜サンレモなのだという。



今年トリプルクラウンを達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

2024年シーズンはジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの総合優勝、またロード世界選手権制覇と驚異的な結果を残したポガチャル。UAEチームエミレーツも過去最高となる81勝を記録し、ライバルのヴィスマ・リースアバイクが不調だったこともありワールドツアーを席巻した。

UAEのファビオ・バルダート監督はイタリアメディアのインタビューに対し、「12月10〜20日にスペインで実施するトレーニング合宿で、来季スケジュールの議論は行われる」とコメント。その中でも注目されるのは、ポガチャルのブエルタ・ア・エスパーニャ参戦の可能性だ。

プロデビュー初年度(2019年)にブエルタに出場したポガチャルは、山岳ステージで2勝を飾り、ヤングライダー賞と総合3位に輝いた。それ以来ブエルタへの出場はないことから、総合優勝への期待は大きい。

2019年ブエルタで総合3位に入ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Kei Tsuji

ミラノ〜サンレモで3位と勝利を逃したポガチャル photo:CorVos

ツール・ド・フランスの連覇が最大の目標であることを認めつつ、バルダート監督は「タデイ自身はミラノ〜サンレモでの勝利を切望している」と明かす。3月中旬に開催されるモニュメント(5大クラシック)は、スプリントとテクニックが鍵となる難しいレース。ポガチャルはこれまで4回の出場で、2022年から徐々に順位を上げてきたが(5位→4位→3位)、登坂アタックを十分に活かしきれず、スプリンターとの厳しい戦いが続いている。

またチーム内における来季グランツールの戦略も注目されている。一部報道によれば、ジロ・デ・イタリアには22歳のフアン・アユソ(スペイン)と20歳のイサーク・デルトロ(メキシコ)が臨む可能性が高いのだという。

text:Sotaro.Arakawa