アンドレイ・アマドール(コスタリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)が引退を発表した。モビスターで長らく活躍した同選手は38歳のクライマーで、今年5月にトラックと接触する事故に見舞われ、実戦復帰を目指しリハビリに励んでいた。



引退を発表したアンドレイ・アマドール(コスタリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos

2009年のプロデビュー以来、数少ないコスタリカ出身選手としてプロトンを走ってきたアマドール。11年間在籍したモビスターでは、チームの黄金期を支える重要な戦力として活躍。その後イネオス・グレナディアーズを経て、2023年にEFエデュケーション・イージーポストへ移籍。ツール・ド・フランス7度の出場を含む、数々のグランツールとクラシックレースで存在感を示してきた。

今シーズンは3月のミラノ〜トリノでスタートを切ったものの、5月にスペイン・バルセロナでの練習中に不運な事故に遭遇。足首と脚の骨折という大きな怪我を負ったが、幸いにも命に別状はなかった。懸命なリハビリの末、復帰を目指していたが、最終的に引退を決意するに至った。

2012年ジロ・デ・イタリア第14ステージで勝利したアンドレイ・アマドール(コスタリカ) photo:Kei.Tsuji

マリアローザを着て走るアンドレイ・アマドール(コスタリカ) photo:Kei Tsuji

「簡単な決断ではなかった」とアマドールはSNSで心境を語る。「予定していたことではないが、人生と自転車競技には自分の身体の声を聞き、健康を優先しなければならない時がある。プロ選手という立場ではなくなるが、愛するこのスポーツとの関係は維持していきたい」と決意を語った。

2012年のジロ・デ・イタリアでステージ優勝、2015年大会では総合4位に入り、2016年はマリアローザも着用したアマドール。プロ通算2勝という数字以上の価値を持つ選手として、「素晴らしい記憶を大切にし、常にベストを尽くした走りに満足している。いまは休み、身体を労る時。ありがとう。また会う日まで」と16年に及ぶプロキャリアに別れを告げた。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Kei Tsuji