出走前の不調を明かしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)。勝利したキュングへの称賛や、タデイ・ポガチャルと共に達成したスロベニア人による3大ツール総合優勝の喜びなどを語った。



マイヨロホ プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

総合優勝を確定させたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

レース直後インタビュー

(最多優勝記録は)嬉しいことだ。今日はタフなレースだったが、すべてが上手くいった。満足な結果だよ。キュングの走りは素晴らしく、このような平坦コースを彼が得意とすることは明らかだ。自らモチベーションを高め、勝利を狙いにいった。(勝利を狙わない方が)辛いからね。強く踏み込んだのだが、厳しい戦いを制した彼を祝福したい。今日の彼はとても強かった。僕自身は楽しみながら走ることができたよ。

―昨年のグランツールは皆同じチーム(当時ユンボ・ヴィスマ)で、君はその1人だった。そして今年はスロベニア人が全てで総合優勝を飾った。

言葉がないほど素晴らしいよ。ここまで来るのに多くの犠牲を払ってきた。それは僕だけでなく、家族や周りの人たちにとっても同じこと。この結果がとても嬉しいし、周りのサポートに感謝している。

―5度目の総合優勝を狙いに行くか?

もちろん5勝できれば素晴らしいが、4勝はすでにクレイジーな結果だよ。

最多タイに並ぶ4度目の総合優勝を喜ぶプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

表彰式後インタビュー

今日はすでに20回トイレに駆け込んだ。だが僕にはこの大会を(総合優勝して)終わらせないといかなかった。これは僕らに課された挑戦であり、今後はこういった事態を防げるようにしなければならない。でもその対策は後で考えればよくて、いまはこの勝利を喜びたい。

体調不良というほどではなかったが、絶好調ではなかった。僕のお腹の状態を含めてね。もうこのことについて話したくない。無事に総合優勝することができたのだからね。

―スロベニアがグランツールを完全制覇したことについては?

クレイジーだし、その一部を担うことができて嬉しいよ。

チームスタッフと総合優勝を喜ぶプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

―新しいチームに移籍しての総合優勝だ。

環境や周りの人たち、機材も新しくなった。だがその中でも最高の成績を残すことができた。もちろんまだまだ向上すべきところはあるが、いまはこの時を楽しみたい。

―この3週間で自分の勝利を疑ったことはあったか?

もちろん、僕も人間なので気持ちの浮き沈みはあった。でもそんな時に大事なのが、目の前にあるタスクに集中すること。それが自分でコントロールできる唯一のことだからね。そうやって勝つことができれば嬉しいし、良い結果じゃなかった時は僕よりも優れた人がいたまでだ。

この数ヶ月間にも及ぶレースを離れ、家に帰ることができて嬉しいよ。僕自身を含め、大きな犠牲を払った末に掴んだ結果だからね。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos