今大会6勝目をタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は「夏に向けて良い状態でジロを終えたかった」と語った。総合2位を守ったマルティネスや新人賞をほぼ確定させたティベーリなど、ジロ第20ステージを選手のコメントで振り返ります。



区間優勝&マリアローザ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

残り36.1kmでプロトンを飛び出したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:RCS Sport

今日はチームとして完璧な走りができた。序盤から最初の山岳まではモラノとルイ(オリヴェイラ)が大きな逃げ集団ができないようペースをコントロールし、その後はヴェガール(ラエンゲン)とミッケル(ビョーグ)が一度目の登りで良いペースを刻んだ。その後のダウンヒルはリスクを取らず安全に下った。

(2度目の登りでは)ミーティング通りの完璧なペースを作り、僕の脚の調子も良かった。(アタック後)頂上で十分なタイム差があったので、下りは全力で行く必要がなく安全な走りを心がけた。登りでは大勢の観客から声援を受け、言葉では表現できないような感動があったよ。

お辞儀をしながらフィニッシュするタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

―なぜ今日、勝利を狙いに行ったのか?

わからないし、その必要はなかったのかもしれない。だが第2ステージからマリアローザを着用したため、様々な責務を日々こなさなくてはならなかった。また今日は夏に向けたテストという意味合いもあった。だからこのジロを良い気持ちとコンディションで終えたかった。それを今日、無事に果たすことができた。

明日のローマは初めて訪れる場所。晴天であることを望みながら、楽しみ、難しいかもしれないがルイとモラノで良い結果を狙いに行きたい。そして無事にレースを終え、早く家に帰りたいよ。

区間3位&総合2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)

独走を許したポガチャルを追うダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:RCS Sport

ステージ優勝するマインドセットでレースに臨んだのだが、ポガチャルの走りが素晴らしかった。彼はいま最高の状態にあり、あのアタックには誰もついていくことはできない。

トーマスが遅れたのでティベーリがアタックしたんだ。だから僕も彼についていき、互いに協力することができた。本当はもっとトーマスに対してタイムを稼ぎたかった。僕らは全力で踏み込んだのだが、下りで追いつかれてしまった。

区間4位&総合5位&マリアビアンカ アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)

2位スプリントはヴァランタン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)が先着した photo:CorVos

今日は今大会で一番調子が良かった。ポガチャルがアタックした瞬間、頂上までの5kmを食らいつきたかった。なぜならオコーナーとゲラント(トーマス)が少し遅れるのが見えたからね。だけど彼らは20〜25秒差をキープし、下りを全力で踏んだのだが、登り返しの後に追いつかれてしまった。でも、僕にとって良い1日となったよ。

明日は僕の人生おいて最高の日となるだろう。なぜなら僕の故郷がある地域で、皆にこのマリアビアンカを着て走る姿を見せることができるのだからね。もちろん、来年はマリアローザを着てローマを走りたい。

区間7位&総合3位 ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

追走集団に追いつき、区間7位で総合3位をまもったゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:RCS Sport

まずは幸運にも天候が回復してくれてよかった。また正直今日の調子は良くも悪くもなかった。だが登りに入り「これは最悪の誕生日になりそうだ」と思った。UAEによるペースアップからのポガチャルのアタックにはついていけず、自分のリズムで登るしかなかった。

だが運良くオコーナーとそのチームメイトがそばにおり、頂上にむけてよいスピードを維持してくれた。その後の下りを含めフィニッシュまでは、コントロールしながら走ることができた。

総合2位には上がれなかったが後悔はない。チームを含め僕たちはベストを尽くした。それにダニー(マルティネス)も良い走りを見せたからね。とにかく…いまは疲れたよ。

―勝利したポガチャルについてどう思うか。

いままで多くの強い選手とレースしてきたが、彼ほど万能で積極的な選手はいない。驚くほど才能に恵まれた選手だよ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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