ヴィスマ・リースアバイクを率いるメーリン・ゼーマン監督が、共に落車で骨折を負ったファンアールトとヴィンゲゴーについてコメント。「共に100%の状態でファンアールトはジロ、ヴィンゲゴーはツールに出場するべき」と語った。



ジロへの出場を予定していたワウト・ファンアールト(ベルギー) photo:CorVos

3大ツール(ジロ、ツール、ブエルタ)全てで総合優勝を飾り、2023年を大成功のシーズンとしたヴィスマ・リースアバイク。そんな常勝軍団にいま、最大とも言える危機が訪れている。

まずは3月27日に行われたドワーズ・ドール・フラーンデレンでワウト・ファンアールト(ベルギー)が落車。ロンド・ファン・フラーンデレンの前哨戦かつ、パリ〜ルーベに向けて調子を上げていく最中に鎖骨と肋骨、胸骨を骨折した。その後手術が終わったファンアールトはSNSを通して無事を報告し、アスリート向けSNSのSTRAVAに歩行のログを残すなど順調な回復をアピールしている。

そして今度はヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)が4月4日のイツリア・バスクカントリー第4ステージで落車し、鎖骨と肋骨の骨折に加え、肺挫傷と気胸を負っていることが分かったのだ。

骨折や肺挫傷、気胸によりツール出場が不透明なヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク) photo:CorVos

今年はジロ・デ・イタリアにファンアールトが、ツール・ド・フランスではヴィンゲゴーが総合3連覇を目指す予定だったヴィスマ。この危機的状況について、パリ〜ルーベ直後のインタビューに答えたメーリン・ゼーマン監督は「いま計画を立てることは非常に困難な状況だ。ワウト(ファンアールト)がジロに間に合うのか、またヨナス(ヴィンゲゴー)はツールに出場できるのか。だめなら2人は何を目指すのか。それをいつ決めるのかなど、今後取ることのできる選択肢は多い」とコメント。

また「ワウトについては早急に決断をしなければならず、ヨナスの場合はツールまで少し(時間的)余裕がある。この後の2週間で物事が明確になると思うので、具体的な目標を立てていきたい。2人とも100%の状態でジロ、そしてツールに出場するべきだ」と語った。

昨年はグランツールだけでなく、石畳クラシックでもその強さを発揮したヴィスマ。しかし今年はファンアールトの怪我はもちろん、クリストフ・ラポルト(フランス)が体調不良とサドル痛で不在。またパリ〜ルーベに間に合ったラポルトはパンクに見舞われ25位でフィニッシュし、ディラン・ファンバーレ(オランダ)が体調不良により不出場と結果を残すことができなかった。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos