フランス南部で行われたフォーン・ドローム・クラシックは残り5kmでアタックを決めたマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)が勝利。2位には前日のフォーン・アルデシュ・クラシックを制したフアン・アユソ(スペイン)が入り、UAEがワンツーフィニッシュを決めた。



一人少ない6名で臨みながらもアユソやヒルシなど強豪を揃えたUAEチームエミレーツ photo:CorVos

ヴィスマ・リースアバイクが2連勝したオンループ・ヘットニュースブラッドとクールネ~ブリュッセル~クールネの日程と重なるように、フランス南部では兄弟レースであるフォーン・アルデシュ・クラシックとフォーン・ドローム・クラシック(共にUCI1.Pro)が行われた。

フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)が制したフォーン・アルデシュが山岳レースであるのに対し、2月25日のフォーン・ドロームは低難易度の丘が17箇所設定された丘陵レース。ビンゴールWBの下部チーム所属のノア・デタール(ベルギー)ら3名が逃げ、メイン集団との差を4分近くまで拡げた。

17箇所の短い丘を越えていく選手たち photo:CorVos

この日メイン集団のコントロールを担当したのは、前日レースを制したUAEチームエミレーツとロット・デスティニー。特に若手エースのマキシム・ファンヒルス(ベルギー)が前日5位と悔しい結果に終わったロットは、牽引に力を入れたためフィニッシュまで50kmを残し逃げを吸収。そして雨雲が太陽を隠すなか、この日最高難易度のコル・ド・ラ・グランド・リミット(距離4.6km/平均6.1%)でリドル・トレックがペースアップ。ひと塊となった集団が崩壊した。

登坂距離1.6km/平均勾配8%の急坂コート・デ・ロベーに至る頃に、前日勝者のアユソやチームメイトのマルク・ヒルシ(スイス)、ファンヒルス、ワレン・バルギル(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)など優勝候補を含む6名の集団が形成される。その後先頭集団は3つの短い登りをクリアし、フィニッシュまで4.8kmを残す平坦区間でヒルシがアタックした。

残り4.8kmでのアタックを決め、勝利を掴んだマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

前日からの雨で濡れた路面をものともせず、ヒルシは追いかける5名との差を10秒まで拡げる。またペースアップを阻害し、追走集団から抜け出すアタックを潰すアユソの動きの甲斐もあり、ヒルシは残り1km地点を15秒差で通過。そして白に赤のストライプの入るスイス王者ジャージを着たヒルシが、そのままフィニッシュラインに辿り着いた。

2位にはフィニッシュ手前の短い丘でアタックしたアユソが入ったため、UAEチームエミレーツはワンツーフィニッシュを達成。ベルギーのセミクラシックをヴィスマが2戦2勝する裏で、フランスのワンデーレースをUAEが席巻した。
フォーン・ドローム・クラシック2024結果
1位 マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) 4:41:28
2位 フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) +0:05
3位 マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー) +0:08
4位 ワレン・バルギル(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) +0:12
5位 マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) +0:15
6位 バスティアン・トロンション(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) +0:25
7位 ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) +1:05
8位 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) +1:07
9位 ブノワ・コスヌフロワ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) +1:21
10位 ドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos