2023/12/05(火) - 16:55
今年2回目となるフランス開催のCXワールドカップ。男子エリートではエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が包囲網を打ち破って今季2度目のW杯勝利を叶えている。
スーパープレスティージュ第5戦を終えたトップシクロクロスレーサーたちはすぐに直線距離で600kmも離れたフランスにワープ。イギリス海峡に突き出たノルマンディーの街、フラマンヴィルで開催されたUCIワールドカップ第6戦へと転戦した。池の周りの平坦区間と森林区間を繋いだコースは難しいキャンバーがたっぷりと設定され、ノルマンディーらしい曇り空によってその大部分は湿り気を帯びたまま乾かず、滑りやすい泥に覆われた。各カテゴリー共にテクニックとパワーが求められるレースが繰り広げられることとなる。
女子エリート:元世界女王ブラント勝利、次世代のシュライバーとベントフェルトがW杯初表彰台
前日勝者フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)と2位パック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)不在の女子エリートレースは、序盤から20歳のマリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス)と19歳のレオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)がダッシュ。しかし序盤に巻き込まれた落車から挽回したルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が2周目に入ってこの二人を捉えた。
「スタートでペダルキャッチをミスして遅れたけど、一旦息を整えてポジションを上げたらすぐ復帰できた。先週ほどではないけど脚があった」と言う元世界女王は、持ち前の馬力であっという間に独走態勢に移行する。粘り強く追走するシュライバーたちを寄せ付けずアイルランド開催の第5戦に続くワールドカップ2連勝をマークした。
2位はシュライバー、3位はベントフェルドと勢いのある2人がそれぞれキャリア初となるW杯表彰台を獲得。シュライバーは「今年の目標だった表彰台を叶えることができて素晴らしい気分。去年まではモチベーションが高すぎるあまり失速していたけど、今年はそれを修正できている」とコメントしている。オランダ勢に対抗し得る期待の若手選手が早くも結果を残すこととなった。
男子エリート:イゼルビットがバロワーズ勢の包囲網を打ち破る
男子エリートレースは厚い選手層を誇るバロワーズ・トレック・ライオンズ勢とエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)の構図になった。序盤から連勝を狙って独走したピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)に対し、W杯ランキングリーダーのイゼルビットはラース・ファンデルハールとヨリス・ニューウェンハイスのバロワーズ包囲網の厳しいチェックを受け続けた。
均衡が破れたのはレース中盤を過ぎてからのこと。「スタートがすごく悪かったけど、次第にコース内の良いラインを見つけてスムーズに走れるようになった」と言うイゼルビットが包囲網を突破し、全7周回中の5周目に合流。1対1の一騎討ちに持ち込まれるかと思いきや、滑りやすいキャンバーの切り返しでミスしたロンハールをイゼルビットが抜き去った。
ロンハールは一度追いついたものの、序盤から逃げ続けていたことが祟って水を開けられてしまう。テクニカルパートの処理が光るイゼルビットは20秒以上のリードを持って最終周回へ。2位に上がって追い込むファンデルハールを退け、ランキングリーダーが今季W杯2勝目をマークした。
「レース中に自分自身進化できたことは大きな収穫だったよ。リーダージャージを維持するためにも重要な勝利なのでハッピーさ。今日は良い写真を(SNSに)投稿できるよ」と笑うイゼルビット。「単純にエリ(イゼルビット)が強かったね。ペースを上げて逃げたけど実際調子は良くなかったんだ。今日のところは表彰台に上がれただけで満足だ」と3位に沈んだロンハールは話している。
次戦のUCIシクロクロスは、MTBレースでお馴染みのイタリア、ヴァル・ディ・ソーレ。シーズン唯一の完全スノー&アイスレースで番狂わせが怒るだろうか?
スーパープレスティージュ第5戦を終えたトップシクロクロスレーサーたちはすぐに直線距離で600kmも離れたフランスにワープ。イギリス海峡に突き出たノルマンディーの街、フラマンヴィルで開催されたUCIワールドカップ第6戦へと転戦した。池の周りの平坦区間と森林区間を繋いだコースは難しいキャンバーがたっぷりと設定され、ノルマンディーらしい曇り空によってその大部分は湿り気を帯びたまま乾かず、滑りやすい泥に覆われた。各カテゴリー共にテクニックとパワーが求められるレースが繰り広げられることとなる。
女子エリート:元世界女王ブラント勝利、次世代のシュライバーとベントフェルトがW杯初表彰台
前日勝者フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)と2位パック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)不在の女子エリートレースは、序盤から20歳のマリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス)と19歳のレオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)がダッシュ。しかし序盤に巻き込まれた落車から挽回したルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が2周目に入ってこの二人を捉えた。
「スタートでペダルキャッチをミスして遅れたけど、一旦息を整えてポジションを上げたらすぐ復帰できた。先週ほどではないけど脚があった」と言う元世界女王は、持ち前の馬力であっという間に独走態勢に移行する。粘り強く追走するシュライバーたちを寄せ付けずアイルランド開催の第5戦に続くワールドカップ2連勝をマークした。
2位はシュライバー、3位はベントフェルドと勢いのある2人がそれぞれキャリア初となるW杯表彰台を獲得。シュライバーは「今年の目標だった表彰台を叶えることができて素晴らしい気分。去年まではモチベーションが高すぎるあまり失速していたけど、今年はそれを修正できている」とコメントしている。オランダ勢に対抗し得る期待の若手選手が早くも結果を残すこととなった。
男子エリート:イゼルビットがバロワーズ勢の包囲網を打ち破る
男子エリートレースは厚い選手層を誇るバロワーズ・トレック・ライオンズ勢とエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)の構図になった。序盤から連勝を狙って独走したピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)に対し、W杯ランキングリーダーのイゼルビットはラース・ファンデルハールとヨリス・ニューウェンハイスのバロワーズ包囲網の厳しいチェックを受け続けた。
均衡が破れたのはレース中盤を過ぎてからのこと。「スタートがすごく悪かったけど、次第にコース内の良いラインを見つけてスムーズに走れるようになった」と言うイゼルビットが包囲網を突破し、全7周回中の5周目に合流。1対1の一騎討ちに持ち込まれるかと思いきや、滑りやすいキャンバーの切り返しでミスしたロンハールをイゼルビットが抜き去った。
ロンハールは一度追いついたものの、序盤から逃げ続けていたことが祟って水を開けられてしまう。テクニカルパートの処理が光るイゼルビットは20秒以上のリードを持って最終周回へ。2位に上がって追い込むファンデルハールを退け、ランキングリーダーが今季W杯2勝目をマークした。
「レース中に自分自身進化できたことは大きな収穫だったよ。リーダージャージを維持するためにも重要な勝利なのでハッピーさ。今日は良い写真を(SNSに)投稿できるよ」と笑うイゼルビット。「単純にエリ(イゼルビット)が強かったね。ペースを上げて逃げたけど実際調子は良くなかったんだ。今日のところは表彰台に上がれただけで満足だ」と3位に沈んだロンハールは話している。
次戦のUCIシクロクロスは、MTBレースでお馴染みのイタリア、ヴァル・ディ・ソーレ。シーズン唯一の完全スノー&アイスレースで番狂わせが怒るだろうか?
UCIシクロクロスワールドカップ2023-2024 第6戦 女子エリート結果
1位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 50:05 |
2位 | マリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス) | +0:20 |
3位 | レオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:30 |
4位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:45 |
5位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:55 |
6位 | アンマリー・ワースト(オランダ、シクロクロスレッズ) | +0:58 |
7位 | マノン・バッカー(オランダ、クレラン・コレンドン) | +0:59 |
8位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン) | +1:17 |
9位 | エレーヌ・クラウツェル(フランス、ASバイクレーシング) | +1:21 |
10位 | アマンディーヌ・フォークネ(フランス、アルケアプロサイクリング) | +1:29 |
UCIシクロクロスワールドカップ2023-2024 第6戦 男子エリート結果
1位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 1:00:09 |
2位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:13 |
3位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:47 |
4位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:54 |
5位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +1:23 |
6位 | ケヴィン・クーン(スイス、サーカス・レウス・テックノルド) | +1:36 |
7位 | エミエル・フェルストリンゲ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:47 |
8位 | ライアン・カンプ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | |
9位 | イェンス・アダムス(ベルギー) | +2:04 |
10位 | ヨラン・ウィズール(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +2:16 |
text:So.Isobe
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