2023/11/27(月) - 12:46
アイルランドに渡ったCXワールドカップは雨の泥レースに。ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が女子レースで圧倒し、ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が男子エリートの熾烈なサバイバルレースを制した。
UCIシクロクロスワールドカップは本場ベネルクスを飛び出してアイルランドへ。2年連続開催となるのダブリンラウンドは昨年から若干のコース変更が行われたものの、草地メインのパワーコースという印象は変わらない。折りからの雨によってコースは全周スリッピーな泥コンディションに仕上がった。
多忙なスケジュールを強いられるシクロクロスシーズンゆえ、男女ともに一部トップ選手はこのダブリンラウンドをスキップ。女子では世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)の3名が全員不在となり、男子でもラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)などが出場を見送っている。
女子エリート:力強い走りでブラント独走。肩手術から復帰後初のW杯優勝
44名が出走した女子エリートカテゴリーでは、序盤からルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が飛ばしに飛ばした。「最初のテクニカルパートを過ぎたら少し差が付いていたのでトライしてみようと思った。今日は力があったし、簡単に独走に持ち込めた」と振り返る元世界女王に対して、W杯リーダーのセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が単独2番手で追走に回る。
パワー溢れる走りを身上とするブラントは、集中した表情を崩さず泥と草地のパワーコースを邁進。「ミスが多くリズムに乗ることができなかった。ワット数がモノを言うルシンダにパーフェクトマッチのレースだったと思う」と振り返るアルバラードは、レースが進むたびに水を空けられてしまった。
9月のシマック・レディースツアー中の落車で手術を要する肩の怪我から2ヶ月半。リハビリでシーズンインが遅れていたブラントが、昨年の1月以来となるワールドカップ優勝を達成した。「もちろん良い結果を狙っていたけど勝てるとは思わなかった。最後まで戦い抜いた結果のグッドサプライズになった」と笑顔でインタビューに応えている。アルバラードは2位に食い込みランキングリーダーの座をキープした。
男子エリート:スウェークを退けたロンハールが今季W杯2勝目
男子エリートレースのホールショットを奪ったのはニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)で、前日レースの落車で右鎖骨周辺の肩関節の部分脱臼を負った欧州王者マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)は混戦の中ピットインして最後尾へ。雨で泥成分が高まるコース上は、序盤からサバイバルレースの様相を呈していった。
ベルギー中の注目を集めるサラブレッド、ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が頭ひとつ抜け出してレースを引っ張り、団子状態の2番手グループからはランキングリーダーのエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が抜け出して全7周回中の4周目に合流に成功。しかし次々に後続勢が追いついたことでレースは振り出しに戻った。
厳しいセレクションが掛かる中、ホームストレートでパワフルなアタックを掛けたのはピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)だった。W杯第2戦を制した22歳がパワフルな走りで逃げたが、タフレースに強いローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン)が最終局面で追いついてくる。真っ直ぐ走ることさえ困難なフィニッシュ手前の泥区間でスウェークが仕掛けたものの決まらず、最終コーナーでロンハールがカウンター。諦めて項垂れるスウェークを退け、ロンハールが値千金のW杯今季2勝目を手に入れた。
「今日はティボーが勝つだろうと思っていたよ。彼のペースがとても速かったから。でも40分を過ぎて僕のコンディションが上がったんだ。最後のスプリントを待っていたよ」と話す若き勝者。今季まで勝ち星がないスウェークが2位、「最後に力尽きてしまった」と言うイゼルビットは3位。レースを作ったネイスは6位に終わっている。
UCIシクロクロスワールドカップは本場ベネルクスを飛び出してアイルランドへ。2年連続開催となるのダブリンラウンドは昨年から若干のコース変更が行われたものの、草地メインのパワーコースという印象は変わらない。折りからの雨によってコースは全周スリッピーな泥コンディションに仕上がった。
多忙なスケジュールを強いられるシクロクロスシーズンゆえ、男女ともに一部トップ選手はこのダブリンラウンドをスキップ。女子では世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)の3名が全員不在となり、男子でもラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)などが出場を見送っている。
女子エリート:力強い走りでブラント独走。肩手術から復帰後初のW杯優勝
44名が出走した女子エリートカテゴリーでは、序盤からルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が飛ばしに飛ばした。「最初のテクニカルパートを過ぎたら少し差が付いていたのでトライしてみようと思った。今日は力があったし、簡単に独走に持ち込めた」と振り返る元世界女王に対して、W杯リーダーのセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が単独2番手で追走に回る。
パワー溢れる走りを身上とするブラントは、集中した表情を崩さず泥と草地のパワーコースを邁進。「ミスが多くリズムに乗ることができなかった。ワット数がモノを言うルシンダにパーフェクトマッチのレースだったと思う」と振り返るアルバラードは、レースが進むたびに水を空けられてしまった。
9月のシマック・レディースツアー中の落車で手術を要する肩の怪我から2ヶ月半。リハビリでシーズンインが遅れていたブラントが、昨年の1月以来となるワールドカップ優勝を達成した。「もちろん良い結果を狙っていたけど勝てるとは思わなかった。最後まで戦い抜いた結果のグッドサプライズになった」と笑顔でインタビューに応えている。アルバラードは2位に食い込みランキングリーダーの座をキープした。
男子エリート:スウェークを退けたロンハールが今季W杯2勝目
男子エリートレースのホールショットを奪ったのはニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)で、前日レースの落車で右鎖骨周辺の肩関節の部分脱臼を負った欧州王者マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)は混戦の中ピットインして最後尾へ。雨で泥成分が高まるコース上は、序盤からサバイバルレースの様相を呈していった。
ベルギー中の注目を集めるサラブレッド、ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が頭ひとつ抜け出してレースを引っ張り、団子状態の2番手グループからはランキングリーダーのエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が抜け出して全7周回中の4周目に合流に成功。しかし次々に後続勢が追いついたことでレースは振り出しに戻った。
厳しいセレクションが掛かる中、ホームストレートでパワフルなアタックを掛けたのはピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)だった。W杯第2戦を制した22歳がパワフルな走りで逃げたが、タフレースに強いローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン)が最終局面で追いついてくる。真っ直ぐ走ることさえ困難なフィニッシュ手前の泥区間でスウェークが仕掛けたものの決まらず、最終コーナーでロンハールがカウンター。諦めて項垂れるスウェークを退け、ロンハールが値千金のW杯今季2勝目を手に入れた。
「今日はティボーが勝つだろうと思っていたよ。彼のペースがとても速かったから。でも40分を過ぎて僕のコンディションが上がったんだ。最後のスプリントを待っていたよ」と話す若き勝者。今季まで勝ち星がないスウェークが2位、「最後に力尽きてしまった」と言うイゼルビットは3位。レースを作ったネイスは6位に終わっている。
UCIシクロクロスワールドカップ2023-2024 第5戦 女子エリート結果
1位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 54:59 |
2位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:38 |
3位 | ゾーイ・バックステッド(イギリス、キャニオン・スラム) | +0:45 |
4位 | マリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス) | +0:57 |
5位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン) | +1:10 |
6位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、シクロクロスレッズ) | +1:16 |
7位 | マガリー・ロシェット(カナダ) | +1:19 |
8位 | クリスティナ・ゼマノヴァ(チェコ、ブライオンレーシングチームMB) | +1:23 |
9位 | サラ・カサソラ(イタリア、FASエアポートサービス・グエルチョッティ) | +1:26 |
10位 | レオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:39 |
UCIシクロクロスワールドカップ2023-2024 第5戦 男子エリート結果
1位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 57:17 |
2位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +0:02 |
3位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:20 |
4位 | ヨラン・ウィズール(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +0:28 |
5位 | イェンス・アダムス(ベルギー) | +0:37 |
6位 | ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:59 |
7位 | ライアン・カンプ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | |
8位 | ケヴィン・クーン(スイス、サーカス・レウス・テックノルド) | +1:19 |
9位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +1:25 |
10位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:29 |
text:So.Isobe
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