11月18日、伊豆ベロドロームで開催されたジャパントラックカップ最終日は、6種目が行われた。男子オムニアムは兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が逆転勝利。女子マディソンは垣田真穂と内野艶和のチーム楽天Kドリームス2が優勝した。ケイリンでは、男子は中野慎詞(日本ナショナルチーム)、女子は太田りゆ(チームブリヂストンサイクリング)が優勝した。



ジャパントラックカップⅡ 最終日の伊豆ベロドローム photo:Satoru Kato

ジャパントラックカップ最終日 唯一の休日開催で観客が増えた photo:Satoru Kato

男子オムニアム

男子オムニアム 星条旗に応援されて走るグラン・クンヅ(スタートラックサイクリング) photo:Satoru Kato

男子オムニアム/ポイントレース グラン・クンヅ(スタートラックサイクリング)の飛び出しをチェックする兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato

男子オムニアム 逆転勝利の兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)がウィニングラン photo:Satoru Kato

初日のジャパントラックカップⅠで3位だったグラン・クンヅ(スタートラックサイクリング、アメリカ)が、スクラッチ1位、テンポレースではラップポイントを獲得して1位となり、総合首位争いをリードする。しかしクンヅはエリミネイションで早々に脱落。3種目を終えて橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)が総合首位、2ポイント差で窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が2位、橋本と6ポイント差の3位に兒島直樹となる。最終種目のポイントレースでは、クンズの飛び出しに同調した兒島がラップポイントを獲得して首位に。後半にもラップを成功させ、2位の橋本らに30ポイント以上の差をつけて逆転優勝した。

男子オムニアム 優勝した兒島直樹を橋本英也が讃える photo:Satoru Kato
男子オムニアム 表彰式 photo:Satoru Kato


兒島直樹 コメント
「素晴らしい先輩達に勝てたことは自信になったし、これからに繋がると思う。初日は消極的なレースをして最後のポイントレースで順位を落としてしまったので、今回は優勝したいと思って積極的にレースをした。自分としては毎日を一生懸命過ごしてきたらいつの間にか結果がついてくるようになったので、飛躍したと言ってもらえると嬉しい。今の自分の立ち位置に甘んじず、これからもっと上を目指して世界で闘っていけるようになりたい。ナショナルチームとしてもチームブリヂストンサイクリングとしても来年は重要な年になるので、個人としてもチームとしても、みんなで切磋琢磨しながら頑張っていきたい」



女子マディソン

女子マディソン 1位を争う2チームが同時に交代 photo:Satoru Kato

女子マディソンは、初日に続き垣田真穂と内野艶和のチーム楽天Kドリームス2が他を圧倒。7回のポイント周回のうち6回を1位通過し、得点が倍になるフィニッシュも1位を獲って優勝。アジア大会優勝コンビの力を見せた。

女子マディソン 表彰式 photo:Satoru Kato

内野艶和 コメント
「2回とも優勝出来て嬉しい。来年はすぐにネイションズカップとアジア選手権が続くので、そこでしっかり勝てるように今からトレーニングして備えたい」

垣田真穂 コメント
「疲労が残っていて初日よりもうまく走ることが出来なかった。1月からネイションズカップが始まるので、チームパーシュートとあわせてマディソンも頑張ってポイントを稼ぎたい」



男女ケイリン

男子ケイリン決勝 photo:Satoru Kato

男子ケイリン決勝 僅差のフィニッシュはアウト側中野慎詞(日本ナショナルチーム) photo:Satoru Kato

男子ケイリン決勝は、中野慎詞(日本ナショナルチーム)と山﨑賢人(日本ナショナルチーム)による僅差のハンドル投げ合いとなり、中野が先着して優勝。前日まで短距離種目を総なめしてきた太田海也(チーム楽天Kドリームス)は行き場を失い3位に終わった。

男子ケイリン 表彰式 photo:Satoru Kato

中野慎詞 コメント
「3日間厳しいスケジュールだったが、昨年に比べてモガいても回復する能力だったり体力の容量が増えてると感じた。この先もっとキツいことが増えるから、コーチからは自分の限界値を超える入力をしろと言われていたので、全力で走るだけだと思って望んだ大会だった。

ここまで3つ全て2位で、(太田)海也は全部勝っていたから俺だって獲れるぞというところを見せたかった。(山﨑)賢人さんも強いから簡単ではなかったし、誰が勝ってもおかしくないレースだった。海也は力が抜きん出ているけれど、しっかり喰らいついて追い越してやるという気持ちで行かねばと思う。自分の弱点とする部分が強い選手と練習することで少しずつ力が伸びていると感じている。来年のネイションズカップで成績を残してパリに繋げられるように頑張っていきたい」

女子ケイリン決勝 最終周回を前に先行する太田りゆ(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato

女子ケイリン決勝 太田りゆ(チームブリヂストンサイクリング)と佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)の勝負はイン側の太田が僅かに先着 photo:Satoru Kato

女子ケイリン決勝は、最終周回を前に太田りゆ(チームブリヂストンサイクリング)が先行。佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)が猛追してフィニッシュライン上で並ぶも、僅差で太田が先着して優勝した。

女子ケイリン 表彰式 photo:Satoru Kato

太田りゆ コメント
「初手の並びでレース展開は予想出来ていたが、迷わず自分が出来ることを全力でやった結果がついてきた。最後は自分でも差されたか残ったか分からないくらい僅差だった。ここまで全部2位だったが、それで良いとは1ミリも思っていなかったので勝てて良かった。3日間全力で闘った自分を誇りに思いたい。終わり良ければ全て良しではないけれど、最後までやり切れたと感じている。コーチとも話したが、今大会はタイムとか細かいところは気にせず、やり方をしっかりしたレースをすることを重視した。

まだまだレースや合宿とキツいことが続くが、それを踏まえて1段階も2段階も強くなって五輪を迎えたい。皆さんの期待を力にかえて頑張っていきたい」



パラサイクリング

パラサイクリングMC2 1kmTTと3km個人パーシュートを走った川本翔太 photo:Satoru Kato
パラサイクリングMC2 川本翔太 photo:Satoru Kato

パラサイクリングMB 1kmTTと4km個人パーシュートを走った木村和平・三浦生誠 photo:Satoru Kato
パラサイクリングMB 木村和平・三浦生誠 photo:Satoru Kato


ジャパントラックカップⅡ 男子オムニアム 結果
Sc Te El Po 合計
1位 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) 30 36 36 76 178
2位 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) 32 38 38 38 146
3位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 34 32 40 30 136
4位 グラン・クンヅ(スタートラックサイクリング、アメリカ) 40 40 20 35 135
5位 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) 28 34 34 27 123
6位 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング) 26 26 28 41 121
ジャパントラックカップⅡ 女子マディソン 結果
1位 チーム楽天Kドリームス2(垣田真穂、内野艶和) 43p
2位 チーム楽天Kドリームス1(古山稀絵、池田瑞紀) 24p
3位 日本ナショナルチーム(水谷彩奈、岡本美咲) 21p
ジャパントラックカップⅡ 男女ケイリン 結果
男子 女子
1位 中野慎詞(日本ナショナルチーム) 太田りゆ(チームブリヂストンサイクリング)
2位 山﨑賢人(日本ナショナルチーム) 佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)
3位 太田海也(チーム楽天Kドリームス) 梅川 風子(チーム楽天Kドリームス)
4位 中石 湊(JIK) 小原乃亜(八戸学院大学)
5位 トゥ・チャクハイ(香港) イン・ジー・ウィン(香港)
6位 小原佑太(チーム楽天Kドリームス) ヨン・チョーユー(香港)

text&photo:Satoru Kato