オリジナルブランドをはじめ、国内外のブランドを数多く扱うフカヤが展示会を開催。今年の中盤に取扱が発表されたグラベルフレームブランドのオッツォ、TPUチューブブランドのエクリプス、パーツブランドのロッカーパーツなどを実際にチェックした。



三船雅彦さんがパリ〜ブレスト〜パリで使用したギザロ GE-110が展示された

リアライトは乾電池式のキャットアイTIGHTをチョイス
ハンドル周りはサイクルコンピューターやライトが2つずつ搭載されている



名古屋に拠点を構える総合部品問屋のフカヤ。近年はオリジナルブランドのダボスとギザロから新車を次々にローンチし、躍進を続けてきた。今回の展示会では大きなプロダクトのローンチは行われなかったものの、新製品の開発は続いているとのことで、引き続き2ブランドからのアナウンスには注目したい。

なお8月に開催されたパリ〜ブレスト〜パリ(PBP)に出場した三船雅彦さんが実際に使用したバイクGE-110が展示されており、1200kmにも及ぶ超長距離ライドに臨むセッティングをチェックすることができた。PBPは今大会からDHバーを解禁したものの三船さんは使用せず、ハンドル周りのセッティングはキャットアイのVOLT800を2灯、ブライトンのサイクルコンピューターを2種類という構成で、DHバーの使用を選択しなかった。三船さんのレポートはこちらをチェックしてもらいたい。

また、ダボスやギザロはサイクルモードでの展示に現れていたように、これまで以上に幅広い方が選びやすいカラーが展開されている。どの自転車もコンセプトが設定されているものの、ロードとグラベルの境目がグラデーション的に変化する中で、サイクリストの自由気ままな発想で楽しめることがダボスとギザロの良さ。カラーリングと相まって、どのような方でも相性が良いはずだ。

オッツォのWaheelaというグラベルフレームの実車が展示された

リアエンドの小物にもウルフトゥースのロゴがあしらわれる
ブランド名となったクマの精霊をヘッドマークとした



今回の展示会はフカヤが今年取扱を開始したブランドの新製品がお披露目となったことがポイント。オフロードパーツに造詣が深いコンポーネントブランド"ウルフトゥース"のエンジニアたちが立ち上げたフレームブランドの"オッツォ"はその一つで、今回は第1弾となるフレーム"Waheela"が展示された。

Waheelaはチェーンステー長を3段階から調整可能、かつ650Bと700Cのどちらにも対応でき、ユーザーの好みや走るシチュエーションに合わせてセッティングを変更できることが特徴。フレームとフォークのセット販売だが、サスペンションフォークにも対応していたり、ドロッパーシートポストも装着可能となっており、トレイルのようなグラベルにも対応させられる。

フカヤが先行販売を行ったオリーブグリーンのパーツ類

ウルフトゥースのMTB用フラットペダルもカラーラインアップが充実している

バイクとしてのスペックだけではなく、アセンブルされるパーツがウルフトゥース製とされていることも魅力。カスタマイズはユーザーの自由だが、ウルフトゥースパーツで統一させるのもありだろう。フカヤが先行販売を行ったオリーブグリーンのコンポーネントなどコーディネートパーツとして活躍してくれるはずだ。

バイクの展示としてはリッチーのマウンテンバイクUltraや、オールロードのOutbackのニューカラーも揃った。どちらもマットな質感が特徴的で、Ultraは黄土色という派手すぎず、地味すぎないカラーが魅力的。スレートカラーのOutbackもパーツのカラーコーディネートで個性を演出するのが楽しそう。

リッチーのマウンテンバイクUltraにも新色が登場した

Outbackのスレートカラーも特徴的だ

新規取扱開始ブランドのうち2つは、エクリプスとロッカーパーツというネーミング。エクリプスは近年の流行であるTPUチューブブランドで、ロード用、ロード・エンデュランス用、ロード・グラベル用、オフロード用、ミニベロ用を揃えている。ロード系には軽量モデルも存在しており、最も軽量なモデルは19.5gと非常に軽く作られている。エクリプス最大の特徴はバルブが金属製で、特許取得済み技術で接着が行われているという。

ドイツを拠点とするロッカーパーツというブランドから紹介されたのは、"ロックヘッド"というステム。これはステム自体に折りたたみ機構を備え、室内保管の際にハンドルの角度を簡単に変えられることが魅力のモデルだ。特にハンドル幅が広いマウンテンバイクの収納に悩む方にはおすすめ。もちろんライド中に可変機構が故障しないように安全規格DIN EN ISOのテストはクリアしている。

ドイツ発のTPUチューブブランド、エクリプスが登場した

ハンドルを折りたためるステム

フカヤが扱うお馴染みのブランドも引き続き注目してもらいたい。特にグッドイヤーのハイエンドタイヤ"Eagle F1 SuperSport R"は非常に軽く、レーサーにうってつけの存在。シクロワイアードではインプレッションも行っているためチェックしてもらいたい。もちろんグラベルやマウンテンバイクのタイヤも充実しているため、選択肢の一つとして検討しても良さそうだ。

ブライトンは今年の春先にリリースしたサイクルコンピューターのRider 750SEと、リアレーダーのGARDIA R300Lも人気が高まっているという。世代が進むごとに進化を続けるサイコンの最新モデルは使い勝手が良いし、レーダーも装着している状態としていない状態では心のもちようが全く異なる。こちらの製品もシクロワイアードでは使い方にフォーカスした記事を展開している。

グッドイヤーの新型EAGLE F1 Rなどにも注目だ
グッドイヤーはオフロードタイヤのラインアップも充実している


ブライトンのRider 750 SEも人気が高まっているという
レーダーのGARDIA R300Lも注目を集めた



またフカヤは国内ブランドの展開も充実しており、緊密な関係を築くミノウラはその筆頭だ。サイクルモードではメンテナンススタンドの使い勝手を高めるスルーアクスルを固定するクイックリリース式マウントを発表したが、今回はそのマウント+メンテナンススタンドのパッケージ販売をアナウンスした。これからメンテナンススタンドの購入を考える方で、ディスクブレーキの自転車を使っている場合はこのスタンドは選択肢として検討しても良さそうだ。

キャットアイはバッテリーがビルトインされたAMPPシリーズの新作"AMPP900"を案内した。これはAMPP800の進化系であり、最大光量が900ルーメンに引き上げられ、ローモードでも200ルーメンの明るさを放つモデルとなった。900ルーメンで約2時間、200ルーメンで約5時間という普段使いにぴったりな性能を備えており、価格は8,800円(税込)に設定されているため、多くのサイクリストが選びやすいはずだ。

スルーアクスルをクランプする固定マウントがスタンドとセット販売される

AMPP800の進化モデルとしてAMPP900がリリースされる

また、キャットアイの意欲作VOLT 400NEOのスペシャルエディションが登場した。この特別仕様は新型のライトユニットはそのままに、VOLT 800NEOの大容量バッテリーに置き換えられたモデルだ。この変更によってランタイムが400ルーメンでは約7時間、ローモードでは約30時間に伸びており、ロングライドでライトを長時間使用する方や、頻繁にライトを使う人向けのライトとなっている。

iRCからはサイクルモードなどで展示されていたTANKEN GEKKOTAがいよいよ発売開始されるとの情報も。これはオフロードバイク(二輪)のコンパウンドを使ったハイグリップモデルであり、マウンテンバイクのダウンヒルなどでアグレッシブに攻めたい方にはピッタリだろう。他にもBOKENシリーズのDOUBLE CROSSから33Cが限定品として登場。こちらはシクロクロス向けのサイズとのことで、グラベルとCXどちらもチャレンジしてみたい方におすすめだ。

特別コンパウンドを採用したTANKEN GEKKOTAもそろそろ販売となる
シクロクロスにぴったりのBOKEN DOUBLECROSS(33Cサイズ)


JETTY PLUSはカラーやパターンのデザインにこだわったという
グリップ力、接地感が抜群のSIREN PROへと進化を遂げたBMXタイヤ



アーバンバイク用のJETTY PLUSも新製品として注目したい。ベーシックな黒だけではなく、ブルーやレッドのカラータイヤ、タンサイドのカラーが揃っており、バイクコーディネートを楽しめるタイヤとして展開がされている。またタイヤのパターンはこだわって作り、他に類を見ないルックスに仕上がっているのも特徴だ。

フカヤはシマノの代理店でもあり、今回の展示会では新型GRXの説明会が行われた。12速化を果たしたグラベルコンポーネントの紹介には数多くのショップスタッフが集まっていたため、最新情報は取扱店にて伺うことができるだろう。ますます広がるグラベルカルチャーに密接に結びつくGRXにも注目したい。

新型GRXの説明会が行われた

report: Gakuto Fujiwara
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