グッドイヤーのロード用タイヤのハイエンドモデルとして登場した"EAGLE F1 SuperSport R"。軽量で転がりの軽さが特徴であるハイパフォーマンスロードタイヤを編集部員がテストする。



グッドイヤー EAGLE F1 SuperSport R photo:Michinari TAKAGI

グッドイヤーのロード用タイヤラインアップでハイエンドモデルに位置付けられる「EAGLE F1 SuperSport R」。「更なるスピード」を追求して開発され、最高峰のロードレースやタイムトライアル、トライアスロン競技に特化した軽量モデルだ。

ベースとなるレーシングタイヤの「EAGLE F1 R」よりも更にしなやかで軽量な150TPIのケーシングを用いたショートプライ構造により、25Cのクリンチャーではグッドイヤー史上最軽量の190gを実現している。

センタースリックでサイドには細かく凹凸があるトレッドパターン photo:Michinari TAKAGI

最大空気圧は通常のリムでは5.9bar、フックレスリムでは5.0bar photo:Michinari TAKAGI

チューブドタイプとチューブレスコンプリートの2種類をラインアップ。チューブレスコンプリートは、軽量で乗り心地が良いチューブレスレディタイヤの利点に加え、高い空気保持特性を備えたグッドイヤー独自の設計である。シーラントの推奨量は、タイヤ一本あたり30~50ml。独自の設計により、取り付け後にシーラントがより多く残り、必要な瞬間に備えられる。

タイヤには1本毎に品質管理コードが割り当てられ製造日や生産ロットを詳細に記録しているため、徹底された品質管理の中で高性能・高品質なタイヤが生産されている。チューブドタイプのサイズ展開は700×25Cと28Cの2サイズ、チューブレスコンプリートでは700×25C、28C、30Cの3サイズがラインアップされている。

カラーはブラックとタンの2色が用意される。価格はクリンチャーモデルは9,680円(税込)、チューブレスコンプリートモデルが11,000円(税込)となっている。それでは編集部インプレッションに移っていこう。



―編集部インプレッション

グッドイヤー EAGLE F1 SuperSport Rの700×28Cをテストしていく photo:Gakuto Fujiwara

これまで多くのブランドのチューブラーやチューブレス、クリンチャータイヤの多種多様なタイヤを使用してきたCW編集部員の高木が、グッドイヤーのチューブレスロードタイヤ"EAGLE F1 SuperSport R"をテストする機会を得た。700×25C、28C、30Cの3サイズが展開されている中から、今回はワールドチームの選手たちが使用し、スタンダードになりつつある28Cをテストしよう。

リム内幅は21mmのシマノ ULTEGRA R8100シリーズのチューブレスカーボンホイールをテストホイールとして使用した。タイヤはリムに装着しやすく、その上でブースターなしのフロアポンプでも簡単にビードを挙げられた。装着作業に関しては非常にスムーズで、チューブレスコンプリートの性能の高さを実感。

走行する前にグッドイヤータイヤ適正空気圧ガイドページを確認して、空気圧のセッティングを行なった。自身の体重(58kg)とバイクの種類と重量、ホイールの種類、タイヤの種類を入力すると、ドライでは適正空気圧をフロントが3.94barで、リアが4.19barとガイドされた。因みにウェットではフロントが3.55barで、リアが3.77barと算出された。今回は空気圧4barを基準にテストを実施していく。

一定速度で巡行しやすい photo:Gakuto Fujiwara

走り出した瞬間から体感できるのは転がりの軽さ。グッドイヤーのEAGLE F1と比較しても、一線を画すほどの漕ぎ出しだった。ロードレースやクリテリウムの180°ターンのコーナーからのゼロ発進や速度変化が激しいレースなどではアドバンテージになるだろう。また、都心のサイクリングであったとしても信号からのスタートなどでこの恩恵は受けられる。

転がりの軽さはもちろんだが、タイヤ自体の重量も軽く、ヒルクライムなどで性能をより発揮できる。一定ペースで登り続けるシーンはもちろん、アタックをするような場面であれば、よりその軽量性による戦闘力を発揮してくれるだろう。

平地では中高速域で巡航するのが非常に楽になった。走りが重いタイヤで平地巡航しているときは、踏み続けながら速度を維持しなくてはいけないが、EAGLE F1 SuperSport Rでは40~50km/hの速度域でも力をセーブしながら、走り続けることができる。この性能のおかげでハイスピードなクリテリウム、タイムトライアルでもアドバンテージを発揮してくれる。

転がりの軽さと軽量がレースでは武器になる photo:Gakuto Fujiwara

コーナーリングではスタンダードなハンドリングが可能。狙ったラインをトレースできるため、峠のダウンヒルでは軽快に走り抜けることができる。コーナーリングラインの微調整もしやすく、コントロールもしやすかった。また、タイヤ自体がしなやかであるため、テストライド中も乗り心地が良かった。また、凹凸がある荒れた路面でも、しっかりと路面を捉えてトラクションがかかるため、パワーをロスする感覚は薄い。

サイズは700×25Cと28C、30Cのサイズが用意され、最近のスタンダードになっている太めのタイヤ幅の中から、選択できるのも嬉しいポイントだった。転がりの軽さや乗り心地の良さ、コントロール性能のトータルバランスをとるのであれば、28Cが一番良いかもしれない。

平均スピードをを1km/hでも速くしたい方や、週末のライドで快適に走れるように履かせるのもおすすめだ。しかし、やはりこのグッドイヤー EAGLE F1 SuperSport Rはレースや大会で1分1秒でも速く走りたいレーサーに強くお勧めしたいタイヤであった。決戦タイヤに悩まれている方に、一度使ってみてほしい。



グッドイヤー EAGLE F1 SuperSport R(クリンチャー仕様)
コンパウンド:DYNAMIC:UHP
TPI:150TPI
カラー:ブラック、タン
サイズ:700×25C、28C
重量:190g(25C)、205g(28C)
価格:9,680円(税込)

グッドイヤー EAGLE F1 SuperSport R(チューブレスコンプリート仕様)
コンパウンド:DYNAMIC:UHP
TPI:150TPI
カラー:ブラック、タン
サイズ:700×25C、28C、30C
重量:235g(25C)、255g(28C)、275g(30C)
価格:11,000円(税込)
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