29kmの独走によって今大会3度目の勝利を掴んだレムコ・エヴェネプールは「嬉しいし誇りに思う」と喜んだ。総合首位を守ったクスやアシストに徹したヴィンゲゴーなど、ブエルタ第18ステージを終えた選手たちの言葉を紹介します。



区間優勝&山岳賞 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

妻の名前の頭文字であるOを作り、フィニッシュしたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

(フィニッシュ時にしたマークは)妻であるオウミの頭文字だ。今大会3度目の勝利を彼女に捧げる約束をしていたんだ。

早めに仕掛けたのは、逃げ集団で自分が一番強いとわかっていたから。だから(様子を見る)時間を無駄にしたくないと思った。(逃げ切り勝利した)第14ステージのように脚の調子が良く、素晴らしいステージとなった。また今日は山岳賞のポイントを獲得する絶好の機会でもあり、結果的に全ての山岳でトップ通過することができた。素晴らしい形でブエルタを締めくくることができた。

(失速した第13ステージの)フォルミガルとトゥールマレーの後、ステージ優勝に目標を切り替えた。その結果、今大会で最も美しい3つのステージで勝つことができ、更に山岳賞ジャージも獲得した。総合争いこそ脱落したものの、誇りに思える大会となった。

ブエルタの最後を、こんなにも素晴らしい結果と良いコンディションのまま締めくくることができた。つまり僕はグランツールで改善しているということだ。嬉しいし誇りに思うよ。

区間2位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)

エヴェネプールに食らいつくダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

今日は厳しいステージとなった。レムコ・エヴェネプールが逃げ集団の中で最も強いことは明らかで、実際に脚でそれを証明した。だから彼にこそ今日の勝利は相応しい。彼のような偉大なチャンピオンに続く2位が意味するものは大きいし、満足しているよ。これ以上の走りはできず、レムコの後ろにつくのはまるでスクーターにつくようなもの。彼のペースはとても速く、それは他の選手にとっても同じだっただろう。

区間8位&ヤングライダー賞 フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)

マスやクスと同タイムでフィニッシュしたフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

ランダがアタックして、そのスピードに驚いた。何とか彼に食らいつき、僕も前に出て一緒に行きたかったが、その時点で僕の脚は限界を超えていた。彼と一緒にタイムを稼ぐことができず残念だ。

区間10位&マイヨロホ セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)

また一歩総合優勝に近づいたセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

チームメイトは一日を通して集団を牽引する、素晴らしい走りを見せてくれた。そして最後2周の山岳では、ヤン(トラトニク)が集団に戻り前を牽いた。その後は山岳の序盤からヨナス(ヴィンゲゴー)がペースを作り、あまりの速いテンポに、僕自身が遅れるのではないかと怖くなったよ(笑)。

アングリルの前に話し合い、ある戦略に対し皆合意していた。そしてアングリルを経て僕らは再び話し合い、新たな戦略を立てたんだ。戦略は常に変わるものだし、人間はやることなのでほころびは出るもの。

―総合優勝がほぼ決まったということはできるか?

決まってはいないが、確実に近づいているね。明日は比較的楽なステージだが、常に集中を切らすことなく、長くハードな第20ステージに臨みたい。長い山岳は登場しないものの、タフなステージとなるだろう。

区間12位&総合3位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

成功の日となった。僕らは狙い通りの結果を得ることができた。

―これが計画通りということか?

そうだ。昨晩のミーティングで現在の総合順位のままを維持しようという結論に達した。だからできるだけ守るようにするのが作戦だった。僕はセップのアシストによりブエルタで総合優勝することができたんだ。だからこの結果が嬉しい。しかしまだ難しいステージが待っている。

区間13位&総合2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)

ヴィンゲゴーを引き離したことを詫びるセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) photo:Unipublic

今日のプランは総合トップ3を守ることだった。また土曜日にも難しいステージがあるので、このまま戦い続けるよ。セップ(クス)に恩返しができて嬉しいし、彼は僕とプリモシュ(ログリッチ)のために多大な貢献をしてくれた。だから今度は僕が恩を返す番。引き続き気をつけながら走っていきたい。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos