リドル・トレックは8月10日、2020年ジロ・デ・イタリアの覇者であるテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の移籍を発表した。また同チームは今年ジロでポイント賞に輝いたジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)の獲得も明らかにしている。



リドル・トレックへの移籍が発表されたテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

「同じチームで7年を過ごしたこともあり、2024年の新たな挑戦に対しては様々な感情がある。この挑戦はエキサイティングかつ、僕に新しい視座やチームメイト、カルチャーを与えてくれる。長きに渡りチームを支えてきたトレックにリドルという新しいパートナーが加わったいま、是非ともこのプロジェクトに加わりたいと思ったんだ」と、リドル・トレックと3年契約を結んだテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は語った。

ゲイガンハートは2015年にトレーニー(研修生)としてチームスカイ(イネオス・グレナディアーズ)に加入し、2017年より本格的にプロ生活をスタートさせた28歳。コロナ禍で10月に開催された2020年ジロ・デ・イタリアではジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)と激闘の末、総合優勝に輝いた。

その後ゲイガンハートの成績は低迷し、総合エースではなく山岳アシストとしての役割を担うように。しかし今年2月のボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナで3年振りの勝利を飾ると、ティレーノ~アドリアティコでは総合3位に入り、直後のツアー・オブ・ジ・アルプスでは区間2勝と総合優勝に輝いた。

完全復活の勢いのまま臨んだジロ・デ・イタリアではゲラント・トーマス(イギリス)と共にダブルエースを担ったものの、第11ステージで落車し左臀部を打ちつけて骨折。総合3位という好順位のままレースを去る不運に見舞われた。

今年復活と呼ぶに相応しい活躍を見せているテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

今年のジロで大活躍したジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)もリドル・トレックに加入 photo:CorVos

長きに渡り冠スポンサーを務めたセガフレードと別れを告げ、大手スーパーマーケットチェーンであるリドルを新たに迎えたリドル・トレック。チーム予算を大幅に増やしたことで、ゲイガンハートの他にも今年のジロでポイント賞を獲得したジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)の加入(3年契約)も発表している。

ルカ・グエルチレーナGMはゲイガンハートの獲得について、「彼の献身性と逆境から復活する力は、リドル・トレックの精神を表している。彼のキャリアはその意志の強さを示しており、そんな彼をチームに迎えることができ喜びを感じている。新しい冒険に臨むテイオと一緒に団結し、共に限界を押し上げ、偉大な結果を残し、レガシーを作っていきたい」と語っている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos