先日閉幕したツールで2連覇を達成したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が、ブエルタ・ア・エスパーニャ(8月26日〜)に出場することを明らかにした。同大会にはチームメイトでプリモシュ・ログリッチや、前回覇者エヴェネプールが出場する。



大会連覇を決め、バイクを掲げるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:So Isobe

「プリモシュ(ログリッチ)と同じく僕も総合優勝を目指す。だからブエルタは2人のエースで臨むことになる。いまはツールで総合優勝した祝杯を楽しみ、1週間後からブエルタに向けた準備に入る」と、ツール・ド・フランス閉幕直後のインタビューでヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)はそう答えた。

8月26日(土)にスペイン第2の都市であるバルセロナで開幕するブエルタ・ア・エスパーニャ。その後は地中海沿いを南下し、反転したS字のようにスペイン北部を中心を巡りながら最終日のマドリードを目指す。個人タイムトライアルはツールと同じく第10ステージのみ(距離も25kmと短い)だが、初日に14.6kmのチームタイムトライアルが設定されているため、TTに長けたヴィンゲゴーの参戦はチームにとってアドバンテージとなる。

同大会にユンボ・ヴィスマからは5月のジロ・デ・イタリアで総合優勝を果たしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が出場。そのためヴィンゲゴーは本人が語る通りダブルエースとしてはもちろん、調子次第では強力な山岳アシストの役割が期待される。また、一部報道によるとユンボは新加入のアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)の他にジロとツールで重要なアシスト役を務めたセップ・クス(アメリカ)を出場させる考えもあるのだという。

なおヴィンゲゴーがブエルタに出場するのは2020年大会以来3年振り2度目となり、ユンボ・ヴィスマが総合優勝をすれば史上初となる1チームによる同年のグランツール全制覇となる(ジロ:ログリッチ、ツール:ヴィンゲゴー)。

マリアローザをほぼ確定させたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

前回覇者であるレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos
ジロで総合2位だったゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos


ヴィンゲゴーの参戦によってハイレベルな戦いが予想される今年のブエルタ。その他のマイヨロホ(総合リーダージャージ)候補には、ジロで無念のリタイアとなった前回覇者レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)や、同大会で総合2位だったゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が出場する。

更にUAEチームエミレーツはジロ総合3位のジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が昨年総合3位のフアン・アユソ(スペイン)と共に出場。またツール第1ステージで落車し、肩甲骨を骨折したエンリク・マス(スペイン、モビスター)の参戦も濃厚だと報道されている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:So Isobe, CorVos