ユンボ・ヴィスマのタイトルスポンサーであるユンボ社が2024年限りで撤退する。同チームのリチャード・プルッヘGMが認めた。昨年ツール・ド・フランスで総合優勝を果たし、現在まで最多勝利数を誇るチームの動向に注目が集まっている。



昨年のツールを制し、今季は石畳クラシックで無類の強さを誇っているユンボ・ヴィスマ photo:CorVos

今シーズンここまで20勝とワールドツアーで最多勝利数を積み重ねるユンボ・ヴィスマ。その第1タイトルスポンサーであるユンボ社が、2024年限りで退くとNOS(オランダ放送協会)が報じた。この事実は2022年末の時点で既にチーム全体に共有されているという。

ユンボ社はオランダとベルギーに展開するスーパーマーケットチェーン。2015年より自転車界のスポンサードを開始し、2019年よりユンボ・ヴィスマとして第1タイトルスポンサーを務めている。ユンボ・ヴィスマのチームは現在、男子チームの他に世界王者に3度輝いたマリアンヌ・フォス(オランダ)が所属する女子チーム、また同名のスピードスケートチームを運営。更にユンボ社としてはF1の2年連続ワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(オランダ)の個人スポンサーも務めている。

「共に勝利を」というスローガンを打ち立て、自転車界へのスポンサードを推進した人物でもあったユンボの元CEOカレル・ファンエルド氏が昨年12月に死去。現在のCEOであるトン・ファンヴィーン氏の元、スポーツ界へのスポンサードの見直しを図っている。

マリアンヌ・フォス(オランダ)を中心としたユンボ・ヴィスマの女子チーム photo:CorVos

ユンボ・ヴィスマのリチャード・プルッヘGMは各メディアの取材に対し「我々は何の心配もしていない。(ユンボのスポンサー撤退に関しては)チームでしばらくの間、話題になっていたこと。現時点で契約は2024年まで残っており、我々はすでに次なるステップについてファンヴィーンCEOと話し合っている」とコメント。「チームは一度(ツール・ド・フランス総合優勝という)自転車界の頂点に立った。次なる挑戦はその位置をいかにして保持できるか。どれだけ頻繁にツールで勝つことができるかだ」と、プルッヘGMは語っている。

オランダメディアのADによると、ユンボが共同スポンサーとして残る可能性もあるという。また同時に、第2タイトルスポンサーであるヨーロッパのソフトウェア企業ヴィスマ社の第1スポンサーへの昇格や、他6社のタイトルスポンサーになる可能性を示している。

text:Sotaro.Arakawa

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