フカヤがさいたま市の秋ヶ瀬公園で試乗会イベントを開催した。同社が取り扱い始めたアメリカンタイヤブランド"グッドイヤー"とフカヤオリジナルバイクブランドのダボスとギザロの展示・試乗会が実施された模様をレポートしていく。



フカヤオリジナルバイクブランド photo:So Isobe

日差しが暖かく、荒川サイクリングロードには菜の花も咲き始めた自転車日和の中、フカヤが試乗会イベントをさいたま市の秋ヶ瀬公園で開催した。フカヤが新たに取り扱いを開始したアメリカンタイヤブランド"グッドイヤー"とフカヤオリジナルバイクブランドのダボスとギザロの試乗ができることもあり、多くの方が足を運んだ。

グッドイヤーはアメリカのオハイオ州で1898年に設立され、20年以上の歴史を誇るタイヤブランドである。1976年に自転車用タイヤの製造を中止していたが、2018年から自転車市場に再参入。最新設備が導入された自転車用タイヤ専用施設で設計から製造までの工程を一貫し、自社工場で製造することでコストパフォーマンスにも優れている。

グッドイヤーの豊富なタイヤラインアップ photo:Michinari TAKAGI

高い耐パンク性を備えながらも高いグリップ力のVECTOR 4 SEASON photo:So Isobe

MTB用のESCAPE photo:So Isobe
CONNECTORは転がりが軽く舗装路や未舗装路でも快適に走れる photo:So Isobe


グッドイヤーのタイヤにはチューブレスコンプリートが搭載されていることも特徴である。チューブレスコンプリートとはチューブレスレディタイヤのしなやかさはそのままに、チューブレスのように空気保持能力を高めたグッドイヤー独自の設計のことを示す。

タイヤには1本単位で品質管理コードが割り当てられ製造日や生産ロットを詳細に記録しているため、徹底された品質管理の中で高性能・高品質なタイヤが生産されている。

グッドイヤーはロードバイクやグラベルバイク、MTB用のタイヤラインアップを展示。ロードバイク用はVECTOR 4 SEASON、グラベルバイク用はCOUNTYとCONNECTOR、PEAKの3モデル、MTB用はPEAKとESCAPE、NEWTONの3モデルが試乗可能で、多くのグッドイヤータイヤを体感できる良い機会であった。

グッドイヤーの担当者によるチューブレスコンプリートタイヤの取り付け講座やタイヤごとに細かな製品説明が実施され、参加者はブランド知識を深める機会となった。

D-309 ネオスポルティーフVer.2が発表された photo:Michinari TAKAGI

M-605がバイクパッキングされた状態で展示 photo:Michinari TAKAGI
ロッキーマウンテンのダウンカントリー photo:So Isobe


前方に10°ベンドした形状のカーボンハンドルが付属 photo:So Isobe

また、フカヤのオリジナルバイクブランドであるダボスやギザロのバイクが展示されていた。M-605がバイクパッキングされた状態で使用の仕方をイメージしやすい展示となっていた。D-309 ネオスポルティーフVer.2が発表された。フレームの各部がブラッシュアップされ、XSサイズを追加しているなど、日本のニーズに合ったモデルへモデルチェンジ。さらに、ステムクランプ部から前方に10°ベンドした形状のカーボンハンドルが付属してくる。

また、グッドイヤーのタイヤが装着されたダボスのネオスポルティーフ"D-309"とギザロのエンデュランスバイク"GE-110"、ロッキーマウンテンのダウンカントリー"ELEMENT"シリーズなどが用意され、フカヤ取り扱いバイクとタイヤの両方のテストライドができるなど、充実したバイク&タイヤ試乗会であった。最後にフカヤの牧さんのインタビューを行った。



フカヤ 牧さんインタビュー

フカヤの牧さんインタビュー photo:So Isobe

CW:フカヤがグッドイヤーを始めた経緯は?

数多くのタイヤーメーカーを取り扱いをしているフカヤとしては、プラスしてグッドイヤーを取り扱う意味合いとして日本のサイクリストの皆さんに、サイクルライフがより豊かになるようにという想いがあります。問屋として儲けたいというのが大前提ではなくて、少しでも「自転車に乗るのが楽しいな」、「もっと遠くに遊びに行きたいな」というスポーツバイクに合うようなラインアップを心掛けているので、その1つとしてグッドイヤーの取り扱いを始めました。だから、お買い求めやすい価格にしています。

CW:グッドイヤーはジャンルを問わないタイヤラインアップですよね?

よくよく見てもらえればよいタイヤであることはわかってもらえます。ただ、タイヤはスペックだけを見て判断するものではないですし、一人一人感じ方が違うと思いますし、いろんな人に合うようなタイヤをラインアップしてます。

CW:今後は試乗会ツアーなどイベントを開催していきますか?

今回は関東でしたが、関西でも開催していきます。また、試したいとユーザーからの要望、フカヤとお取引があるショップさんがあれば、そのショップで開催していきたいと考えています。少しでも多くの方に体感してもらいたいと思っています。

サイクルモード東京では大きくグッドイヤーのブースを出展します。フカヤフェアにも来てくれていましたが、本国からスタッフのベンさんが来てくれるので、疑問に思っているところを直接聞くことができる機会です。

安定供給を目標にしています。憧れのブランドで手に入りにくいではなくて、ショップに行けばすぐに買えるということを目指しています。

トレッドパターンはほとんど同じでコンパウンドが異なることでモデル違いのラインアップに photo:Michinari TAKAGI

CW:牧さんのおすすめのグッドイヤータイヤはどれですか?

当然、どのモデルもおすすめなんですが、個人的には今お持ちのサイズからワンサイズアップしたもの購入するのをお勧めしたいですね。バイクが古かろうが、新しかろうがタイヤを変えるだけで、バイクのフィーリングが変わると思いますし、新たな発見ができると思います。26Cなら28Cに、28Cなら30Cにサイズアップしてもらいたいです。最近のディスクロードなら大体が32Cまでタイヤクリアランスがあると思います。因みに私は32C派ですね。

CW:シクロクロスのタイヤと同じ幅ですね?

僕もシクロクロスをやっていたので、クロスと同じ感覚で乗ることができるんです。30Cの幅を超えてくると、空気圧のコントロールで固くも柔らかくもできるし、遊びの幅も広がるんです。グラベルタイヤまで履けるバイクを乗っているのであれば、もっと空気圧で遊ぶことができると思います。

機材を替えることが全てではなくて、一番身近なタイヤを替えることで、空気圧だとかトレッドパターンを変えるとかで、あまりお金をかけずに今乗っている自転車をリノベーションしてみませんかという提案です。

CW:タイヤの変化が一番わかりやすいですよね?

そうですね。タイヤを換えることでバイクの性格が変わるくらい影響を与えてくれますからね。グッドイヤーは「どうやったら楽しくなるか」「どうやったらよくなるか」タイヤのことを考えながら作っていることがよくわかります。

ノブがとてもしなやかなのが特徴 photo:So Isobe

CW:走れる開発者が作っているということですが、ロード、グラベル、MTBの全カテゴリーにそういう方がいるんですか?

各カテゴリーにスペシャリストがいます。そのライダーがタイヤのコンセプトを考えて、タイヤパターン、トレッドパターンが決まってくる。その辺のところがMTBのタイヤに露骨に出ているんです。私はMTBの選手をやってきたことがあるので、例えば、他のタイヤブランドだと、トレイルだとこのパターン、ダウンヒルだとこのパターンでみたいに分けているんです。

ただトレッドパターンよりもコンパウンドが大切なんです。グッドイヤーのニュートンはほとんどパターンが一緒なのにトレイル、エンデューロに応じて、コンパウンド以外も変更しているんですけど、すごくシンプルに考えているんです。

用途ごとにコンパウンドで分けていますが、どちらか悩んでしまうときはミックスしてしまえば良いんですよ。前後で履き替えればよいので、選び方はシンプルですよね。複数ありすぎても選ぶのが難しいですよね。今のニーズに合っているのかなと思いいます。

コンパウンドに力を入れているブランドなので、オフロードのタイヤはフィールドで使ってもらえればわかると思います。多くの方にグッドイヤーのタイヤを体感してもらいたいですね。

text:Michinari TAKAGI
photo:So Isobe、Michinari TAKAGI