UCIワールドツアー開幕戦のツアー・ダウンアンダーを走ったバイクを紹介していくシリーズ第3弾。イネオス・グレナディアーズ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ユンボ・ヴィスマ、モビスターの4チームを紹介します。



イネオス・グレナディアーズ

イネオス・グレナディアーズ / ピナレロ DOGMA F photo.Kei Tsuji

UCIワールドチームの中で最後までリムブレーキに固執したイネオス・グレナディアーズもすっかりディスクブレーキ体制に。脚質に関係なくメインバイクはピナレロのドグマFの一択で、ハンドル周りはMOSTで統一。グループセットからホイール、ペダルまでシマノのデュラエースで揃えているが、タイムトライアルなどではプリンストンカーボンワークスのホイールも部分的に投入する。タイヤはコンチネンタルのグランプリ5000S TRで、サドルはフィジークの各種モデルを使い分ける。

イネオスは積極的にビッグチェーンリングを使用するチームの一つで、追い風区間や下りで勝負のかかるダウンアンダーでは多くの選手が56-44を踏んだ。一般サイクリストには到底使いこなせないチェーンリングに、11-34のワイドなリアカセットを組み合わせる。

56-44というビッグチェーンリングを使用 photo:Kei Tsuji
マグナス・シェフィールド(アメリカ)はフィジークのアンタレスを使用 photo:Kei Tsuji

バイク ピナレロ
グループセット シマノ
ホイール シマノ
ペダル シマノ
パワーメーター シマノ
タイヤ コンチネンタル
サドル フィジーク
ジャージキット ビオレーサー
ヘルメット カスク
コンピューター ガーミン


アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ

アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ / キューブ LITENING C:68X photo.Kei Tsuji

カーボン生地が浮き出た紺色のキューブに乗るアンテルマルシェ・サーカス・ワンティ。メインバイクはエアロ形状のライトニングエアロC:68X(ブランド名のフォントはおそらく集団内で最大)で、フレームだけでなくニューメンのホイールやコンチネンタルのタイヤなどドイツ色が強いセットアップ。ハンドルはステム一体型のキューブ製で、フォーク先端のセンサー取り付け部分にズレ防止の紙やすりが貼られているあたりがプロバイクらしい。

シマノのデュラエースで組み上げられるが、クランクは使い込まれた感のあるパワーメーター付きの旧型で、セラミックスピードのビッグプーリー、ルックのペダルを合わせる。ブラケットを内側に倒しこむ近年流行りのポジションの元祖『逃げ屋』タコ・ファンデルホールンのセッティングはやはり独特。

デュラエースにセラミックスピードのビッグプーリーを組み合わせる photo:Kei Tsuji
近年『逃げ屋』を中心に流行する、ブラケットを内側に倒しこむスタイル photo:Kei Tsuji

バイク キューブ
グループセット シマノ
ホイール ニューメン
ペダル ルック
パワーメーター シマノ
タイヤ コンチネンタル
サドル プロロゴ
ジャージキット ナリーニ
ヘルメット ウベックス
コンピューター ブライトン


ユンボ・ヴィスマ

ユンボ・ヴィスマ / サーヴェロ S5 photo.Kei Tsuji

継続的にサーヴェロを使用しながらも、そのほかのセットアップを大幅に変更したユンボ・ヴィスマ。グループセットをシマノのデュラエースからスラムのレッドにスイッチするとともに、ホイールをサーヴェロと共同開発のリザーブ、ペダルをワフースピードプレイに変更した。シューズもシマノからニンブル、アイウェアもAGUからオークリーに変更するなど装いも一新している。

フロントチェーンリングは52-39もしくは54-41を使用。コルサプロと書かれたヴィットリアのタイヤは新型チューブレスで、ダウンアンダーではタイヤ幅を28mmで統一する。フィジークのサドル、ガーミンのサイクルコンピューター、レーザーのヘルメットは継続。男子チームはS5とR5をメインに使用するが、女子チームにはソロイストを選択する選手も。パリ〜ルーベではカレドニア5も投入される。S5は専用ハンドルだが、R5にはFSAのステムが組み合わされていた。

リザーブのホイールにコルサプロと書かれたヴィットリアの新型チューブレスタイヤを合わせる photo:Kei Tsuji
ペダルもシマノからワフースピードプレイへ変更 photo:Kei Tsuji

バイク サーヴェロ
グループセット スラム
ホイール リザーブ
ペダル ワフースピードプレイ
パワーメーター スラム
タイヤ ヴィットリア
サドル フィジーク
ジャージキット AGU
ヘルメット レーザー
コンピューター ガーミン


モビスター

モビスター / キャニオン Aeroad CFR photo.Kei Tsuji

2022年からバイクのパーツ構成を変更していないモビスター。キャニオンのエアロードCFRとアルティメットCFRを使い分け、スラムのレッドで組み上げる。ヨーロッパではスラムのプロトタイプの目撃談もあるが、使用するのはデビュー5年目のレッドeTap。ホイールはジップで、スラム系列のパーツで固められている。ユンボ・ヴィスマと同様にフロントチェーンリングは52-39もしくは54-41。

ルックのペダルにフィジークのペダル、コンチネンタルのタイヤに変更なし。バーテープはリザードスキン。ハンドルのフラット部の下にワイヤレスのシフトボタンを増設している選手も多い。

ジップホイール×コンチネンタルタイヤという組み合わせに変更なし photo:Kei Tsuji
ヨハン・ヤコブス(スイス)もワイヤレスのシフトボタンを増設していた photo:Kei Tsuji

バイク キャニオン
グループセット スラム
ホイール ジップ
ペダル ルック
パワーメーター スラム
タイヤ コンチネンタル
サドル フィジーク
ジャージキット ゴビック
ヘルメット アブス
コンピューター ガーミン
text&photo:Kei Tsuji