過去にタイムトライアル世界選手権2連覇を成し遂げたローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)が、今シーズン限りでの現役引退を発表。チームからのリリースは未だないものの、自身のインスタグラムで明らかにした。



今シーズン限りでの引退を発表したローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

「愛しい2人の子どもを育て、プロ生活を支えてくれた妻であるメリッサに感謝したい。自転車競技は僕に多くを与えてくれ、僕は一生感謝し続けることだろう。まだシーズンは長く残っているものの、これがプロ最後の年となる」と、ローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)は自身のインスタグラムにそう綴った。

デニスはオーストラリア・アデレード出身の32歳。2013年にガーミン・シャープ(現EFエデュケーション・イージーポスト)でプロデビュー後、3大グランツール(ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャ)全ての個人タイムトライアルでステージ優勝するなど、TTスペシャリストとして活躍した。

デニスのキャリアでハイライトとなるのは、2018年、19年と2連覇を達成したロード世界選手権個人タイムトライアル。特に2019年大会は当時所属したバーレーン・メリダを退団し、レース期間が約2ヶ月空いたなかでの優勝だった。

2019年に世界選手権2連覇を達成したローハン・デニス(オーストラリア) photo:CorVos

その後イネオス・グレナディアーズに活躍の場を求め、2020年のジロ・デ・イタリアでは山岳アシストとしてテイオ・ゲイガンハート(イギリス)の総合優勝に貢献。ユンボ・ヴィスマに移籍した昨年は、自身4度目のオーストラリアTT選手権とコモンウェルスゲームズを制した。

自身最後のサントス・ツアー・ダウンアンダーとなった第2ステージで、切れ味鋭いアタックから今季初勝利を掴んだデニス。今後の予定は明らかにされていないものの、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)がエースのジロや、ヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ)が大会2連覇を目指すツールへの出場が期待されている。

text:Sotaro.Arakawa