積雪のためコース短縮となったたチャレンジマヨルカ4日目のトロフェオ・セッラ・デ・トラムンターナ。前日にプロ初勝利を挙げたコーブ・ホーセンス(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が2日連続勝利を飾った。



ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)笑顔でスタートを待つ photo:CorVos

全5日間で行われるチャレンジマヨルカ第4戦トロフェオ・セッラ・デ・トラムンターナの舞台はマヨルカ島北部の山岳地帯。リュセタを発着点とするコースは、2級山岳フェメニース(距離7km/平均5.4%)を含むコースを2周する。

前日夜の積雪により自治体が標高600m以上の道を封鎖したため、レースは155.5kmから123.2kmに短縮。幸い頂上が582mのフェメニースの山岳はそのままに、より短く強度の高いコースに冷たい雨が時折パラつく厳しいコンディションのなかスタートが切られた。

序盤から形成された逃げグループは20名。しかし1度目のフェメニース直後にスーダル・クイックステップの牽引によって吸収され、その後プロトンでは幾度ないアタックが繰り広げられた結果、優勝候補のジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)らが遅れを喫した。

コースが短縮されたチャレンジマヨルカ4日目 photo:CorVos

フェメニースの登りでアタックしたヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos

ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)やリリアン・カルメジャーヌ(フランス、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)を含む8名が飛び出し、冷たい雨が降り注ぐ丘陵地帯を突き進む。2度目にしてこの日最後のフェメニースでヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックを繰り返したものの決まらず、追走集団から合流した2名を加えた10名が、フィニッシュ地点の待つリュセタ市街地に戻ってきた。

残り4kmの緩斜面でカルメジャーヌが仕掛け、そのカウンターで今度は前日勝者のコーブ・ホーセンス(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が飛び出した。このアタックに先頭集団に複数人のいるUAEチームエミレーツとグリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネは反応が遅れ、ホーセンスと差が拡がる。そして濡れた路面も巧みにこなしたホーセンスが2日連続の勝利を飾った。

残り3kmから飛び出し2日連続の勝利を飾ったコーブ・ホーセンス(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) photo:CorVos

トロフェオ・セッラ・デ・トラムンターナ2023表彰台 photo:CorVos

「前日の勝利による幸福感のせいで昨夜はよく眠れなかったんだ。だが同時に多くの自信を与えてくれ、今日もとても良い感触でレースに臨むことができた。先頭集団にリリアン(カルメジャーヌ)と共に入ることができ、完璧な展開から勝利を掴み取った。本当に嬉しいよ」と、プロ初勝利の翌日に自身も驚く2勝目を挙げたホーセンスはそう喜んだ。

これでチャレンジマヨルカの初日と3日目、そして4日目を制したアンテルマルシェ。最終日のトロフェオ・パルマは、序盤の4級山岳を除けばフラットなスプリントレース。シーズン序盤の弾みをつけるべく、UAEチームエミレーツのマッテオ・トレンティン(イタリア)とフアン・モラノ(コロンビア)のコンビが活躍する集団スプリントが予想される。
トロフェオ・セッラ・デ・トラムンターナ2023結果
1位 コーブ・ホーセンス(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) 2:55:07
2位 レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・デスティニー) +0:07
3位 イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) +0:09
4位 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) +0:11
5位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) +0:13
6位 ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)
7位 アレッシオ・マルティネッリ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)
8位 アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ) +0:21
9位 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) +0:31
10位 ハリー・スウェニー(オーストラリア、ロット・デスティニー) +1:20
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos