ナイロ・キンタナが母国コロンビアで記者会見を開き「選手は辞めず今後も戦い続ける」と現役続行を宣言するとともに一部報道されていた引退を否定。同選手は禁止薬物の検出で2022年ツール・ド・フランスの成績が剥奪され、直後にアルケア・サムシックを退団していた。



母国コロンビアで記者会見を行ったナイロ・キンタナ photo:CorVos

「(選手は)辞めない。前に進み続ける。いまの状態はとても良く、レースに向けて戦い続ける。僕はルールを守る正直な選手だ」とナイロ・キンタナ(コロンビア)は、記者会見にて現役続行を明確に宣言した。

2022年のツール・ド・フランスにおいてキンタナの検体から2度に渡りオピオイド系の鎮痛剤の1つであるトラマドール、及びその2つの主要代謝物が検出されたこの問題。UCI(国際自転車競技連合)はキンタナの同大会における全成績を剥奪し、それに対しキンタナはCAS(スポーツ仲裁裁判所)に異議申し立てをしたものの、CASは「(UCIによる)証拠は十分」とそれを棄却した。

現役続行を宣言したナイロ・キンタナ(コロンビア) photo:Makoto AYANO

この会見の1週間前キンタナにはUCIプロチーム「チーム コラテック」へ移籍するという報道があったものの、同チームの代表は交渉そのものを否定。キンタナは「コロンビアの様々なチームからオファーを頂き、それには感謝している。しかし僕の現在の目標は世界で最も価値あるレースに母国の国旗を背負い出場すること。いま所属チームはないが、僕自身の準備はできている。またレースで競って成績を残したい」と、新たな所属先への模索に対し意欲を語った。

「真の自転車選手は逆境であっても諦めることはしない。僕はこれまで様々な苦難を乗り越えてきた。僕はこれまであらゆる質問や不誠実な意見であっても真摯に答えてきたんだ」と語るキンタナ。「この後ヨーロッパへと赴き、あらゆるチームの代表者と話し合いの場を設けるつもりだ。早くこの難局を打破したい。そしてその向こうには、世界最大のレースで走る自分が待っている」と、キンタナは記者会見を締めくくった。

text:Sotaro.Arakawa

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